仮想通貨取引を始めると「エアドロップ(Airdrop)」という言葉を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか?
仮想通貨業界におけるエアドロップ(Airdrop)とは、仮想通貨を無料でもらうことができるお得なイベントのことを指します。
今回はエアドロップ(Airdrop)の基本的な知識や無料で仮想通貨をもらえる仕組みなどについて詳しく解説します。
目次
エアドロップ(Airdrop)とは?
まずはエアドロップの基礎知識である以下の3点をご説明します。
- エアドロップの概要
- エアドロップ(Airdrop)に参加する条件
- ICOとエアドロップ(Airdrop)の違い
エアドロップ(Airdrop)の概要
エアドロップ(Airdrop)は仮想通貨取引所にて不定期に実施されるイベントのようなもので、定められた条件を満たすユーザーは無料で仮想通貨やトークンを受け取ることができます。
エアドロップ(Airdrop)を直訳すると「空中投下・空から降ってくる」という意味であり、その目的はまだ認知度の低いマイナーな仮想通貨の知名度を向上させてユーザーを増やすことを目的としています。
従ってビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、リップル(XPR)などの時価総額が高い仮想通貨のエアドロップ(Airdrop)はほとんど行われません。
エアドロップ(Airdrop)によって受け取れる金額は多くはありませんが、エアドロップ(Airdrop)を行う仮想通貨には注目が集まるため価格高騰する可能性も高く売却益を獲得できるチャンスも多いのです。
例えば過去のエアドロップ(Airdrop)で最高10万円の価格をつけた仮想通貨Rebellious(REBL)のように価格が約100倍となったケースもあります。
また主に海外の仮想通貨取引所でエアドロップ(Airdrop)が開催されることが多く、国内の仮想通貨取引所で実施されることは少ない傾向にあります。
※最新のエアドロップ(Airdrop)情報をチェックするには「Airdrop Alert.com」などのウェブサイトがおすすめです。
エアドロップ(Airdrop)に参加する条件
ユーザーがエアドロップ(Airdrop)に参加する条件は様々でプロジェクトによって異なりますが、主に以下の代表例が挙げられます。
- 指定されたSNSアカウントのフォロー
- YouTubeチャンネル登録
- SNS投稿のリツイート・シェア
- テレグラムなどのグループ参加 など
また最近では指定されたTwitterアカウントのフォローや、無料動画配信サービスYouTubeのチャンネル登録のみという手軽にエアドロップ(Airdrop)に参加できる条件も増えています。
ICOとエアドロップ(Airdrop)の違い
ICO(Initial Coin Offering)とは「新規通貨公開」を意味し、資金を調達したい企業や団体が独自の仮想通貨を発行・販売することにより資金調達を行う過程のことです。
ICOにより新たに発行された独自の仮想通貨はコインやトークンと呼ばれ、ユーザーは価格上昇を期待してそれらを購入する場合が多いでしょう。
しかしICOには監査がなく誰でも利用することができるため詐欺の温床になることもあり、世界的に規制に向けた動きが始まっています。
しばしばエアドロップ(Airdrop)はICOと比較されますが、エアドロップ(Airdrop)は無料配布であり損をする人が現れない点でICOとは異なります。またエアドロップ(Airdrop)は資金調達ではなく、仮想通貨のプロモーションであり合法的なシステムなのです。
エアドロップの種類
エアドロップ(Airdrop)には主に以下の3種類があります。
- ホルダーエアドロップ
- フォークエアドロップ
- バウンティエアドロップ
各エアドロップ(Airdrop)の特徴は大きく異なります。
① ホルダーエアドロップ
ホルダーエアドロップは対象となる仮想通貨を一定期間保有すると、新たに仮想通貨がもらえるシステムです。
簡単な手順でエアドロップ(Airdrop)ができますが、ホルダーエアドロップが行われる機会は少ないため常に情報をチェックするよう心がけましょう。
過去には仮想通貨トロン(TRX)の保有者にビットトレントトークン(BTT)が配布されたホルダーエアドロップなどがあります。
② フォークエアドロップ
フォークエアドロップは、仮想通貨のフォーク(分岐)により生まれた仮想通貨を得られるシステムです。
例えば2017年に行われたビットコイン(BTC)のハードフォークにより、ビットコインキャッシュ(BCH)が無料配布されたことが挙げられます。
ホルダーエアドロップと同じように、指定された仮想通貨を保有するユーザーが対象となります。
③ バウンティエアドロップ
バウンティエアドロップは、前述したようにプロジェクトから指定された条件を満たすと仮想通貨を入手することができるシステムです。
例えばバウンティエアドロップの条件には仮想通貨プロジェクトのホワイトペーパーを日本語に翻訳したり、ICOのレビューをブログ記事にするなど、他のエアドロップよりも手間や時間を要することが特徴です。しかしその分より多くの仮想通貨が得られます。
また3つのエアドロップ(Airdrop)の中で最も認知されているのがバウンティエアドロップと言えます。
エアドロップ(Airdrop)のメリット・デメリット
それではエアドロップ(Airdrop)のメリットとデメリットについてご紹介します。
エアドロップ(Airdrop)のメリット
エアドロップ(Airdrop)のメリットとして以下の3点が挙げられます。
- エアドロップ(Airdrop)は無料で参加できる
- 将来性の高い仮想通貨である可能性大
- 税金の心配がほぼ無い
エアドロップ(Airdrop)は無料で参加できる
エアドロップ(Airdrop)の最も大きなメリットは無料で仮想通貨やトークンがもらえることです。
エアドロップ(Airdrop)で得られる仮想通貨の量は多くありませんが、その後価格が上昇する可能性も十分あり得ます。
将来性の高い仮想通貨である可能性大
エアドロップ(Airdrop)でもらった仮想通貨やトークンの中には将来性の高い仮想通貨もあります。
またエアドロップ(Airdrop)は仮想通貨のプロモーションであるため、もらった仮想通貨がイベント終了後に注目を集め価格上昇する可能性も十分にあると言えるのです。
このように仮想通貨の将来性を求めてエアドロップに期待するユーザーも多いでしょう。
税金の心配がほぼ無い
エアドロップ(Airdrop)で得られる仮想通貨の年間利益が20万円を超えることはほとんどないため、納税の心配はまずないと言えます。(仮想通貨の納税義務は年間利益が20万円を超える場合に発生します)
平均して1度のエアドロップ(Airdrop)で得られる仮想通貨は約100〜500円程度の金額となります。平均取得単価が約200円の場合、年間で約1000回以上のエアドロップ(Airdrop)に参加しない限り、年間利益が20万円を越えることはないでしょう。
※万が一エアドロップ(Airdrop)でもらった仮想通貨の価格が高騰したり、上場して20万円を越える利益が出た場合は課税対象となるため税理士に相談するなどの対策が必要となってきます。
エアドロップ(Airdrop)のデメリット
エアドロップ(Airdrop)に参加する際は以下のデメリットにも注意しましょう。
- 個人情報の悪用
- エアドロップ(Airdrop)を装った詐欺
個人情報(メールアドレス)の悪用
エアドロップ(Airdrop)に参加して仮想通貨やトークンをもらうには個人のメールアドレスを入力する必要があり、その際仮想通貨取引所に個人情報を悪用される可能性もあります。
例えば提供されたメールアドレスを元に大量の広告を送りつけたり、パスワードが他に使えないか試したりするなどその手口は年々巧妙化しています。
対策として使用するメールアドレスは専用のものを使ったり、パスワードを使い回したりすることは避けましょう。
また信頼できる仮想通貨取引所であるかを確認することも重要です。
エアドロップ(Airdrop)を装った詐欺
エアドロップ(Airdrop)のイベント自体が詐欺である可能性もあります。例えばシークレットキー(秘密鍵)やパスワードの入力を求められたり、ウォレットへのリンクがフィッシングサイトである場合は確実に詐欺です。
信頼できる仮想通貨取引所が運営であれば、ユーザーのシークレットキーやパスワードの入力を要求することはないと心得ておきましょう。
万が一シークレットキーやパスワードなどを教えてしまった場合は所有している仮想通貨やトークンを全て奪い取られる可能性が高いと言えます。
エアドロップ(Airdrop)の参加方法
エアドロップ(Airdrop)の基本的な参加方法や準備すべきもの、求められる条件についてご紹介します。
基本の手順
エアドロップの基本的な手順は以下の通りです。
- 仮想通貨がもらえる条件を確認
- 1の条件を満たす
- 仮想通貨を送金してもらうウォレットを用意
- ウォレットのアドレスを運営に知らせる
- 仮想通貨がウォレットに送金される
エアドロップ(Airdrop)のために準備するもの
エアドロップ(Airdrop)に参加するにあたり準備するものをご紹介します。
- メールアドレス
- ウォレット
- SNSアカウント
①メールアドレス
GmailやYahooメールなどのフリーメールアドレスが必要となります。
普段使用しているメールアドレスをエアドロップ(Airdrop)に使うと、個人情報が悪用されたり詐欺被害に遭う可能性もあります。
エアドロップ(Airdrop)用に新たにアカウントを作成するのがおすすめです。
②ウォレット
ウォレットはエアドロップ(Airdrop)でもらった仮想通貨を受け取るために必要です。仮想通貨取引所のウォレットでは対応できないため、以下のようなウォレットをあらかじめ用意しましょう。
- マイイーサウォレット(MyEtherWallet)
- メタマスク(MetaMask)
- トレザー(Trezor) など
③SNSアカウント
ほぼ全てのエアドロップ(Airdrop)において、条件としてSNSアカウントの所有が求められています。そのため以下の4つのSNSアカウントは最低限作成しておきましょう。
- Telegram
- Slack
もらった仮想通貨を日本円に換金する方法
エアドロップ(Airdrop)でもらった仮想通貨は以下の流れで日本円に換金することができます。
↓
③日本円とトレード
最近開催されたエアドロップ(Airdrop)
最近(2021年10月)開催されたエアドロップ(Airdrop)の代表例をご紹介します。
IOSTのエアドロップ(Airdrop)
仮想通貨IOST(アイオーエスティー)は2021年9月にエアドロップ(Airdrop)を開催しています。
「Summer Airdrop」と呼ばれたIOSTのトークン配布イベントでは、2021年9月30日午前8時にIOSTを保有するユーザーに保有量に応じた仮想通貨ドニー(DON)が配布されました。
- 保有銘柄:IOST
- 配布銘柄:DON
- 配布量:DON供給量の5%
- スナップショット日時:2021年9月30日午前8時
IOSTのエアドロップ(Airdrop)イベントは毎回人気が高く、スナップショット前に多くの投資家が購入する傾向があります。
今回すでに2回目の配布となった仮想通貨ドニー(DON)は韓国を拠点とするドニーファイナンス(Donnie Finance)のプロジェクトであり、IOSTメインネット上で発行されたコインです。
【仮想通貨ドニー(DON)の概要】
- 通貨名:ドニーファイナンス(Donnie Finance)
- ティッカーシンボル:DON
- 発行枚数:10,000,000 DON
- 公開日:2020年11月
仮想通貨ドニー(DON)はドニーファイナンス(DonnieFinance)のプラットフォームで使用されるガバナンストークンです。
ユーザーはプラットフォームの運営に関わる投票に参加するためにドニー(DON)をステイクする必要があります。また保有することでプラットフォーム取引手数料の割引、金利の優遇などの特典を受けることも可能です。
またドニー(DON)はDEX(分散型取引所)である「Uniswap」にも上場しており、ウォレットから送金すると売却もできます。
今後は韓国の仮想通貨取引所だけでなく、他の取引所にも積極的に上場し海外のユーザーがドニー(DON)を簡単に購入できるようになることが期待されています。
トロンのエアドロップ(Air drop)
仮想通貨トロン(TRX)はトロン(TRX)保有者に対し2021年6月10日よりNFTの配布を行っています。
このエアドロップ(Airdrop)は以降2023年6月10日まで行われ、毎月10日にスナップショットを行いNFTを配布する予定です。
- 保有銘柄:TRX
- 配布銘柄:NFT
- 配布量:総供給量の4%
- スナップショット日時:毎月10日
このエアドロップ(Airdrop)は最近話題となっているNFTアートの取引をメインに行っている仮想通貨プロジェクト「APENFT」によって開催されています。
NFTは複数の海外仮想通貨取引所に上場しているため、受け取り後すぐに売却することも可能です。
またNFTは2021年初頭より急激に取引量が伸びており、そのアートや音楽は数十億を越える金額で取引されています。現在まさにNFTバブルとも言える状態の中、エアドロップ(Airdrop)でNFTをもらえるのは良い機会なのではないでしょうか。
【まとめ】エアドロップ(Airdrop)は個人情報に気をつけて参加しよう!
仮想通貨のエアドロップ(Airdrop)についてご理解頂けましたでしょうか?
エアドロップ(Airdrop)は無料で仮想通貨やトークンがもらえるイベントであり、その中には高い将来性を秘めたものも存在します。
エアドロップ(Airdrop)でもらえる仮想通貨の量は多くありませんが、これまでに数百倍に価格が成長した仮想通貨もあり参加する価値があると言えるでしょう。
同時に前述したようなメールアドレスなど個人情報の流出や、エアドロップ(Airdrop)を装った詐欺には注意が必要です。
このような注意点を踏まえ、安全にエアドロップ(Airdrop)を楽しむことをおすすめします。