今回は、SNX(シンセティックス/Synthetix)という仮想通貨について説明します。2018年より名前が変更になったSynthetix(SNX)は、複数の仮想通貨プロジェクトやオーストラリアのオークションサイト構築に携わっていた専門家によって設立されたプラットフォームです。
この記事では仮想通貨SNX(シンセティックス/Synthetix)の概要や特徴、今後の将来性などについて解説します。また、シンセティックス(SNX)の購入方法も併せてご説明しますので、ぜひ投資の参考にしてみてください。
目次
SNX(シンセティックス/Synthetix)のリアルタイムチャート
SNX(シンセティックス/Synthetix)は合成資産の取引ができる仮想通貨
Synthetix(SNX)では、イーサリアムブロックチェーン上に構築される合成資産を疑似的に取引することができます。
取引に使用されるのは、仮想通貨・法定通貨(円やドル)・コモディティ(石油や金)・株式といった資産の価格と連動したトークン。
このデジタル合成資産は、通常の金融商品市場と違いブローカーなどの中間業者を介さなくても売買できるため、迅速な決済や参入障壁の低さが大きな魅力です。
また、ペッグ通貨のように価格変動の少ない資産を保有したい人にも人気があります。
≪ペッグ通貨≫
ドル・ユーロ・円・元などの法定通貨の価値に連動する仮想通貨。送金や決済に利用されることが多い。米ドルのペッグ通貨としてテザー(USDT)がある。
Synthetix(SNX)の取引所で扱っている合成資産は、原資産そのものではないので注意しましょう。原資産と同じ値動きをしているトークンを用いることで、あくまでも擬似的に取引しているということを忘れてはいけません。
▼ペッグ通貨やテザー(USDT)について詳しく知りたい方はこちら。
SNX(シンセティックス/Synthetix)の価格と時価総額
【価 格】約10ドル
【時価総額】約19億ドル(時価総額ランク 87位)
※2021年11月8日時点の情報です。
SNX(シンセティックス/Synthetix)の歴史
2017年にHavven(HAV)という名前で立ち上げられ、その後2018年にSynthetix(SNX)へと名前が変更。現在の合成資産発行プロトコルに生まれ変わりました。
なかでもビットコイン(BTC)の価格に連動した仮想通貨を作り出す機能を持たせたプラットフォームは、Synthetix(SNX)が初めて。必要な機能を着実にリリースするその開発力に期待している人も多いようです。
上場したのは2019年ですが、発表されて日が浅いにもかかわらず5つの取引所と提携できているのは、期待の表れとも言えるでしょう。
▼ビットコイン(BTC)については、こちらを参考にしてみてください。
SNX(シンセティックス/Synthetix)の特徴
Synthetix(SNX)の3つの特徴について説明します。
①SNX(シンセティックス/Synthetix)の目的は既存金融資産の流通
Synthetix(SNX)は、ブロックチェーン上にてあらゆる既存金融資産を流通させる目的で生み出されました。
合成資産はSynthetic Assets(シンセティックアセット)と呼ばれていて、Synthetix Exchange(Kwenta)という専用の取引所で取引されます。24時間365日いつでも取引できるだけでなく、本来は直接取引できなかった資産も疑似的に取引できるのが大きな特徴です。
一つの口座で仮想通貨・法定通貨(円やドル)・コモディティ(石油や金)・株式などの市場が取引できるSynthetix(SNX)を利用すれば、今までよりもっと幅広い資産運用が期待できるでしょう。
▼ブロックチェーンについては、こちらを参考にしてみてください。
②SNX(シンセティックス/Synthetix)のステーキングユーザーに報酬を分配
ユーザーはSynthetix(SNX)の独自トークンSNXを流動性プールに担保として預け入れる(ステーキング)ことで、合成資産を発行します。合成資産を取引する際はSNXが必要になり、支払われたSNXは合成資産の発行者(ステーキングユーザー)に報酬として分配される仕組みです。
ちなみに、どの資産を掲載するかはアプリケーションの開発者が決めているとのこと。幅広い資産が用意されていますが、今後も増えていく可能性は十分にあります。
▼仮想通貨の税金については、こちらもあわせて参考にしてみてください。
③SNX(シンセティックス/Synthetix)の取引所は注文板やスリッページがない
シンセティックス(SNX)の価格は独自のアルゴリズムで決定・自動化されていて、ユーザーはSynthetix(SNX)の独自トークンSNXを担保に資産を発行して取引を行なうのが特徴です。
そのため、ユーザーは個人と取引するのではなく、システム上でアルゴリズムと取引をする形となります。だから、Synthetix(SNX)の取引所には注文板やスリッページがありません。
「取引相手が見つからない」「希望価格と取引成立価格の間に大きな差ができる」といった問題も起こらないので、いつでも安心して取引することができます。
SNX(シンセティックス/Synthetix)の今後の将来性
2017年のリリース後は価格はしばらく1ドル以下で停滞していたものの、2020年の中盤から徐々に価格が上昇しているSynthetix(SNX)は、将来性が期待できると言ってもいいでしょう。
2020年の8月にDeFi関連の銘柄がたくさん購入されたことによって、Synthetix(SNX)にも注目が集まりました。2021年にはイーサリアムレイヤー2である「Optimism」を導入したことで話題になったこともあり、今後の動向に目が離せません。
≪DeFi(分散型金融)≫
イーサリアムのスマートチェーンをベースにした分散型のアプリケーション。高い収益性を狙うことができるため、2020年頃の暗号資産業界に一大ブームを巻き起こした。
▼DeFiについて詳しく知りたい方はこちら。
SNX(シンセティックス/Synthetix)の価格上昇ポイントに注目
- 合成資産の種類の増加
- 海外取引所や取り扱い銘柄の増加
- 新機能の搭載
Synthetix(SNX)の特徴から、価格が上昇する可能性があるタイミングは上記の3つとなるでしょう。
仮想通貨を長期保有したいと考えている人にとって大切なポイントでもあるため、日頃から情報収集しておきたいところです。
ブロックチェーンとスマートコントラクトの技術を用いた合成資産による新しい経済圏、新しい市場として注目されるSynthetix(SNX)。急速に事態が変わる可能性も秘めているため、投資をする際はチャンスを逃さないようにしましょう。
▼ガチホのメリットやデメリットについて詳しく知りたい方はこちら。
SNX(シンセティックス/Synthetix)の注意点
擬似的とはいえ株式と同じ値動きをするトークンを扱うSynthetix(SNX)は、規制当局に有価証券だと判断されてしまう可能性もゼロではありません。もしそうなった場合は、Synthetix(SNX)の取り扱いが厳しくなることが懸念されます。
法定通貨と同じ値動きをする点についても、今後各国の法規制がどうのように整備されるかによって大きく左右されるでしょう。
ただペッグ通貨のテザー(USDT)の例を見る限り、仮想通貨業界では十分な市民権を得ていて、アメリカ当局の本格的な規制も入っていないのが現状です。仮想通貨取引所によっては、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)と並ぶ基幹通貨となっているほどなので、あまり心配はないかもしれません。
さまざまな金融商品と同様の価格変動をするSynthetix(SNX)を購入する際は、金融市場についてもしっかりと調べておくことを心がけておくと良いでしょう。
SNX(シンセティックス/Synthetix)の購入方法
仮想通貨シンセティックス(SNX)は、日本国内の仮想通貨取引所での取り扱いがありません。そのため、シンセティックス(SNX)を購入するには、まず日本国内の仮想通貨取引所の口座で別の仮想通貨を購入する必要があります。
オススメは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)。仮想通貨を購入後は、海外の仮想通貨取引所の口座に送金します。そして、送金した仮想通貨でシンセティックス(SNX)を購入しましょう。
▼仮想通貨取引所の比較ランキングも、ぜひ参考にしてみてください。
SNX(シンセティックス/Synthetix)が購入できる主要な取引所
- HitBTC(ヒットビーティーシー)
- Binance(バイナンス)
- Hiobi Global(フォビ グローバル)
- Kraken(クラーケン)
- Coinbase(コインベース)
- Kucoin(クーコイン)
- FTX(エフティーエックス)
- Bitfinex(ビットフィネックス)
海外の仮想通貨取引所は、使いやすさや取り扱い通貨の種類などさまざまな違いがあるため、仮想通貨を購入する際は自分のニーズに合った取引所を選ぶことが重要です。
また、海外の仮想通貨取引所は日本の金融庁の認可を受けていないため、利用する際は十分に注意しましょう。
【まとめ】SNX(シンセティックス/Synthetix)はガチホしたい仮想通貨
Synthetix(SNX)は、資産の価格と連動した独自トークンSNXを担保にして合成資産を疑似的に取引することができる仮想通貨です。
Synthetix(SNX)の取引所でさまざまな金融商品を取引できるだけでなく、価格変動の少ない資産を保有することが可能なので、ガチホしておきたい仮想通貨の1つと言えるでしょう。
時価総額ランキングで100位以内ということもあり、まわりの期待度も高く評価されているSynthetix(SNX)は、今後も目が離せません。
執筆者 西村大樹