これといった能力がない?だけど金融庁が認めた仮想通貨 CICCについて

仮想通貨について、知識のある人も増えてきました。それでも、産経新聞などの調査ではまだよくわからないといった人も多いようです。実際、著者自身もなんだこれ?と思うような仮想通貨がたくさんあります。どのような専門家でも、仮想通貨のことをすべて知ってはいないといわれていますが、かくありなんといったところです。
今回は、そんなよくわからない仮想通貨の中からCICC(カイカコイン)について注目してみましょう。この仮想通貨は生まれがかなり面白い仮想通貨です。

CICCはどうして生まれたの?

CICCはが生まれたのは2016年10月。比較的古い仮想通貨といえます。CICCは株式会社カイカという会社がブロックチェーン技術の活用を広めるために、自社株主に仮想通貨を体験してもらおうという目的の元、3億枚発行された仮想通貨です。その後、取引システムを自社で開発したため、2017年2月にZaifで、2017年7月にFiscoでそれぞれ売買できるようになりました。

株式会社カイカとZaif・Fiscoの関係

株式会社カイカは実は、フィスコの子会社であり、フィンテック関連株として上場している会社です。フィスコの取引所であるFiscoはZaifと深い関係があり、取引画面などはZaifとほとんど変わらないほど。簡単に言ってしまえば、自社で開発した仮想通貨を、自社で開発したシステムを使って取引してもらおうとしたといえるでしょう。しかし、2016年10月に配布、2017年2月に取引ということは、それ以前から仮想通貨開発を行っていたわけで、この会社の先見の明というのは素晴らしいといえます。ちなみに、Zaifで取り扱っているトークンはすべて金融庁が認めるホワイトコインであり、CICCも当然ホワイトコインです。最近、事件も多いので、金融庁お墨付きといわれると信頼したくなりますね。

CICCは何が出来るのか

CICCはその生まれた経緯などを考えてみたらわかるように、ほかの仮想通貨のように何かを開発したり何かに投資したりするための仮想通貨ではありません。いうならば、カイカ株式会社の株式を持っていた人に、仮想通貨トレードを試してもらうために作ったもの。それ以上の力を持っていません。いちおう、株式会社カイカやフィスコが出版している仮想通貨の本や金融・フィンテックに関する本を購入できるようにはなっていますが、本当にそれだけです。

それでも上がる?CICCの不思議

CICC自体に何も能力がないことはわかっていただけたと思います。そのため、2017年8月9月ぐらいまで、値段が付かず、ずっと1円程度をうろうろしていました。しかし、2017年12月の仮想通貨高騰時期には、なんと20円もの値を付けてしまったのです。何も能力がないのに20円というのはさすがに付きすぎだと筆者は思うのですが、ついてしまったので、今後のCICCの傾向について考えてみたいと思います。何も能力がないということは、逆説的には完全な仮想資産としてみることが出来るということになります。つまり、100%仮想通貨全体の需要と供給のバランスに引きずられるということです。CICCの知名度が低いため、全体のバランスを映し出すということはできていませんが、今後仮想通貨全体の需給やCICCの知名度が知られるようになった場合、仮想通貨全体のチャートを考える指標となるかもしれません。現在ではまだ仮想通貨はデータが少ないため、株式市場やFXのテクニカル分析は適しませんが、今後データと取引日数が増えていけば、値段が上がるか下がるかについてある程度の分析を使うことで読み切ることが出来るようになるといわれています。この環境が整った時にCICCがどのように評価されるのか。頭の片隅に置いておいてください。

執筆者 西村大樹