スピンドル(SPINDLE/SPD)、通称「ガクトコイン」と呼ばれる仮想通貨の名前を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
スピンドル(SPINDLE/SPD)は人気アーティストであるGackt氏が広告塔となりリリースされたことから、ガクトコインとして注目された仮想通貨です。
今回はスピンドル(SPINDLE/SPD)の概要やこれまでの値動き、そして詐欺コインと言われるようになってしまった要因について徹底解説します。
目次
スピンドル(SPINDLE・SPD)/ガクトコインの概要
スピンドル(SPINDLE/SPD)は「ERC20」という規格をベースにしたイーサリアムトークンの1つです。ICOによる約220億円の資金調達に成功し海外仮想通貨取引所にも上場しています。
- 通貨名:スピンドル(SPINDLE/SPD)
- 公開日:2018年5月21日
- 現在の価格(2021年9月):¥0.01382
- 時価総額(2021年9月):¥80,812.64(ランキング1963位)
- 総発行枚数:100億枚
- 発行元:株式会社BLACKSTAR&CO.
スピンドル(SPINDLE/SPD)は別名「ガクトコイン」と呼ばれる仮想通貨です。人気アーティストであるGackt氏が広告塔となりスピンドル(SPINDLE/SPD)を広めたため、プラットフォームよりも通貨が注目されるようになりました。
スピンドル(SPINDLE/SPD)は「ZETA」というプラットフォーム、ZETAで発行される仮想通貨をスピンドル(SPINDLE/SPD)と言います。不正や改ざんのリスクが低い資産管理プラットフォームであり、元々は個人投資家が利益を出すことを目的として開発されたようです。
ZETAでは個人投資家が自由にヘッジファンドを選択できマッチングが行われ、個人投資家に代わってヘッジファンドが仮想通貨を運用します。個人投資家は仮想通貨運用をプロであるへッジファンドに任せながら、定期的に配当金を得ることができるというシステムです。
このマッチングシステムからGackt氏はスピンドル(SPINDLE/SPD)のことを「仮想通貨ユーザーと仮想通貨ヘッジファンドを結ぶ仮想通貨の出会い系サービス」であると話しています。
しかしリリース後よりスピンドル(SPINDLE/SPD)はスキャンダルが多く出回り、詐欺コインと呼ばれるようにもなってしまいました。
スピンドル(SPINDLE/SPD)の発案者である宇田修一氏が金融庁から行政処分を受けたことにより価格が暴落した後、発行元である「株式会社BLACKSTAR&CO.」の運営メンバーが国外逃亡し活動がストップしています。
更に現在(2021年9月)にはスピンドル(SPINDLE/SPD)の広告塔であったGackt氏が無期限の活動停止を発表し個人投資家からのクレームが殺到している状態です。
スピンドル(SPINDLE・SPD)/ガクトコインが詐欺コインと言われる理由
スピンドル(SPINDLE/SPD)は以下の理由などから詐欺コインであるとも言われています。
- 発案者が金融庁により行政処分を受ける
- 野田聖子氏が関わるスキャンダルの報道
- 株式会社BLACKSTAR&CO.が国外逃亡
- Gackt氏が無期限活動休止を発表
順番に詳しく解説します。
発案者が金融庁より行政処分を受ける
前述のようにスピンドル(SPINDLE/SPD)の発案者であるドラグーンキャピタル株式会社代表取締役の宇田修一氏は金融庁による行政処分を受けています。具体的に説明するとドラグーンキャピタル株式会社は出資金の約50%を私的に遣い、出資金自体の運用も行われていなかったとして2016年6月に金商業者の登録取引処分を受けました。
しかしその後スピンドル(SPINDLE/SPD)はリリースされ仮想通貨とも仮想通貨でないとも言えない曖昧な状態で存在し続けているため、資金決済法違反の疑惑も浮上しています。ドラグーンキャピタル株式会社はスピンドル(SPINDLE/SPD)発行元である株式会社BLACKSTAR&CO.と同じ会社とみなされており、Gackt氏もその創業メンバーであることがわかっています。
野田聖子氏が関わるスキャンダルの報道
宇田修一氏の行政処分が行われる前、Gackt氏と当時総務大臣であった野田聖子氏が金融庁に圧力をかけたという疑惑が持ち上がりました。
野田氏は金融庁の担当者会議にスピンドル(SPINDLE/SPD)の関係者や自分の秘書を同席させて圧力をかけたと報道されています。野田氏とGackt氏は以前より親交があったとされており、野田氏は職権を乱用したとして大きな批判を受けています。
報道後にGackt氏はスピンドル(SPINDLE/SPD)の広告塔から外れています。
株式会社BLACKSTAR&CO.が国外逃亡
スピンドル(SPINDLE/SPD)の発行元である株式会社BLACKSTAR&CO.は2018年8月に拠点を日本からイギリスへ移しています。
移動する直前に金融庁による行政処分を受けていたり、野田聖子氏とGackt氏の疑惑が報道されたことから国外逃亡であると世間からみなされることとなりました。
イギリスへ拠点を移してからしばらくはZETAの開発は進んでいるとされていましたが、現在(2021年9月)はプロジェクトも止まり会社の運営自体も定かではない状態です。
Gackt氏が無期限活動休止を発表
2021年9月に入りGackt氏が体調不良による無期限活動休止を発表したことも波紋を呼んでいます。Gackt氏は著名人を始めとした多くの人々に投資の勧誘を行っていましたが、ほぼ全ての投資家が多額の損失を被っており現在クレームが殺到していると報道されています。
今回の活動休止によりスピンドル(SPINDLE/SPD)の一連のトラブルがうやむやになれば更なる価格の暴落と信用度の低下は避けられないでしょう。
スピンドル(SPINDLE・SPD)/ガクトコインの値動き
スピンドル(SPINDLE/SPD)がリリースされた当初の価格は約3円前後でしたが2018年5月に最高値の約4円を更新した後は下落しています。
2019年12月には約0.005円にまで下がり、多少の値動きはあるものの底値圏内に張り付いている状態で2021年9月現在は約0.013円となっています。
このことはスピンドル(SPINDLE/SPD)のユーザーがほぼいないことを表しており、信頼性が低いことは明らかです。
またスピンドル(SPINDLE/SPD)の公式サイトは更新されておらず、ZETAの開発についても全くわからない状態が続いています。
今後の値動きを期待するのは難しいでしょう。
【まとめ】スピンドル(SPINDLE・SPD)/ガクトコインへの今後の投資はおすすめできない状態
スピンドル(SPINDLE/SPD)についてご理解頂けましたでしょうか。
スピンドル(SPINDLE/SPD)はもともと個人投資家が大きな配当を得ることを目的に生み出されましたが、現在までに多くのスキャンダルがあり信頼性が低い仮想通貨となってしまいました。
また現在プロジェクト自体も運営されているか不明瞭で、価格も底辺圏内をキープしていることなどから今後の投資はおすすめできない状態です。
しかし既に多額の損失を抱えた投資家も存在することから、今後のスピンドル(SPINDLE/SPD)やGackt氏の動きが注目されています。
執筆者 西村大樹