人気仮想通貨のリップルがこのところ驚異的な価格上昇を見せています。その勢いは目を見張るものがあり、イーサリアムを抜き去り時価総額2位の座に返り咲きました。今回は最近のリップルの価格上昇に関して解説していきます。
21日の仮想通貨相場をリップルが牽引
9月21日の仮想通貨相場は各銘柄、好調で全面高となっています。国内の仮想通貨取引所でも大手のザイフ(Zaif)でおよそ67億円ものハッキング被害が出たにもかかわらずの全面高は朗報です。
その仮想通貨市場を牽引したのはリップルで前日比を考えても40%以上の価格高騰がありました。主要銘柄ではビットコインは4%以上、イーサリアムは8%ほどの価格上昇になります。
リップルの爆発的な価格上昇に伴い、時価総額ランキングはイーサリアムを抜き9ヶ月ぶりにリップルが2位に返り咲きました。
出来高などを掲載しているCoinMarketCapを参考にすればリップルの出来高1位はビットフィネックス(Bitfinex、香港)で2位、3位には韓国の大手仮想通貨取引所であるビッサム(Bithumb)とアップビット(Upbit)が並んでいます。
昨年年末にも価格行との動きがあった時と同様で、韓国でリップルの取引が盛んに行われている模様です。ちなみに、出来高4位は日本の取引所であるビットバンク(Bitbank)になっています。
リップルがここ最近好調なのは17日にリップル社幹部、セイガー・サーバイ氏がCNBCのインタビューにて決済システムのxRapidを商業利用の目的で来月にも立ち上げるかもしれないと発言したのも影響が高いと考えられています。
近い日程でいうと10月1日、2日に行われるリップルの秋のカンファレンスでアメリカ音大統領であるビル・クリントン氏の基調講演が行われるのも好転材料になったとも見当が付きます。
xRapidについて
ここからは、リップルの価格高騰に大きな影響を与えたと考えられる「xRapid」について解説したいと思います。
xRapidは銀行間の送金を安価な手数料で迅速に行えるプロダクトです。日本国内、国外を問わず瞬時に安い手数料で行えるため注目度の高いプロダクトでもあります。
具体的には銀行がXRPトークンを仲介する通貨として外国為替(2国間の通貨の交換)を行えるサービスになっています。
イメージとすれば、xRapidを利用してアメリカから日本に送金する場合はアメリカの銀行でアメリカドルをリップルに両替します。そして、日本の銀行に送金後、リップルを日本円に両替する流れです。
リップル社のxRapidには各国の取引所も提携を進めていてますので、さらなる利便性の高まりも期待できます。
リップル社とは中央銀行が提携している国もありますし、国内の金融機関でもみずほフィナンシャルグループや三菱UFJフィナンシャルグループといったメガバンクをはじめ地方銀行も続々と提携しています。
リップル社との提携をみると100以上の金融機関や決済プロバイダーが存在します。多くの期間がxRapidが使えるようになれば私たちの生活にも大いに役立つことが予想できます。
ただし、リップル社の別のプロダクトで「xCurrent」は銀行同士のコミュニケーションツールとして世界の120社の銀行で実装されていますが、xRapidの試用はまだ始まっていません。
xRapidの大きな魅力を心待ちにしている機関が多い中、セイガー・サーバイ氏が「来月にも商用目的で立ち上げるかもしれない」と発言したのは価格上昇を引き起こすには必然的なものではないでしょうか。
クリントン氏の基調講演の発言でも価格上昇か?
来月1日、2日に行われるリップルの秋のカンファレンスで基調講演を行う、元アメリカ大統領のビル・クリントン氏。
リップルのブログによるとクリントン氏は今日のインターネットの形を作るにあたり、成長と導入を先導するのを支援し、恵まれていないコミュニティにも同様に導入したと述べています。
リップルはブロックチェーンやデジタル的な資産の技術はインターネットが成長して90年代に提示したものと同じ課題をもたらすとしています。
両者の考えに相違がなく、基調講演においてクリントン氏が同様の発言を行えばリップルの価格上昇にも影響が出るかもしれません。
クリントン氏の発言内容には注視したいところです。
執筆者 西村大樹