大学の資金運用先が仮想通貨に!日本の大学は資金を運用しているのか?

日本やアメリカの大学は双方とも遜色なく学費が高いことで知られています。特にアメリカの大学は積極的な資金運用によって得た利益を研究費や奨学金など大学の運営資金の一部として活用しています。

一方の日本の大学はリスク資産運用をする事例はなかなか聞こえてきませんが、今年(2018年)1月に早稲田大学がリスク性の高い金融商品での資産運用を拡大していくと発表しています。

日本の大学もアメリカの大学もリスク資産運用をおこなっているわけですが、アメリカのイエール大学は仮想通貨にも投資を行うことがわかりました。今回は、イエール大学の資産運用先に仮想通貨も入っていることを中心に紹介していきます。

イエール大学が仮想通貨基金に出資

アメリカの名門私立大学8校(アイビーリーグ)の一つである、イエール大学が「パラダイム」という仮想通貨基金に出資を行うことがわかりました。(ブルームバーグ誌

イエール大学はこれまでもプエルトリコ債、先物などありとあらゆるところに投資をし、今回行き着いた先が仮想通貨となったと考えられます。

パラダイムはデジタル資産に焦点を当てた基金で、資金調達をした際にイエール大学が出資に加わったとのことです。パラダイムは今後、仮想通貨やブロックチェーン技術の利用、仮想通貨取引所などの事業に投資を行う計画があるとのこと。

仮想通貨はご存知の通り、ボラティリティーも高く大きなリスクも伴います。大学は基本的に投資を慎重であると考えられますが、リスクの高い仮想通貨にも資金運用し始めたのは仮想通貨に対するスタンスや見方が変わってきたとも言えます。

スタンスや見方の変化は、これまで、仮想通貨はその銘柄が直接的な投資対象となっていましたがイエール大学の事例のように基金への出資という新たな投資スタイルの確立に繋がる可能性もあります。

ちなみに、イエール大学は2019年度の運用資産の6割を新しい投資とも言えるハイリターンを狙った積極的な投資のベンチャーキャピタル、複数の金融商品を分散化するヘッジファンド、買収や合併の際に買収先の資産を担保に資金調達するレバレジッドバイアウトに投じています。

このように大学が資産を仮想通貨も含めたリスク運用をするのは、決して悪いことではありません。イエール大学は長年、リスク資産運用をしてきましたが投資の世界でも一目置かれるデイビット・スウェンセン氏が資産運用の責任者を務めていました。大学としても本気で資産運用を考えていることがわかります。

早稲田大学は海外の未公開株で資産運用

2018年の年明け早々、1月8日の日経新聞で早稲田大学がリスク性の高い金融商品である海外の未公開株で資産運用を拡大することがわかっています。早稲田大学は2018年から4、5年で1億ドル程度の資産を見込み、運用資産の1割程度に相当します。

海外の未公開株ということで想定できるのは資産運用のプロを何人も用意して本格的な資産運用を行う可能性があります。ただ、金融機関のアドバイスだけで行うならかなりリスクが高いとも考えられます。今後、どのような運用状況となるのか経過は見ものです。

執筆者 西村大樹