OKExが42銘柄の上場廃止を実施|流動性の少ない仮想通貨を一掃へ

香港に拠点を構える仮想通貨取引所のOKEx(オーケーイーエックス)はビットコインやイーサリアム などとの通貨ペアで42銘柄の取り扱い廃止をすることが分かりました。

大手取引所の時価総額や流動性の観点からアルトコインの一掃が始まっているのかもしれません。今回はOKExの話題を中心に取り上げていきます。

42銘柄の上場廃止へ

この度、香港の仮想通貨取引所であるOKExは10月31日に42銘柄の上場廃止を行うことがBitcoin.comに報じられました。

影響を受ける銘柄にはnaga、prochain、ipchain、maggie、travelなどのビットコインやイーサリアムと通貨ペアになっているものやRealchain、commerceblock、encrypgen、viuly、monetha、aventus、changeと言った銘柄も上場廃止の予定になっています。

日本国内の取引所では取り扱いのない銘柄も多く、取引に利用している国内ユーザーもいることでしょう。

42銘柄と大掛かりな上場廃止とも言えるOKExの決断は仮想通貨市場の低迷から流動性が弱く時価総額の低いアルトコインの一掃であるようです。

OKExのオペレーションのトップであるアンディー・チャン氏はアルトコインの一掃から力強いトレーディング環境を構築していく方針を明らかにしています。

さらに、上場したから終了ではなく良いパフォーマンスを維持できるかが成功への鍵となるとも話しています。

上場廃止を行う取引所は少なくない

今回、OKExは42銘柄の上場廃止を行うわけですが既に上場させていた銘柄について取り扱い廃止とする動きは珍しくありません。

例えば、Binance(バイナンス)は今月4銘柄の上場廃止を発表していますし、Poloniex(ポロニエックス)はOKEx以上の上場廃止数となっていてダントツです。

ポロニエックスに関していうと上場コインと上場廃止コインを合わせるとマイナス23となり、上場させていた銘柄の半分以上の取り扱いをやめています。

一連の流れを見て取ってかアルトコインの崩落を予見する専門家もいます。アメリカの仮想通貨投資ファンドのエレメント・デジタル・アセット・マネジメントは昨今の仮想通貨市場の低迷を1990年代に起こったITバブルと比較し、アルトコインの相場下落はこれからとの見解を示しています。

アルトコイン市場は崩壊してしまうのか

仮想通貨の投資を行なっている方はアルトコインは価格も低く暴騰しやすいと考えロマンを持っているかもしれません。

ところが、OKExがアルトコインの42銘柄を上場廃止を行うのは流動性や時価総額の低さが原因となっています。

一連の流れからアルトコイン市場への期待はできないのかと思えてきます。エレメント・デジタル・アセット・マネジメントの分析によると2015年1月時点で時価総額トップ100の仮想通貨の3分の1以上が姿を消しているが2018年1月現在の時価総額トップ100の仮想通貨はほとんど生き残っている。

よって、2年から3年かけて多くのアルトコインがなくなっていくだろうと予想を立てています。その上でプロジェクトの決定権などが開発陣や創業メンバーに依存しないプロジェクトや既にマイニンなどで収益を上げていて継続した収益のあるプロジェクトは生き残る可能性が高いとも分析しています。

ICOは好調から凋落へ?

アルトコイン市場は崩壊していくだろうとの見解もありますがICOは2017年に比べて好調であるのは確かです。2018年の5月までに2017年の調達額の2倍に達する勢いがあります。

ビットコインなどのメジャーな銘柄からICOへ投資家の関心が移っているのは目に見えて分かっていまいましたが、ICO案件の6割近くは何らかの失敗に終わっています。(資金未調達や消滅、投資家への払い戻しなど)

ICOからSTOへの方向転換が見られるのもアルトコイン市場に影響していくのでしょうか。

執筆者 西村大樹