指値注文と成行注文の違いは?FXの注文方法を詳しく解説

FX(外国為替証拠金取引)には、実はさまざまな注文方法があります。

相場状況や資金管理法によって注文方法は適宜変更するのが最適とされ、そのためには取引方法の理解を深めなくてはなりません。FXは適切な注文方法を選ぶことで、リスクを管理し、効率的に取引を行うことができます。

本記事では、FXの主要な注文方法について詳しく解説します。これからFXを始める人向けの初心者記事となっています。ぜひご覧ください。

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FXとは

FX(外国為替証拠金取引)とは、異なる通貨を売買することによって利益を得る金融取引の一種です。FX取引は、外国為替市場で行われ、24時間取引が可能です。取引時間は夜にしか取れない会社員でもホットタイムの市場に参入できることから、FXは日本人には特に人気の投資商品といわれています。

FXを取り巻く外国為替市場の概要

外国為替市場は、世界中の通貨が取引される市場です。この市場は、中央銀行、商業銀行、企業、政府、個人投資家など、さまざまな参加者によって構成されています。外国為替市場は、24時間開いており、主要な取引拠点はロンドン、ニューヨーク、東京の3つです。

特に日本時間の夜9時から12時まではロンドン市場とニューヨーク市場がそろって開いている為、1日で最も値動きが活発な時間帯といわれています。

FXの通貨ペアとは

FX取引は、通貨ペアを売買する形で行われます。通貨ペアは、二つの異なる通貨の組み合わせを指し、例えば、米ドルと日本円の組み合わせ(USD/JPY)や、ユーロと米ドルの組み合わせ(EUR/USD)などがあります。通貨ペアの最初の通貨を基軸通貨、二番目の通貨を決済通貨と呼びます。

通貨ペアの組み合わせにより、取引手数料であるスプレッドや、値動きの変動幅であるボラティリティが変化し、メジャーな組み合わせであるほど取引コストやボラティリティが低下します。

スプレッド

スプレッドは、通貨ペアの買値と売値の差を指します。例えば、USD/JPYの買値が110.00円で売値が110.02円の場合、スプレッドは2ピップスとなります。スプレッドは、取引コストとして考慮する必要があります。

取引の仕組み

FX取引の基本的な仕組みは、ある通貨を売り、他の通貨を買うというものです。例えば、USD/JPYを取引する場合、米ドルを買い、日本円を売ることになります。逆に、米ドルを売り、日本円を買うこともできます。

このほかにはユーロ、ポンド、スイスフランなど、FXでは世界各国の通貨を売買することで損益を発生させるので、間接的に関係のある通貨(例えばユーロとポンドなど)の値動きを見ながら市場予測を行う場合もあります。

レバレッジ

FX取引では、レバレッジを利用することができます。レバレッジとは、自己資金以上の取引を行うための仕組みで、例えば、レバレッジ100倍を利用する場合、1万円の自己資金で100万円分の取引が可能です。レバレッジを利用することで、少ない資金で大きな利益を狙うことができますが、同時に損失も大きくなるリスクがあります。

FX取引のメリットとリスク

メリット
  • 24時間取引可能: 外国為替市場は24時間開いているため、いつでも取引が可能です。
  • 高い流動性: 外国為替市場は世界最大の金融市場であり、常に多くの取引が行われているため、高い流動性が確保されています。
  • 多様な取引手法: 成行注文、指値注文、逆指値注文など、さまざまな注文方法を利用することで、柔軟な取引が可能です。
リスク
  • 価格変動リスク: 通貨の価格は常に変動しており、予想外の変動により損失が発生するリスクがあります。
  • レバレッジリスク: 高いレバレッジを利用することで、大きな利益を狙うことができますが、同時に大きな損失を被るリスクもあります。
  • 流動性リスク: 通貨ペアによっては流動性が低く、取引が成立しにくい場合があります。

FXでは短期間で効率よく資金を稼いだり、流動性が高く取引チャンスが多いというメリットがある一方で価格変動に対するリスクが非常に大きいというリスクがあります。

メリットをリスクを見極めて適切な資金管理の上で取引をすることが重要です。

FXの注文方法

FXの注文方法は主に次の5つ。

  • 成行注文
  • 指値注文
  • 逆指値注文
  • OCO注文
  • IFD注文

それぞれメリットとデメリットがあり、有効な使い方の場面も異なるのがポイントです。ここからは各注文方法とその使い方、メリットやデメリットを解説していきます。

成行注文(Market Order)

成行注文は、現在の市場価格で即座に売買を行う注文方法です。この注文方法は、迅速に取引を実行したい場合に最適です。

短期売買のトレーダはよく利用する注文方法です。

メリット
  • 迅速な取引: 市場価格で即座に注文が成立するため、タイミングを逃さず取引できます。
  • シンプルな操作: 注文の手続きが簡単で、初心者にも扱いやすい。
デメリット
  • 価格変動のリスク: 市場の変動が激しい場合、予想外の価格で注文が成立することがあります。
  • スリップページのリスク:値動きが激しい場合、注文を出したレートと異なる価格で注文が約定する場合があります。

有効な場面

成行注文が有効な場面は、急な相場変動に対応する場合ブレイクアウトの瞬間を狙う場合など、重要な経済指標の発表後といった、急激な相場変動が予想される場面で迅速に取引を行いたい場合に成り行き注文は非常に有効です。ほかにも、レジスタンスやサポートラインのブレイクアウトを狙う際を狙ったり、すぐにエントリーしたい場合などクイックな立ち回りが必要な時に威力を発揮します。

指値注文(Limit Order)

指値注文は、指定した価格になったときに売買を行う注文方法です。買い注文の場合は指定価格以下、売り注文の場合は指定価格以上になったときに注文が成立します。

メリット
  • 希望価格での取引: 自分が設定した価格で取引が成立するため、計画的な取引が可能です。
  • リスク管理: 事前に設定した価格で注文が成立するため、リスクをコントロールしやすい。
デメリット
  • 約定しないリスク: 指定価格に達しない場合、注文が成立しないことがあります。

有効な場面

指値注文が有効な場面は予め設定した価格での取引を狙う場合。市場価格が自分の設定した価格に到達するまで待ち、その価格でエントリーやエグジットしたい場合はこの注文を入れておくことでチャートに張り付く必要が無くなります。

そのため、逆張りトレードを行う場合など、サポートライン付近で買い、レジスタンスライン付近で売るなど、価格が反転するタイミングを狙ったピンポイントな取引がしたい場合にも有効です。

逆指値注文(Stop Order)

逆指値注文は、指定した価格に達したときに市場価格で売買を行う注文方法です。一般的に、損失を限定するためのストップロス注文として利用されます。

メリット
  • リスク管理: 損失を最小限に抑えるための手段として有効です。
  • 自動化: 価格が指定範囲に達すると自動的に注文が成立するため、手間がかかりません。
デメリット
  • 価格変動のリスク: 指定価格に達した後、予想外の価格で注文が成立することがあります。

有効な場面

逆指値注文が有効な場面は次の2つ。

  • 損失を最小限に抑える場合: 相場が予想に反して逆行した際に、損失を限定するためのストップロスを設定する場合。
  • トレンドフォローのエントリー: 価格が一定の水準を突破したときに、トレンド方向にエントリーしたい場合、想定外の損失を避けるために利用します。

リスクヘッジをしたい取引では逆指値注文は非常に便利です

OCO注文(One Cancels the Other Order)

OCO注文は、二つの注文を同時に設定し、一方が成立するともう一方が自動的にキャンセルされる注文方法です。例えば、指値注文と逆指値注文を同時に設定することができます。

メリット
  • 戦略的な取引: 利益確定と損失限定を同時に設定できるため、戦略的な取引が可能です。
  • 自動管理: 一方の注文が成立すると、もう一方の注文が自動的にキャンセルされるため、手間が省けます。
デメリット
  • 複雑な設定: 注文設定が複雑になるため、初心者には扱いにくい場合があります。

有効な場面

OCO注文は、予め2つの注文を出せる非常に便利な注文方法です。基本的に有効な場面は逆指値注文と変わりませんが、大きく違うのはエントリーとイグジットの注文を両方に出すことができる点。

そのため、リスクヘッジにも、タイトなエントリーポイントで取引したいときにも有効です

OCO注文の有効な場面

  • 損失を最小限に抑える場合: 相場が予想に反して逆行した際に、損失を限定するためのストップロスを設定する場合。
  • トレンドフォローのエントリー: 価格が一定の水準を突破したときに、トレンド方向にエントリーしたい場合。

IFD注文(If Done Order)

IFD注文は、初めの注文が成立した後に次の注文が自動的に設定される注文方法です。例えば、最初に成行注文を出し、その後に指値注文や逆指値注文を設定することができます。

自動で発注からイグジットまですべて自動で行ってくれるため、機械的にエントリーと利確・損切を繰り返したいトレーダーに有効です

メリット
  • 連続取引: 一連の取引を自動化できるため、効率的な取引が可能です。
  • リスク管理: 利益確定や損失限定の注文を事前に設定できるため、リスクをコントロールしやすい。
デメリット
  • 成立しないリスク: 初めの注文が成立しない場合、次の注文も設定されません。

有効な場面

IFD注文が有効な場面が次の2つ。

  • 連続した取引を自動化する場合: 初めにエントリーした後、利益確定や損失限定の注文を自動的に設定することで、効率的な取引を行いたい場合。
  • トレードプランに基づいた取引: 計画的にエントリーとエグジットを行いたい場合に、事前に一連の注文を設定する場合。

効率的、機械的にトレードしたい方に人にとっては非常に有効な注文方法です。

【まとめ】注文方法の種類を理解して効率的にトレードしてみよう

FXの注文方法には、それぞれ特徴とメリット・デメリットがあります。成行注文、指値注文、逆指値注文、OCO注文、IFD注文など、さまざまな方法を理解し、状況に応じて適切な注文方法を選ぶことで、リスクを管理しながら効率的に取引を行うことができます。

自分の取引スタイルや戦略に合った注文方法を選び、成功するための第一歩を踏み出しましょう。

また、“実際に操作してみないと注文方法がわかりにくい”という方にはデモトレードでの取引がおすすめです。

デモトレードでしっかりと実践経験を積むことで、より注文方法への理解が深まるでしょう。

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執筆者 西村大樹