仮想通貨Fantom(FTM/ファントム)の特徴は?将来性や見通しも解説

「仮想通貨Fantom(FTM)の将来性は?過去の価格推移は?」
「Fantom(FTM)は誰が何を目的に発行している?」

今回は、ブロックチェーンプロジェクトのFantom(ファントム)と、そのネイティブトークンFTMについて解説します。

これまでの価格推移や将来性、Fantom(FTM)の特徴などをまとめていますので取り扱いを検討している方はぜひ参考にご覧ください。

また、金融分野に明るい仮想通貨Fantom(FTM)は、売買でのスプレッドで利益を上げるだけでなく、ステーキングやファーミングにも向いています。Fantom(FTM)をステーキング・ファーミングする方法についても解説していきます。

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Fantom(FTM)のリアルチャート

 

仮想通貨Fantom(FTM)の価格推移と見通し

仮想通貨Fantom(FTM)の最大供給量は3,175,000,000FTMで、現在の総合サプライは2,545,006,273FTM、市場ランキングは33位、市場占有率は0.25%、価格は1FTM300円前後で推移している状況です(2021年11月10日時点)。

仮想通貨Fantom(FTM)のこれまでの価格推移と見通しを見ていきましょう。

Fantom(FTM)の価格推移

仮想通貨Fantom(FTM)は2019年12月にメインネット「Opera」がローンチされました。2021年に入るまでは0〜2円台を横ばいで推移しており、2021年2月になると過去最高値の68円台へ急騰、その後一度落ち着きを見せたものの、5月9日には99円台で最高値を更新します。

以降、8月下旬頃までは目立った動きはなく20円〜50円台で推移し、9月から現在(11月)もなお上昇トレンドに入っている状態です。2019年にメインネットへ移行した際の価格はおよそ1円ですので、約300%の上昇となりました。

Fantom(FTM)が急騰するきっかけになったと言われているのが、NFTやDeFiの需要が高まってきている点と、イーサリアムブロックチェーンに対抗する銘柄の需要が高まっている点の2点が挙げられます。

NFTとは

NFTとは、イラストや音楽、ゲーム内のキャラクターやアイテムといったデジタルデータに対して価値と送信権を持たせたものです。NFTは「Non-Fungible Token」の略称で、日本語では非代替性トークンと略されます。

わかりやすく言うと、デジタル化されたデータの価値をデータを管理するサービス(音楽配信サイトやゲームアプリなど)に帰属させるのではなく、データそのものに価値をつけたものです。国内でも2021年に入ってから大手IT企業が続々とNFT市場をオープンしており、NFTを扱っているブロックチェーンプロジェクトの需要は高まると見込まれています。

DeFiとは

DeFiとは、銀行のような中央で管理する管理者が存在しない、ブロックチェーンを活用した金融アプリケーションのことです。DeFiは「Decentralized Finance」の略称で、日本語では分散型金融と略されます。

NFTやDeFiといった分野は、イーサリアム(ETH)の専売特許とされ、今もなお根強い人気があります。しかし、いくつかの問題も抱えており、Fantom(FTM)はイーサリアム(ETH)が抱える問題点を解消する特徴を持っていることから、いわゆるイーサリアムキラーコインの一種と認識する投資家が多く、期待感を持って中長期保有する投資家が増えたと予想できます。

Fantom(FTM)の見通し

Fantom(FTM)は現在も開発途中ですが、このままプロジェクトの開発が継続すれば数年単位で大きな価値になると見通しを立てている投資家が多い仮想通貨です。

NFTやDeFiの需要が高まっているといっても、私たちの日常生活ではまだ実感できていません。今後、大手ゲーム会社がNFTを活用したゲームを大々的に打ち出したり、大手銀行がDeFiサービスを提供するなどブロックチェーン技術がより身近に感じられるようになると、イーサリアムキラーと呼ばれるFantom(FTM)の需要も高まる可能性が高いと言えます。

実際、2021年3月17日には株式会社スクウェア・エニックスがNFTに参入することを発表しましたし、楽天グループ株式会社やLINE株式会社のグループ会社であるLVC株式会社といった大手も仮想通貨取引所・ウォレット事業を展開しています。

仮想通貨Fantom(FTM)の取引を検討している方は、NFTやDeFi分野に参入している企業の動向にも注目しておくと良いでしょう。

Fantom(FTM)3つの特徴

Fantom(FTM)は、韓国のコンピューターサイエンティストであるアン・ビョンイク博士が開発したブロックチェーンプロジェクト及びトークンで、発行・運営元はファントム財団(Fantom Foundation)です。

Fantom(FTM)は、取引スピードが早く、手数料が安く、しかも安心・安全という3拍子揃った特徴を持ちます。

  • 取引スピードが早い
  • 手数料が安い
  • 安心・安全

また、FTMトークンは3つの種類があるといった特殊な性格を持っているため、これからFantom(FTM)を購入される方はぜひ知っておきたいところです。

わかりやすく説明するため、Fantom(FTM)の特徴を以下の3つにまとめました。

  1. FTMの規格は3種類
  2. ブロックチェーンのトリレンマを解決
  3. コンセンサスメカニズム「Lachesis(ラケシス)」を導入

それでは解説していきます。

①FTMの規格は3種類

仮想通貨Fantom(FTM)は、銘柄は同じFTMですが3つの種類が存在します。

  • ERC-20トークン
  • BEP-2トークン
  • メインネットワーク「Opera」トークン

トークンの規格とは、どのブロックチェーンに準拠しているか、ということです。ものすごく噛み砕いて説明すれば、ある商品を自社の店舗で販売するだけでなくAmazonや楽天市場にも出店することで、「いろんな販売ルートが開けるし、顧客も便利になる!」というようなところでしょうか。

ERC-20はイーサリアムブロックチェーンの規格で、ERC-20規格のFTMはイーサリアムのブロックチェーン上にFTMが構築されているトークン、という意味です。同じく、BEP-2は仮想通貨取引所「Binance(バイナンス)」のブロックチェーン規格で、BEP-2規格のFTMはバイナンスチェーン上にFTMが構築されているトークンになります。

複数の規格に準拠することで、イーサリアム系統・バイナンス系統の仮想通貨を保有している投資家が同じウォレットでFTMを保有できる点や、イーサリアム系統・バイナンス系統でなければ利用できないサービスも利用できるといったメリットがあります。

一方メインネットワーク「Opera」トークンとは、さきほどの例えで言うと、自社店舗・自社販路で取り扱うトークンということになります。

FTMのメインネットワーク「Opera」は、分散型アプリケーションを構築する目的として開発され、より高速で安全な環境を強みとしています。2021年4月のアップグレードでは、取引処理スピードが1秒以下という脅威のスピード力を見せつけました。ちなみにビットコイン(BTC)の取引スピードは10分ほどです。

②ブロックチェーンのトリレンマを解決

2つの条件で板挟みになった時の状態をジレンマと言いますが、それに1つ条件が加わったのがトリレンマです。つまりトリレンマとは、3つの条件があった時、2つの条件を選ぶと1つの条件を落としてしまう状態を指します。

ブロックチェーンのトリレンマは、「スピード」「セキュリティ」「拡張性」の3つ。

例えば、イーサリアムはブロックチェーンの中でも安全性が非常に重視されるDeFi分野の王者として君臨しており、拡張性も抜群です。しかし、利用者の増加に伴って処理スピードが低下。イーサリアム(ETH)にとって大きな課題となりました。これをスケーラビリティ問題と呼んでいます。

仮想通貨Fantom(FTM)がイーサリアムキラーと呼ばれているのは、イーサリアム(ETH)が苦労しているスケーラビリティの解決を目的として開発が実施されており、スマートコントラクトを実装していながら素晴らしい処理スピードを出しているからです。

もちろん、同じ土俵に立っているイーサリアム(ETH)だけでなく、ビットコイン(BTC)やその他のアルトコインでも同じことが言えます。

③コンセンサスメカニズム「Lachesis(ラケシス)」を導入

Fantom(FTM)のブロックチェーンを動かす仕組み(=コンセンサスメカニズム)は、aBFT方式の「Lachesis(ラケシス)」が導入されています。

aBFTとは「Asynchronous Byzantine Fault Tolerance」の略称で、最高レベルのセキュリティを維持しながら合意を得ることのできる仕組みです。DAG(Directed acyclic graph/有向非巡回グラフ)というデータ構造を利用しているのですが、DAG型仮想通貨は他の仮想通貨と変わったユニークな特徴を持っています。

DAG型仮想通貨の特徴1つ目は、マイニングという概念がない点です。パソコンでマイニングをして通貨を稼ぐことはできません。マイニングがないということは、マイナーに対して報酬を支払う必要がなく、手数料を最小限に抑えられるのです。

2つ目の特徴が、取引の管理を自分自身で実施するという点です。ブロックチェーンとは、取引がブロックの中に収納され、ブロックの中身がいっぱいになったら次のブロックを作っていくという構造で、生成されたブロックは1本のチェーンのように連なっていきます。一方、Fantom(FTM)のようなDAG型仮想通貨の場合、そもそもブロックを生成せず取引自体が繋がっています。ブロック生成時の検証作業を大幅にカットできるため、圧倒的な取引スピードと拡張性を保てているのです。

仮想通貨Fantom(FTM)をステーキング・ファーミングする方法

仮想通貨Fantom(FTM)で利益を上げる方法の1つとして人気なのが、ステーキングやファーミングです。

ステーキングとは

ステーキングとは、Fantom(FTM)を保有してネットワークに参加することで報酬が得られる仕組みのこと。

ファーミングとは

ファーミング(イールドファーミング)とは、Fantom(FTM)を分散型取引所(DEX/ブロックチェーン上の取引所)などに貸し出し、利息や手数料といった形で報酬が得られる仕組みのこと。

ステーキングやファーミングで報酬が得られるのはDeFiに強い仮想通貨ならではです。

ステーキングやファーミングをするためには、保有・貸し出しするためのFTMとFTMチェーンを保有しておけるウォレット、海外取引所での口座が必要となります。なお、Fantom(FTM)は現在、国内の取引所で取り扱いがありません。

それでは実際に、Fantom(FTM)をステーキング・ファーミングする方法について解説していきます。

【準備】国内取引所でFTMのペア通貨を準備する

まずは、国内の仮想通貨取引所でFTMのペア通貨を準備しましょう。

FTMを購入するためには、FTMを購入するための仮想通貨が必要になるので、海外取引所で取り扱いのある通貨を保有していない場合は国内取引所の口座開設とペア通貨の準備が必要です。

「どの通貨を選べば良いかわからない」という方は、法定通貨に紐づいているペッグ通貨がオススメです。なかでも米ドルのペッグ通貨テザー(USDT)は取り扱いの多い通貨で、乱高下もほとんど見られず安心ですよ。

①海外の仮想通貨取引所で口座開設しFTMと交換

仮想通貨Fantom(FTM)を取り扱っており、かつメインネットへ送金ができる取引所は以下となります。

  • Binance
  • Bitfinex
  • Hotbit
  • OKEx
  • Simpleswap

おすすめはBinanceで、Binanceであればテザー(USDT)も取り扱っているのでいろいろと悩まずに作業が進められます。

口座が開設できれば、国内の取引所より送金処理した通貨とFTMを交換しましょう。

②ウォレットを準備する

メインネットに送金するためには、ウォレットでネットワークの構築を実施しなければなりません。

Fantom(FTM)を取り扱っているウォレットはいくつかあり、ステーキングするにはファントム財団が運営するFantom fWallet(ファントムウォレット)を作成してください。

ファーミングを実施する際は、イーサリアム系統のMetaMask(メタマスク)が使いやすいです。

MetaMaskの登録が完了したら、カスタムRPCから下記の設定を行ってください。

ネットワーク名:Fantom Opera
RPC URL:https://rpcapi.fantom.network
チェーンID:250
通貨シンボル(オプション):FTM
ブロックエクスプローラのURL(オプション):https://ftmscan.com/

以上で完了となります。

【まとめ】Fantom(FTM)は将来性あるがリスクにも注意

Fantom(FTM)は今後、分散型アプリケーション(DApps)を開発できる環境をローンチする予定です。ますますイーサリアム(ETH)にとって替わる台頭への期待が高まりますね。

ただ、現在Fantom(FTM)は海外取引所のみでの取り扱いとなるため、リスク管理は徹底しておきたいところです。最新情報については公式サイトや公式ツイッターで発信されているので、気になる方・取り扱いを開始される方はこまめにチェックしておいてください。

公式サイト>

公式ツイッター>

執筆者 西村大樹