日本でもGMOグループが大規模なマイニングをおこなうため、施設を建設することを発表し随所で話題になっていますね。
ですが、ビットコインのマイニングは大量の電力消費とマシンからの排熱をどう処理するかが問題になります。
一般的なのはまた電力を消費してマシンを冷やすことですが、熱も大きな資源と見ることもできます。
そこで海外ではマイニングで発生した熱をどんな風に利用しているか見てみましょう。
地球にも優しい!ユニークな方法を実行しているカナダのケース
中国の大規模規制後、多くのマイナー企業を誘致していることでも知られているカナダ。
雄大な自然の中でマイニングが行える点では中国と環境の類似点があったり、そもそも昔から中国を始めとしたアジア系移民が多いのでネットワークが確立されているという理由から多くの中国系マイナー企業がカナダへ拠点を移しています。
でもそれほど大規模なマイニングを行なって、対策などは考えられているのでしょうか?
個人でマイニングを行なっている人でも、マシンが熱暴走するのを経験することも多いようです。
中には、熱暴走しすぎてマイニングが上手くできなくなるどころか、コンセントが溶けて発火寸前!なんて事例もあるんだとか。
このようにマイニングを行う上でリスクがあるため、熱対策は万全にしておきたいですよね。
カナダでは実にユニークな方法で、マイニングマシンから発生した熱を利用するプランが注目されています。
それは植物の育成や、魚の養殖に利用するといったプロジェクトです。
マニトバ州ウィニペグというところに本拠地を構えているMyera Groupは、マイニングを行うビルの中に温室とプールを設置しています。
オフィスに並んだ30台以上のパソコンから排される熱は、一階で養殖される北極イワナが泳ぐタンクの温度管理に使われます。
また、マシンを冷やすために使われた水は貯めておいて植物へ与えられるようです。
廃水には栄養があるので、植物にとっても貴重な栄養となりオフィスの中でグリーンがどんどん増えているんだそうですよ。
たしかに魚を飼うときにはヒーターが必要な場合もありますが、かなりユニークな方法ですよね。
極寒対策!国の特性を生かしたロシアのケース
さて、同じく国家的にマイニングを進めているロシアでもマイニング排熱は注目されています。
それは床暖房に応用するというもので、2017年11月にはシベリアでプロトタイプの製品の開発に成功したそうです。
たしかに寒い地域で暖房のように使えるのは、暖房代も抑えられるし効率のいい排熱の使い方だと思います。
こちらは2020年までに2,000世帯でマイニング床暖房を実用化させることを目標にしています。
日本ではどんな使い方ができる?
日本でもこれからマイニング事業に参入する企業が増えていくと思われます。
しかし、先進国の中でも電気代の高いのが日本です。
電力の自由化が叫ばれて変化の中にある状態ですが、資源立国というわけでもないのでそれほど急激に電気代が安くなるということは考えにくいです。
そこでカナダやロシアの企業と同じように有効利用できる道を考えるのも1つの方法だと思います。
例えば寒冷地域でマイニングをして、建物全体をセントラルヒーティングのようにあたためるシステムや、トマトや南国原産のフルーツなどを育てる温室の管理にあてたり…
可能性は様々に考えることができます。
しかし、現時点で考えうる問題は電気代が高いという点の他にもあります。
温帯〜亜熱帯地域の日本は夏季の排熱はどうするのかや、昨今の国内の風潮がまた厳しくなってきてマイニング事業を行える企業への規制もありそうだという点など環境問題以外にも問題は山積みです。
しかし、日本人は特にその傾向が強いようですが「消費と規制」のバランスが極端になりがちという面があります。
何事もバランス良く進めていきたいものですね。