【FX】押し目買いと戻り売りの戦略:初心者向けに詳細を解説

FXトレードにおいて、「押し目買い」と「戻り売り」はトレンドフォロー型の代表的な戦略です。どちらも価格の動きを予測し、トレンドに沿ってエントリーする手法ですが、それぞれ独自の特性と利点、そしてリスクを持っています。

この記事では、押し目買いと戻り売りのメリット・デメリットをより詳細に解説し、それらをいつどのように活用するべきか、またどのようにリスクを管理すれば良いかについても掘り下げて説明していきます。

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押し目買いとは?

押し目買いは、上昇トレンド中の一時的な価格の調整(押し目)を利用して、相対的に安い価格で買いポジションを持つことを狙う戦略です。

矢印のところが押し目

市場は常にまっすぐに価格が上がり続けるわけではなく、上昇トレンドの途中でも価格は小さな波を描きながら推移します。この一時的な下落を「押し目」と呼び、そのタイミングを捉えてエントリーするのが押し目買いの基本的な考え方です。

例えば、EUR/USDの通貨ペアが上昇トレンドにあるとしましょう。価格が過去数週間にわたって一貫して上昇しているものの、ある時点で一時的に下がった場合、トレーダーは「これは押し目だ」と判断し、再び上昇を見込んでエントリーすることが考えられます。

押し目買いのメリット

押し目買いにはいくつかの大きなメリットがあります。詳しく見ていきましょう。

メリット1. トレンドに乗りやすい

押し目買いは、上昇トレンドの勢いに乗ってエントリーする戦略であるため、トレンドが続く限り、相場の流れに逆らわずに利益を狙うことが可能です。

特に、強い上昇トレンドが発生している場合、押し目でのエントリーは非常に効果的です。なぜなら、トレンドが維持される間は価格が再度上昇し続けるため、長期的に利益を確保する可能性が高いからです。

具体例

例えば、2020年のパンデミック後、米ドルが長期間にわたり弱含みだったとします。これに対して、欧州通貨(EUR)や日本円(JPY)は強含みだった場合、EUR/USDやUSD/JPYは大きな上昇トレンドを描いていたと考えられます。こうした局面での押し目は、非常に魅力的な買いタイミングとなることが多いのです。

メリット2. 安値でのエントリーが可能

押し目買いの大きな魅力の一つは、相対的に安値でのエントリーが可能になることです。強い上昇トレンドが続いている場合、価格が一時的に下落したタイミングでポジションを取ることで、

より低いコストで市場に参加でき、上昇が続くと期待される相場で利益を最大化するチャンスが生まれます。

これは、トレーダーにとって心理的にも有利に働きます。安値で買うことはトレーダーに「割安で良いものを買った」という感覚を与え、ポジションを持つことに対する安心感を強化します。

また、プラス利益に転じるスピードも早いため、含み損を抱えるリスクも小さくて済む側面もあります。

メリット3. 精神的安定感が得られやすい

押し目買いのもう一つの利点は、上昇トレンドの中で一時的な下落に対処しているため、相場全体がポジティブな流れを持っているという安心感を感じやすいことです。

上昇トレンド中に価格が下がるのは一時的な調整である可能性が高く、最終的には価格が再び上昇する期待が持てます。この「上昇トレンドに沿ったエントリー」という心理的な安心感は、初心者にとって特に重要です。

押し目買いのデメリット

押し目買いには魅力的な要素が多い一方で、いくつかのリスクや難点も存在します。これらを理解することは、押し目買い戦略を適切に使いこなすために重要です。

デメリット1. 押し目の見極めが困難

押し目買いの最大の難しさは、どこが「押し目」であるのかを正確に見極めることです。一時的な下落だと思ってエントリーしたものの、それが実際にはトレンドの転換点であり、価格がさらに下落し続ける場合もあります。

例えば、価格が急落し始めると、それが押し目なのか、それともトレンド全体の転換なのかを見極めるのは非常に難しいです。誤って早めにエントリーしてしまうと、その後さらに価格が下落し、損失を抱えるリスクがあります。

デメリット2. トレンドの転換リスク

上昇トレンドが永遠に続くことはありません。市場は常に変動しており、トレンドの転換が発生する可能性は常に存在します。

押し目と判断してエントリーした後に、実際には上昇トレンドが終わり、価格が急落してしまうリスクが常にあります。このため、押し目買いを行う際は、トレンド転換の兆候や他のテクニカル指標を慎重に観察することが不可欠です。

デメリット3. ボラティリティの影響

市場のボラティリティが高いと、押し目の捉え方が難しくなります。価格が急激に動く状況では、一時的な下落がそのまま大きなトレンド変動に繋がる可能性があり、リスクが増大します。

特に、経済指標発表や政治的なイベントによって市場が大きく揺れ動く場面では、押し目を捉えるのが困難になることが多く、思わぬ損失を被ることがあります。

戻り売りとは

戻り売りは、下降トレンド中に一時的な価格の上昇(戻り)を捉えて売りポジションを持つ戦略です。

矢印のところが戻り目

価格が下落基調にあるときでも、すべての価格変動が一方向に進むわけではありません。短期的な反発で価格が一時的に上昇することがありますが、これが「戻り」です。トレーダーは、この戻りが終了したタイミングで売りを仕掛けることで、再び下降トレンドに乗ることを目指します。

戻り売りのメリット

戻り売りにも独自の利点があります。以下にその具体的なメリットを挙げてみましょう。

メリット1.トレンドの勢いを活かしやすい

下降トレンドが続いている場合、価格は下落方向へ進む勢いを持っているため、戻りを狙った売りエントリーはそのトレンドに乗る形となり、成功しやすくなります。

特に、経済の不透明感が強い時期やリスクオフのムードが市場全体を支配している場合、売りの勢いは強くなりやすいため、戻り売り戦略は有効です。

具体例

例えば、ある国の経済指標が悪化し、通貨が下落している場合、その国の中央銀行の政策や国際的な経済環境が悪化の長期化を示唆していると、市場全体が売り傾向になります。こうしたときの一時的な反発(戻り)は、再び下落するチャンスを提供してくれます。

メリット2.高値でエントリーできる

戻り売りは、価格が一時的に上昇した後にエントリーするため、相対的に高値で売りポジションを持つことができます。これは、価格がその後下落する場合、より大きな利益を得ることができるという意味です。下降トレンドに乗りつつも、戻りによる一時的な高値をうまく捉えれば、利益の最大化が狙えます。

戻り売りは下降トレンドに沿って利益を狙う効果的な戦略ですが、いくつかのデメリットも存在します。これらのデメリットを理解することで、戻り売りのリスクを最小限に抑えつつ、より賢明なトレードができるようになります。以下に戻り売りのデメリットを詳しく説明します。

戻り売りのデメリット

デメリット1. 戻りのタイミングを見極めるのが難しい

戻り売りの最大の課題は、戻りがいつ終わるのかを正確に判断するのが非常に難しいことです。価格が一時的に上昇している場面でエントリーするわけですが、その上昇が「一時的」であるかどうかを見極めるのは容易ではありません。もし戻りが続き、さらなる価格上昇が発生した場合、売りエントリーしたポジションが損失を出してしまう可能性があります。

具体例

例えば、USD/JPYが下降トレンドにあると仮定します。一時的に円が弱含み、価格が上昇したときに「これが戻りだ」と判断して売りを仕掛けた場合、実際にはさらなる円安が続き、結果的に損失を抱える可能性があります。こうしたケースでは、売りを仕掛けるタイミングが早すぎたことが原因となります。

デメリット2. トレンドの転換リスク

下降トレンドがずっと続くわけではなく、必ずどこかでトレンドの転換が発生します。このため、戻り売りを行う際に、実際にはその戻りが単なる一時的な上昇ではなく、トレンド全体の転換点である場合もあります。トレンドの転換を見逃して戻り売りをしてしまうと、大きな損失に繋がる可能性があります。

例えば、経済指標の改善や政策変更が発表された場合、それまでの下降トレンドが急激に反転して上昇トレンドに転じることがあります。戻り売りをしているトレーダーは、このような急激な変化に対応できず、逆行する相場の中で損失を出すリスクが高まります。

デメリット3. 強い反発が続くと損失拡大のリスク

戻り売りを仕掛けた後、思った以上に反発が続くと、損失が大きくなってしまうことがあります。特に、強いニュースやファンダメンタル要因が市場に影響を与えた場合、一時的な反発が予想外に長引き、売りポジションを持っているトレーダーは損失を抱えたまま、耐えるか損切りするかの判断に迫られることになります。

市場は多くの要因によって動かされますが、例えば中央銀行の政策変更、貿易政策の発表、地政学的リスクの緩和など、ポジティブな材料が突然出てきた場合、市場は一気に反発し、それが一時的な戻りではなく、数日間にわたる上昇トレンドを形成することがあります。こうしたシナリオにおいては、戻り売りのエントリーは大きなリスクとなります。

押し目買いと戻り売り、どちらが勝ちやすいのか?

反対の特徴を持つ押し目買いと戻り売りのどちらが勝ちやすいかは、基本的に市場の環境に依存します。

ここからはそれぞれの手法が機能しやすい相場環境を紹介します。

市場のトレンド強度

トレンドが強ければ強いほど、押し目買いや戻り売りの戦略が有効になります。強いトレンドでは、押し目買いも戻り売りも、そのトレンドに乗るための良いタイミングを提供します。

特に、明確な方向感を持つ市場では、トレンドに逆らわず、トレンドに沿ったエントリーが勝率を高めます。逆に、レンジ相場やトレンドが弱い相場では、トレンドフォロー戦略が効果を発揮しにくく、負けやすくなります。

タイミングとリスク管理

どちらの戦略でも、エントリーのタイミングが鍵となります。押し目買いの場合、価格がどこで下げ止まるかを的確に見極める必要がありますし、戻り売りの場合はどこで上昇が止まるかがポイントです。適切な損切りラインを設定し、リスクを管理することが重要です。例えば、押し目買いでは、予想以上に価格が下がった場合に備え、近くに損切りポイントを設けておくとよいでしょう。

ボラティリティ

市場のボラティリティが高い場合、押し目買いと戻り売りはリスクが高まります。急激な動きがあると、押し目と考えた価格がさらに下がり続けることや、戻りが思ったよりも長く続く可能性があるため、リスク管理が重要です。ボラティリティが低い場合は、押し目買いや戻り売りの際に価格が思った方向に動かないことが多くなり、利益を得る機会が少なくなります。

【まとめ】押し目買いと戻り売りの勝ちやすさは相場状況によって変化する

押し目買いと戻り売りのどちらが勝ちやすいかは、市場の状況、トレンドの強度、ボラティリティ、トレーダーのスキルレベルなどに大きく左右されます。

どちらの戦略を選ぶべきか悩んだ場合は次のパターンを参考にするといいでしょう。

  • トレンドが強いとき:トレンドフォロー戦略を採用するならば、押し目買いや戻り売りは非常に有効です。上昇トレンド中なら押し目買い、下降トレンド中なら戻り売りが基本戦略となります。

  • 相場がレンジの場合:市場が明確な方向感を持たず、レンジ相場のときは押し目買いや戻り売りはあまり有効ではありません。この場合、レンジ相場に特化した逆張り戦略やブレイクアウト戦略のほうが効果的です。

  • 初心者の場合:初心者は、トレンドが明確に出ている相場で押し目買いや戻り売りを試すのが良いです。トレンドの強さや方向を見極めやすいため、比較的簡単に戦略を理解し、実行できるからです。

強いトレンドが続く相場では、どちらも有効な戦略ですが、エントリーのタイミングやリスク管理が重要です。最終的には、自身のトレードスタイルや市場の状況に合わせて、押し目買いと戻り売りのどちらを採用するかを判断することが成功のカギとなります。

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執筆者 西村大樹