仮想通貨の天井は近い?有力人物が考える仮想通貨の次のステップとは

仮想通貨の投資を楽しんでいる方にとっては聞きたくないかもしれませんが、イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏が8日に発した言葉は少し衝撃的でした。

今回はヴィタリック・ブテリン氏の発言内容や今後の仮想通貨について考えみたいと思います。

仮想通貨の爆発的な成長期は終わった

仮想通貨でビットコインに次ぐ市場規模を誇るイーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏はブルームバーグの取材に対して仮想通貨とブロックチェーンがこれから「1000倍に成長することはないだろう」と答えました。

この発言は一連の仮想通貨バブルはもう来ないとも受け取ることができます。確かに、昨年の仮想通貨市場の過熱ぶりを考えると下火に感じますが様々な仮想通貨の登場やブロックチェーンの普及により価格の高騰に期待している投資家も少なくはないでしょう。

今後の価格高騰を期待する投資家にとってヴィタリック氏の発言は衝撃的な内容と感じるかもしれません。しかし、ヴィタリック氏は「一般的な教養レベルの人はブロックチェーンについて聞いたことがある状況になっている。そうなれば、ブロックチェーンの分野でさらに1000倍の成長が見込めるチャンスはない」との考えを述べています。

さらに、仮想通貨に大幅な価格上昇をもたらした「仮想通貨の普及を広めようとするマーケティング」主導のやり方が6年から7年続いたものの、今は行き止まりが近づいているとの見方も持っているようです。

ヴィタリック氏は仮想通貨の今後のステップとして、すでに仮想通貨に関心がある人々をもっと深く関与させることだと考えているようです。実態経済における実際の応用へと段階を進めていく時期にあると言っています。

縮小してきた仮想通貨の市場規模

爆発的な価格高とが起こった2017年から一転し、この1年間で仮想通貨の時価総額は大幅に縮小しました。

ただ、価格だけを見れば昨年の年頭に比べるとまだまだ高い価格水準にあるのは間違いありません。

2017年の前半はビットコインが1000ドル、イーサリアムは12ドルでの取引がなされていましたので仮想通貨の時価総額も2兆円ほどしかありませんでした。

ビットコインの相場がどこに向かうかは専門家によっても意見が分かれるところで2018年の年末までに2万ドルから6万ドルをつけると専門家の声が上がっています。

ビットコインの価格上昇に強気な考えを持つ専門家

市場規模が縮小してきたにも関わらず、仮想通貨関連のスタートアップ企業TenXの共同創業者のジュリアン・ホス氏は7月にCNBCのインタービューで2018年のうちにビットコインは6万ドル(約670万円)をつけると予想しました。

「非常にポジティブなイベントがあれば」との前置きにはなりますが6万ドルも可能との見立てです。ビットコインの上場投資信託(ETF)や各国政府がビットコインに対してポジティブな発言を行えば6万ドルは現実的になるとの考えです。

また、2018年の仮想通貨市場に関する予測では価格が乱高下する状態は内容のはっきりしないプロジェクトがふるいにかけられ実際に使用例が出てきたり価値の確率が行われない限り続くだろうとも発言しています。

他にはファンドストラットのトム・リー氏はマイニングコストの関係からビットコインは今年末までに2万5000ドルに達すると予想しています。

9月10日現在、ビットコインは6310ドルほどで日本円にすれば約70万円。ここ数ヶ月の値動きを見ても年末までに現在価格の4倍から10倍ほどになるのかは懐疑的な部分もあります。

ヴィタリック氏が言うように天井にきているのか、ジュリアン・ホス氏やトム・リー氏のようにまだまだ価格は暴騰していくのか…。今年も残すところ数ヶ月、仮想通貨市場の盛り上がりには期待したいところです。

執筆者 西村大樹