仮想通貨はなぜ日本の投資家に敬遠されているのか?

なぜ多くの日本人に仮想通貨は受け入れられないのでしょうか?

仮想通貨=ギャンブルだと思われている

多くの日本人に仮想通貨はギャンブルだと思わている実情があります。メディアで「億り人」などともてはやされた人々のイメージでもそういった反応が多いようです。また、実際に仮想通貨の値動きはいまだ激しく、暴落と高騰を繰り返しています。

また、日本の仮想通貨に対する規制が間に合っていなく、詐欺まがいのダイレクトメールや集会、広告などが横行しているのもそのイメージを助長する結果になっています。

税金が高い上に計算が煩雑

仮想通貨取引に関わらず一年間で20万円以上の利益が出たらサラリーマンであっても確定申告の義務が発生します。(扶養家族の場合は33万円)

この時に仮想通貨の利益は、雑所得に分類されることになります。雑所得は、給与所得、利子所得、事業所得など細かく分類された所得の中のどこにも当てはまらないものをいいます。また、雑所得で得た利益はほかの所得と通算することができません。

株やFXと違い仮想通貨で得た利益は税率が一定ではなく、そのまま所得に計算されてしまいます。株取引はどれだけ利益が出たとしても税率は20.315%が上限です。しかし雑所得場合は最大所得税45%の上に10%の税金がとられます。

また、株式の場合は、源泉徴収がすでにされる「特定口座」も選択できるのにも関わらずそれができないため、計算が煩雑になっていまいます。

それだけでなく、仮想通貨の課税所得の計算は、「何かを購入した時点」で計算をしなくてはなりません。例えば日本円でビットコインを購入してそれが値上がりして別のものに変えるとしてます。1円で購入したビットコインが2円に値上がりし、2円のアルトコインを購入したとしたらその時点で1円の利益を計上しなければなりません。

また、国税庁の資料によると複数回にわたり仮想通貨を購入している場合には、移動平均法・又は総平均法による価格の設定が必要になります。移動平均法は、都度購入価格を決定できる方法で、総平均法は一年に一度になります。

この方法の違いは簡単に言えば、まとめて行うか都度行うかというだけの違いです。もちろん、煩雑なのは移動平均法です。

事業として行えば事業所得してすることも可能ですが、一般人が行うにはハードルも高いですし、副業禁止の場所で働くサラリーマンには物理的に無理があります。こういった理由から仮想通貨投資に興味
はあるけど、税金のことや面倒が多いと敬遠する人も一定数いるのではないかと考えられます。

サイバー攻撃のリスクが高い

2018年だけ見ても、コインチェックとZaifと二件の仮想通貨取引所がサイバー攻撃の被害にあっています。また、その補償も相場下落による影響で約580億円の流出額に対し、補償額は約460億円と圧縮されたものが補償されました。

また、Zaifについても補償はされるとされていますが、いまだ補償は完了していません。

今回は日本の取引所2件はなんとか補償される見通しが経ちましたが、今後さらなる被害を出してしまったときにどうなるかは火を見るより明らかです。ない袖は振れないのと同じで倒産してしまえば泣き寝入りしかありません。

日本ではそういった悪質な倒産は起きてはいませんが、お世辞にも仮想通貨取引所は安全とは言い切れないのが現状です。

仮想通貨を守るためにはウォレットで個別保管が理想

もともと取引所は仮想通貨に対する攻撃を受けやすくなっています。ですので、個別で保管ができるウォレットに各自で保管しておくのが安全です。

仮想通貨の場合は、攻撃リスクを自分で減らすことができるので、取引所に依存せず、自分で仮想通貨を守ることで安全に資産を守ることが可能です。

これから仮想通貨を購入してみたいという方は個別のウォレットも一緒に検討してみるのが良いのではないでしょうか。

執筆者 西村大樹