「Wrapped Bitcoinってどんな銘柄?」
「Bitcoinと名前が似ているけれど違う仮想通貨なの?」
Wrapped BitcoinとはBitcoinに連動するステーブルコインです。
仮想通貨に詳しくない方であれば、「ステーブルコインって?」と疑問に思うところでしょう。そこで今回はWrapped Bitcoinについて初心者にもわかりやすいように詳しく解説します。
仮想通貨に興味を持ったばかりの人向けに解説していくので、ぜひご覧ください。
参考記事はこちら
https://bitcastle.io/column/post-17798/
目次
Wrapped Bitcoinとは?
名称 | Wrapped Bitcoin |
トークンシンボル | WBTC |
公式ページ | https://wbtc.network/ |
X | https://twitter.com/WrappedBTC |
Wrapped Bitcoinとは、2018年に開発された仮想通貨です。DeFiを運営するプロジェクトたちに開発され、Ethereumのブロックチェーンで動くBitcoinを作ろうとしたことが始まりです。
Wrapped Bitcoinは拡張性の高いBitcoinを作ることが目的
そもそも仮想通貨は、トークンが存在するブロックチェーンネットワーク上でしか利用できません。
例えば、EthereumであればEthereumチェーン上で、BitcoinであればBitcoinチェーン上といった具合に、それぞれのブロックチェーン上でしか利用できません。
そのため、大変有名なBitcoinも、Bitcoinのブロックチェーン以外ではトークンを利用することはできず、Bitcoinの利便性を大きく低下させる原因となっていました。
一方Ethereumは“ERC-20”という規格のトークンを利用することで、異なる仮想通貨であってもEthereumチェーンを利用することができます。
この拡張性の高さに注目したのがWrapped Bitcoin。Wrapped BitcoinはERC-20規格のトークンで作成され、資産価格はBitcoinと連動するステーブルコインとして設計されています。
こうすることで間接的にBitcoinをEthereumチェーン上で利用可能にし、Bitcoinの拡張性向上を目指しました。
ステーブルコインとは
ところで先程から登場しているステーブルコインとはどういった仮想通貨なのでしょうか。
ステーブルコインとは、その名の通り、“ステーブル(安定)”している暗号資産です。ボラティリティ(価格変動)の大きな一般的な仮想通貨に比べ、ボラティリティが小さく、特定の資産に対して価格が連動するという特徴を持ちます。
例えば、有名なステーブルコインには米ドルと価格が連動(ペッグ)した銘柄であるUSDTや日本円に価値が連動したJPYC。金と価格が連動したジパングコインなどあります。
ステーブルコインは、価格が安定しているという特徴から、ボラティリティの大きいBitcoinや、その他の暗号資産のリスクヘッジとして利用される場合が多く、仮想通貨を資産の一部としてポートフォリオに組み込んでいる投資家に人気です。
また、ステーブルコインは投資目的の保有以外に、実生活における支払いや、商品取引に使用するケースも想定されていて、これにはステーブルコインの流通量を高め、暗号資産取引の安定性を向上させる効果も期待されています。
流通量の大きな取引資産は、仮想通貨に関わらず、市場での価格変動が緩やかになるという特徴があります。流通量世界一の法定通貨である米ドルの価格が非常に安定しているのもこういった特徴からですね。
ステーブルコインも米ドルのように価格安定に注力している銘柄であり、より安定している銘柄は、実際に商品の支払代金として利用されるケースが増えてきています。
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Wrapped Bitcoinの特徴
Wrapped Bitcoinの特徴は次の3つ。
- ERC-20トークン
- Bitcoinとペッグされたステーブルコイン
- DeFiに利用できる
順番に見ていきましょう。
ERC-20トークン
Wrapped Bitcoinは、ERC-20という規格で作成された仮想通貨です。ERC-20規格はEthereumのブロックチェーンで稼働するトークンの規格で、この規格で作られたトークンはEthereumのブロックチェーンをベースとしたネットワークなら、どのような銘柄でも利用できます。
また、ERC-20規格を利用することで、開発者はゼロからトークンを作成する必要がなくなり、スマートコントラクトや、仮想通貨ウォレットとの互換性を新たに設計する必要がありません。
そのため、現在ではERC-20規格で作成されたトークンは膨大に存在し、ブロックチェーンゲームで利用されるトークンや、近年人気のNFTに多く利用されています。
用語:スマートコントラクト
スマートコントラクトとは、仮想通貨を利用する上で重要な、自動的に処理を実行する仕組みのこと。
スマートコントラクトを実装することで、対象の仮想通貨は開発者が意図した処理を自動で行います。
例えば、仮想通貨の取引価格に対して自動で供給量を調整するというプログラムを作成すると、トークンの市場価値を一定に保つことができたリ、ゲーム内で行われた処理をすべて自動で遂行するようにすれば、ゲーム内トークンとして利用できます。
スマートコントラクトの実装は、ブロックチェーンネットワークとの互換性を重視して作成する必要があり、その製作コストは莫大です。
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Bitcoinにペッグされたステーブルコイン
Wrapped Bitcoinは金や法定通貨ではなく、Bitcoinにペッグしたステーブルコインです。そのため、価格はBitcoinと連動。ステーブルコインの中ではボラティリティの大きな銘柄となっています。
Bitcoinと価格が連動するため、Bitcoinと同等に扱うことが可能となり、本来Ethereumチェーン上では利用できないBTC(Bitcoinのトークン)を疑似的にEthereumチェーンで利用できるようになります。
DeFiで利用できる
Ethereumチェーンに対応しているWrapped Bitcoinは、Ethereumチェーンで稼働しているDeFi(分散型金融)で利用できます。
そのためBitcoinをDeFiで利用したい場面や、Bitcoinを保有したまま、DeFiプロジェクトで行っているトークンのステーキングに参加することが可能です。
そもそもBitcoinのブロックチェーンでは、DeFiのスマートコントラクトを利用することができず、取引面や利便性においてはEthereumに劣る仮想通貨でした。
ところがWrapped Bitcoinの登場により、BitcoinでDeFiを利用できるようになったため、今後の利用方法の拡大にも注目です。
DeFiとは?
DeFiはブロックチェーン上に構成される金融サービスのことを言います。
DeFiは“Decentralized Finance”の頭文字を取った略称で、日本語では「分散型金融」と訳されています。
分散型金融は銀行のような中央管理者が存在しません。第三者の介入なく、ネットワークの参加者が直接相手と取引ができるという特徴を持ち、低コスト、海外へのシームレスな送金を可能にします。
利便性が高く、仮想通貨を取引する上では非常に重宝されるDeFiですが、一方で分散管理ならではのリスクも指摘されています。
特に相手の不正やトラブルによって取引が完了しない“カウンターパーティリスク”は大きな問題として懸念されており、第三者が介入しないDeFiではこれらを取り締まるすべがありません。
他にもDeFiを使った送金ミスは、間違って送ってしまった仮想通貨が戻ってくることはなく、そのまま消失してしまうといった問題も指摘されています。
DeFiとても利便性が高い取引方法ではあるものの、リスクも大きく、取引に慣れていない方にとっては扱いづらい取引方法です。
利用の際は適切なリスクの範囲内で慎重に取引を行うことをおすすめします。
Wrapped Bitcoinの価格動向
Wrapped Bitcoinの価格はBitcoinに連動するため、トークンそのものの価格変動はありません。
したがってWrapped Bitcoinの価格動向を確認するにはBTCを見るとよいでしょう。
BTCの価格動向
さて、BTCの価格動向は2023年に入ってから上昇一辺倒となっています。3月には一時的な下落を見せたものの、4月には高値を更新。7月には年初来最高値を記録しました。
2023年前半の最安値から考えれば、ピーク時には200%以上値上がりしていることが分かり、今年のここまでのBTCの価格動向は非常に堅調です。
しかし、好調だったBTCも高騰が一服すると8月後半にかけて下落トレンドへと転調。ここから再び上昇していくかどうかが疑問です。
仮にここから下の水準へ下落するとなると、4月の上旬から6月下旬まで続いた25,000ドル~30,000ドルのもみ合いのレンジへ再突入することとなり、方向感の値い値動きになりそうな気配です。
再び30,000ドルオーバーの高値を狙いに行くのか冬にかけて注目のBTCですね。
Wrapped Bitcoinの将来性
Wrapped Bitcoinの将来性はDeFiにかかっているといっても過言ではありません。EthereumのブロックチェーンでBitcoinをトレードするために生まれたWrapped Bitcoinは、DeFiが採用されている仮想通貨取引所“DEX”が利用されなければ意味がありません。
いくらBitcoinの拡張性が高まったところでBitcoin自体の取引が増えなければWrapped Bitcoinはそのポテンシャルを十分に発揮できないでしょう。今後のDeFiの普及がWrapped Bitcoinの将来を決定します。
DEXの利用割合は?
DEXは中央管理者が不在のため、残念ながら正確な利用者数を知るすべはありません。しかし、代表的なDEXである“uniswap”や“PancakeSWAP”の時価総額が2023年にはどちらも1億ドルを超えていることから、その注目度は年々増しているのは間違いありません。
もちろん、一般ユーザーが当たり前のように利用するレベルとまではいきませんが、NFTを取引する人や、ブロックチェーンゲームをプレイする方ならほぼ100%のユーザーがDEXを利用しているといってもいいでしょう。
近い将来、DEXの普及は実際活にも影響を及ぼす可能性は十分にあり、そういった観点ではWrapped Bitcoinの将来性にも期待できるかもしれません。
【まとめ】Wrapped BitcoinはBitcoinの拡張性を高める仮想通貨
Bitcoinの価値に連動するステーブルコインとして登場したWrapped Bitcoin。
ERC-20トークンで作成することにより、疑似的にBitcoinをEthereumチェーンで取引できるこのトークンはBitcoinの価値を大きく引き上げる起爆剤になるポテンシャルを持っています。
今後Bitcoinの値上がりやDEXの普及により知名度が増す可能性のあるWrapped Bitcoinは将来性も期待大。
価格変動はBTCに連動するのでトークン自体に投資価値はありませんがBTCのホルダーなら持っていて損はないのではないでしょうか。
仮想通貨を買うならbitcastle
残念ながら現時点ではWrapped Bitcoinは国内取引所では取り扱っておらず、メジャーな仮想通貨を購入して、DEXからWrapped Bitcoinを入手する方法が一般的です。
その時にメジャーな仮想通貨の購入先でおすすめなのがbitcastle。
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執筆者 西村大樹