MGOコインの価格が上昇している。10月10日朝9時の時点では1MGO=0.3527ドルだったが、10月17日朝9時の時点で1MGO=0.5737ドル、50%以上の値上がりを見せている。今日まで微小な上昇傾向にあったがここに来て大幅な上げ幅を見せている。原因と今後を考察する。
MGOコインとは
MGOコインはモバイルGOの略称で、モバイルゲームに特化したコインで、主な取引所は香港拠点のBCEX、セーシェル共和国拠点のDigifinex、Bitforexなどだ。
MGOコインは、GameCreditsのプロジェクトの一環で開発されたモバイルゲーム専用のコインだ。MGOコイン専用のゲーム内でしか同通貨は扱えないが、GameCreditsが手がけたゲームならコインを移動させられる。GameCreditsは課金システムを公開しており、ゲームへの実装が簡単になる。GameCreditsのストアは課金によって得た報酬の10%のみが手数料として徴収されるため、開発者への利益が大きくなる特徴を持つ。
さらにイーサリアム(ETH)とウェーブス(WAVES)という2のブロックチェーンを利用しており、データが2重に管理される。賭け金が発生するイベントなどで活用されていく。
モバイルゲームは市場を大きくする一方で不正アクセスなどとの戦いが問題視されてきた。近年、ゲームに仮想通貨を実装する例が散見されるのはこのためで、先日発表された”ダービーオーナーズクラブのブロックチェーン版ゲーム”も同様の狙いがあってのことだろう。
価格上昇の要因と今後の展開
短期間での上昇は、例えば取引所の上場やインフルエンサーの発言によって乱高下することがしばしば見られる。今回、Mobile GOや、プロジェクトの母体であるGame Creditの公式Twitterから目ぼしい発表は無く、どこかの取引所に上場したニュースもない。
オフラインでのイベントはどうか、10月16日から19日に、日本の幕張メッセで『CEATEC JAPAN』が開催されている。近年の同イベントはIoTを活用したスマートシティの実現に繋がる電子デバイスなどの展示を行っている。ゲームやアニメなどが海外の投資家の集客に貢献している。
また11月3日〜4日には中国・上海で『WePlay Game Expo 2018』が開催される。モバイルゲームを始め、テーブルや音楽ゲームなどの展示が予定されており、昨年は1万人以上が来場したとのことだ。こういったイベントごとが影響しているかもしれない。
では長期的に見るとどうか。ゲーム市場は今後さらに発展して行くと見られており、newzooの試算では2021年には全世界で20兆円規模の市場となることが予測されている。
巷ではeスポーツが普及しており、世界中で大会が行われ、オリンピックへ正式種目としての導入が検討され、話題になったのは記憶に新しい。
市場規模拡大による需要の増加は確実だが、MGOコインの可能性はどうか?
2018年1月9日につけた最高値1MGO=1.58ドルからすれば現在の価格は見劣りするかもしれないが、ICOで60億円調達したこと、長期的な視点で見るとゲーム業界は今後も発展していくため、期待値を持って損はないといえるだろう。
執筆者 西村大樹