仮想通貨の相場は昨年、2017年12月に最高値をマークしてから下落を続けています。時期的に価格が好調な時もありますが昨年の勢いは見る影もなくなりました。
魅力の低下から投資家も手放しているのかと思いきや実際はそうでもなさそうです。仮想通貨の王様ビットコインを保有したままにしている、いわゆるガチホの数が判明しました。
今回はビットコインをガチホしている投資家や日本におけるビットコインの取引高、ガチホするメリットを紐付けながらみていこうと思います。
ビットコインのガチホしている数が判明
ブロックチェーン調査会社のDiar(ディア)が9月17日に発表したレポートによると200BTC(ビットコイン)以上を保有するウォレットにあるビットコインのうちに3分の1が一度も取引されていないことが分かりました。
200BTCは日本円にするとおよそ1億4400万円となりますが、200BTC以上保有しているウォレットはビットコイン全体の55%ほどになります。
言い換えると世界に流通しているビットコインの6分の1は取引されずにホールドされている状態となります。(がっちりホールド=ガチホ)
ガチホがこれだけ多いのは今年のビットコインの弱気相場をみているにも関わらず、長期的な視点で考えると値上がりを期待しているからとも考えられます。
しかし、ビットコインへの期待感だけではなく無関心からか単にウォレットの秘密鍵を無くしたケースも考えられます。いずれにせよビットコインの流通量の16%くらいは取引がなされていない状態です。
国内におけるビットコイン取引高
ビットコインガチホの割合が浮き彫りになりましたが、日本におけるビットコインの取引は、やはり、昨年の年末に比べるとかなりの割合で落ち込んでいます。
過去最多の取引量を誇った昨年12月の取引高と今年8月の取引高を比較すると、今年8月は3割ほどにしかなりません。
国内においても仮想通貨相場の低迷から関心の低下につながり、期待感を込めたガチホ、もしくは単に放置されている可能性があります。
ちなみに世界の取引高で同時期を比較するとさらに顕著で、今年8月は昨年12月の取引量の16%ほどにとどまる結果です。
国内では6月まで取引高の下落が止まらずにいましたが7月以降は取引高を巻き返してきていますので9月、10月、年末とどのような変化があるのでしょうか。
また、日本の投資家のガチホ数が分かり次第、ご報告したいと思います。
ガチホすることでのメリット
以前のようにビットコインの市場が活発ではない時にホールドするメリットがあります。まずは単純にいずれ価格の上昇があれば儲けられるということです。
現物取引ならば負債を抱えることはありませんので保有しているだけで将来に期待するのはメリットです。
それから、あくまでも日本での話になりますが税金対策にもなります。日本では「億り人」と呼ばれ1億円以上の利益(含み益)を叩き出した方もいます。
しかしながら、利益確定をすれば最大で55%は税金として納めなくてはなりません。現状で億り人になるのは困難かと想像できますが、持っているだけならば課税対象にはなりません。
もう一つ考えられるメリットは決済需要が高まってきているので保有していると対応しやすくなることです。
コンビニやスーパーなど身近な店舗で決済できることは少ないのですがインターネット通販などではビットコインでの決済ができるお店が増えてきています。
海外に目を向けるとドイツでは現地通貨に交換する時に課税するべきではないと声明が出されていたり、韓国では取引所が飲食店に決済サービスを提供する動きも進んでいます。
来年や再来年でインフラが十分に整うとは言い切れませんが、日本へのインバウンドを考えるとビットコイン対応の実店舗が増えてきてもおかしくありません。保有していれば将来的なメリットになると思います。
執筆者 西村大樹