「仮想通貨のガチホって具体的にどうするの?」
「仮想通貨のガチホって儲かるの?メリットは?」
Twitterなどでよく目にする「ガチホ」とは、仮想通貨を長期保有することです。
この記事では、仮想通貨をガチホする具体的な方法や、ガチホするメリット・デメリットを解説しています。ガチホする上で知っておきたい分散投資やハッキングリスクの回避方法、通貨の選び方にも触れていますので、仮想通貨をガチホして利益をあげたい人はぜひお役立てください。
仮想通貨のガチホとは「ガチでホールドする」の略
仮想通貨のガチホとは、「ガチでホールドする」の略です。ガチとは本気、ホールドとは保持するという意味ですので、“仮想通貨を長期で保有する”ということです。
ガチホと呼ぶのは、仮想通貨取引所で保有し続ける状態や、自身のデジタルウォレットで保有し続ける状態が主ですが、保有している通貨を貸しに出すレンディングサービスを利用している状態や、取引所でロックをかけステーキングサービスを利用している状態を指すこともあります。
【仮想通貨のガチホ】
- 仮想通貨取引所で保有し続ける
- 自身のデジタルウォレットで保有し続ける
- 保有している通貨を貸しに出すレンディングサービスを利用している
- 取引所でロックをかけステーキングサービスを利用している
ガチホの由来は仮想通貨スラング「HODL」
仮想通貨を長期保有することをホールドすると呼ぶようになったのは、海外の投資家が仮想通貨を保有すると打つ際に「hold」を「hodl」と打ち間違えたのが始まりです。打ち間違えを面白がって使っていたところ、「ホールド」という言葉自体が長期保有を意味するようになっていきました。
ちなみに、「hodl」は「HODL」とあえて大文字で表記するのが一般的で、「ホドル」や「ホディル」と読まれています。
アメリカで最も歴史の長い仮想通貨取引所「クラーケン(Kraken)」でディレクターを務めるダン・ヘルド(Dan Held)氏も自身のTwitterで次のようなツイートをしています。
仮想通貨をガチホするメリット3つ
仮想通貨をガチホするメリットは、「ポジポジ病を回避できる」「大きな値上がりが期待できる」「確定申告の手間が省ける」と大きく3つに分けられます。
加えて、レンディングサービスやステーキングサービスを利用すれば、利息で儲けが得られるといったメリットもあります(利益に応じて確定申告や住民税申告が必要になるので要注意)。
ここでは、シンプルに仮想通貨取引所及びデジタルウォレットでガチホする場合のメリットについてご紹介していきます。
メリット①ポジポジ病を回避できる
ポジポジ病とは、自分のトレード行動をコントロールできず、次から次へとポジションをとってしまう状態のことです。仮想通貨で言うポジションとは簡単に言えば「仮想通貨を保有する」という意味で、儲けが出ない焦りや、もっと稼げそうだという期待感から、自分で決めた投資ルールを無視して仮想通貨を追加保有したり、さまざまな仮想通貨に手を出してしまうような精神状態を指します。
ガチホは短期間で売買を実行しないため投資家自身の感情が投資行動に影響しにくく、ポジポジ病を回避するには打ってつけの投資方法です。
ポジポジ病とまでは行かずとも、仮想通貨の保有を始めると「今いくらになってる?上がった?下がった?」と気が気でなくなったり、価格の上昇・下降で日常生活に支障が出るほどメンタル面に影響が出る人は大勢いるものです。細やかに売り買いのタイミングを見計らっているデイトレーダーの中には、「何をしていてもトレードが頭から離れず心身共にすり減らしてしまった」という理由からガチホへ移行したという人も少なくありません。
「のめり込んでしまう節がある」「あくまで趣味の範囲で仮想通貨を楽しみたい」「仮想通貨の知識が浅く歴も長くない」という場合は、ガチホが向いていると言えるでしょう。
メリット②大きな値上がりが期待できる
仮想通貨は2021年10月現在、2,100種類以上も発行されています。新たなブロックチェーンプロジェクトの開発が進んでいるのは確かですので、今後もどんどん増えていくと予想できます。
そして、この膨大な仮想通貨の中には、ビットコイン(BTC)がそうだったように、今はそれほど高値で取引されていなくても将来大きな利益を生み出す可能性を秘めたものも存在するのです。
ビットコイン(BTC)が誕生した2009年、1BTC=0.07円でした。2010年に入ると1BTC=0.2円と徐々に価格をあげ、2021年10月に入ってからは1BTC=730万円台で取引されています。ローンチされたばかりの2009年に100BTC=7円で購入し12年間ガチホしていた人は、2021年10月現在、単純計算で7億3千万円の資産を手に入れたことになります。
ビットコイン(BTC)以外の仮想通貨は代替という意味を持つアルトコインと呼ばれていますが、時価総額の大きいイーサリアム(ETH)やリップル(XRP)もローンチ当初はほとんど価値がついていませんでした。
このように、未だ価値がそれほど大きくない発展途中のアルトコインをガチホしておけば「億り人」になることも夢で終わらないかもしれませんね。
メリット③確定申告の手間が省ける
仮想通貨を保有するのは非常に簡単です。簡単であるがゆえに、仮想通貨の税申告漏れが問題視されています。
仮想通貨で利益が確定するのは、保有していた仮想通貨を売った時や、レンディングサービス・ステーキングサービスなどで利息を受け取った時、Tポイントや楽天ポイントなどのポイントを仮想通貨へ交換した時、仮想通貨で商品を売買した時などです。仮想通貨に触れるタイミングが課税タイミングだと思っておいて良いでしょう。
仮想通貨のガチホは、レンディングサービスやステーキングサービスさえ利用していなければ利益が確定せずただ保有している状態がずっと継続しているわけですので、課税となるタイミングが非常に少ないのがメリットです。
利益を確定させる前に次年度納めなければならない税金を把握しておけば脱税リスクも回避できますし、ふるさと納税など節税対策も前もって準備しておくことができます。
仮想通貨の確定申告や節税対策については、こちらの記事もぜひ参考にご覧ください。
仮想通貨をガチホするデメリット3つ
仮想通貨を取り扱う上で比較的リスクの少ないガチホですが、短期間で利益が出にくかったり、ハッキングされる可能性があるなどデメリットもあります。また、将来利益が上がる可能性のある仮想通貨か判断するのも難しいポイントです。
そこで、念頭に置いておきたいガチホのデメリットと対策方法、通貨を選ぶコツを交えて解説していきます。
デメリット①年単位でガチホしないと利益が出にくい
先ほどビットコイン(BTC)の例を挙げた通り、仮想通貨の価格が上昇するには年月がかかります。そのため、年単位でガチホしないと利益が出にくいのです。また、待てど暮らせど利益が上がる見込みがなければ、売りに出すタイミングを見計らう必要もあるでしょう。
仮想通貨をガチホすると決めたからには、積立貯金のように安易に売ろうとしない覚悟を持つとともに、景気や仮想通貨業界の動向を見て舵取りできるよう仮想通貨知識をつけていくのが望ましいです。
ガチホしている仮想通貨の公式サイトやTwitterから発信される情報をこまめにチェックしたり、仮想通貨全体のニュースにも目を通しておくと感覚も養われます。
デメリット②ハッキングされる可能性がある
ガチホに限らないことですが、仮想通貨の取り扱いにはハッキングのリスクがあると念頭に置いておく必要があるでしょう。
仮想通貨取引所でガチホする場合のハッキング被害と対策
取引所で購入してそのままガチホする場合は、利用する取引所がどのようなハッキングに対する対策と補償を設けているか確認してください。
2018年1月26日に日本国内の仮想通貨取引所Coincheck(コインチェック)が受けたハッキング被害が記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。
Coincheckのハッキングでは当時580億円相当の仮想通貨ネム(NEM/XEM)が盗難されました。原因は、Coincheck社員宛に届いたメールからのマルウェア感染とされており、内部のセキュリティ体制の甘さが露呈されました。その後、Coincheckは東証一部上場企業であるマネックスグループ株式会社の子会社となり、オフラインで仮想通貨を保有できるコールドウォレットの導入やマルチシグ、に段階認証といったあらゆる対策が講じられています。
デジタルウォレットでガチホする場合のハッキング被害と対策
取引所で仮想通貨を購入したあと自身が管理するデジタルウォレットに送金してガチホする場合は、利用するデジタルウォレットのハッキング歴や対策、セキュリティ体制を確認しておく必要があるでしょう。
デジタルウォレットと言えば、イーサリアム(ETH)及びイーサリアムブロックチェーン上で発行されているトークンを保有しておけるMetaMask(メタマスク)が有名ですが、2020年6月下旬に不正なアクセスが発覚し、「顧客の氏名・住所・メールアドレス・電話番号などの連絡先」と「注文の詳細」が流出しました。その他にもフリーWi-Fiを経由して資金の盗難被害にあったという声や、Googleのクラウドサービス上に保管していたMetaMaskの秘密鍵が抜き取られて盗難被害にあったという声も相次いでいます。
デジタルウォレットは良くも悪くも自己管理という特性を持っています。ハッキング被害に合わないために、デジタルウォレットの秘密鍵はオフラインで管理する・オフラインのコールドウォレットを利用する・ガチホ用ウォレットをいくつか作って分散させておくといった対策を講じる必要があるでしょう。
デメリット③仮想通貨選びが難しい
仮想通貨をガチホして長期的に利益を狙うためには、通貨選びが非常に重要となります。まずは気になる通貨を購入される人が多いと思いますが、将来的に投資金額を増やしていきたいのであれば、投資リスクを下げるために分散投資をオススメします。
投資には「卵を一つのかごに盛るな(Don’t put all eggs in one basket)」ということわざがあります。1つのかごに全ての卵を入れてしまうと、かごが揺れたり傾いたりした時にすべての卵が割れてしまいますよね。それを回避するため、複数のかごに卵を分散して入れておけば、卵が一度に全て割れてしまう可能性が低くなる、ということです。
値動きの異なる仮想通貨を選んで分散投資する
分散投資する際は、すでに保有している通貨と似た値動きをしている通貨は避け、反対の値動きをする通貨を選ぶのが望ましいとされています。例えば、夏場に価格が高騰しやすい「かき氷コイン」と冬場に価格が高騰しやすい「お鍋コイン」、反する特性を持ち合わせる通貨を保有しておけばリスクを最大限に抑えることができますね。
イーサリアム(ETH)へ投資するなら、イーサリアムブロックチェーンを活用しているイーサリアムクラシック(ETC)やクアンタム(QTUM)よりも、イーサリアムの弱点を補う目的で開発されたカルダノ(ADA)やソラナ(SOL)へ分散投資する方がリスクは低いと言えるでしょう。
カルダノ(ADA)とソラナ(SOL)に関しては以下の記事も参考にしてみてください。
時間差でポジションを取って分散投資する
タイミングをズラしてポジションを取るのも分散投資の一つです。
「毎月月末に1万円ずつ通貨に投資する」といった方法は「ドル・コスト平均法」と呼ばれ、中長期的に見て買付単価が平準化するメリットがあります。また、毎月○円を○日に買うといった具体的なルールを設ける必要があるので、投資家の感情が反映されずにトレードできるといった良い面もあり、投資のストレスを日常生活に持ち越さずにすみます。
【まとめ】ガチホはリスク少なめな仮想通貨の投資テクニック
仮想通貨をガチホする方法、メリット・デメリットをご紹介しました。
仮想通貨のガチホは、初心者・ガチ勢の両者にとってリスクの少ない投資方法であり、少ない投資額で大きな利益を得られる可能性も秘めています。
ガチホで稼ぐためには長期保有が前提ですので、保有した仮想通貨は安易に売ろうとはせず、余剰金を活用した積立貯金感覚でチャレンジすると挫折も回避できそうです。
執筆者 西村大樹