FX指標カレンダー【11月第1週】経済指標・発言とトレード戦略

本記事では、11月第1週に予定されている経済指標や要人発言に注目し、トレーダーが市場動向を正しく読み取るための手助けを提供します。

具体的には、経済指標の発表や重要人物の発言が、為替市場にどのような影響を与えるのか解説していきます。

※ただし、米政府閉鎖の状況により、一部指標の発表が延期される可能性があります。

11月第1週の全体像と戦略視点

11月第1週は、米国の雇用関連データが集中する“労働市場ウィーク”となります。

まず、週の前半にはISM製造業やJOLTS（雇用動態調査）など景気・雇用の先行指標が続き、 週後半にはADP雇用統計・米雇用統計（NFP）と、FRBの金融政策判断に直結する重要イベントが控えています。

加えて、日銀議事要旨やBOE（英中銀）政策金利発表など、主要中銀の発言も交錯し、 為替市場は「金利観測」「労働市場の強弱」「リスク選好の揺れ」が複雑に絡み合う展開になりそうです。

そのため、戦略としては、週初のISM・JOLTSで景気の方向感を確認しつつ、 週後半の雇用発表に備えてポジションを整理するのが現実的です。

【FX週間カレンダー】主要イベントと経済指標一覧

日付	時間	主なイベント内容	前回	予想	結果	注目度
11月3日（月）	–	🇯🇵日本市場休場（文化の日）	－	－	－	－
	24:00	🇺🇸ISM製造業景況指数	49.1	49.0	－	★★★★
11月4日（火）	24:00	🇺🇸JOLTS雇用動態調査（求人件数）	722.7万件	－	－	★★★★
		🇺🇸製造業新規受注 前月比	－	－	－	★★★
11月5日（水）	08:50	🇯🇵日銀議事要旨（9月会合分）	－	－	－	★★★
	22:15	🇺🇸ADP雇用統計（民間雇用者数）	-3.2万人	－	－	★★★★
	24:00	🇺🇸ISM非製造業景況指数	50.0	50.7	－	★★★★
11月6日（木）	21:00	🇬🇧BOE政策金利発表	4.00%	－	－	★★★★
	22:30	🇺🇸新規失業保険申請件数	－	－	－	★★★
11月7日（金）	22:30	🇨🇦カナダ雇用統計（雇用者数増減）	+6.04万人	－	－	★★★★
	22:30	🇺🇸米雇用統計（非農業部門雇用者数）	－	－	－	★★★★★
	22:30	🇺🇸失業率	－	－	－	★★★★★
	22:30	🇺🇸平均時給 前月比	－	－	－	★★★★

【FX指標｜11月3日（月）】 日本市場休場／米ISM製造業景況指数

週明けは日本が休場でアジア時間の流動性が低下する一方、米国ではISM製造業景況指数が発表されます。

50を下回る弱い結果となれば、景気減速懸念からドル売りが進みやすいですが、50を超える堅調な結果なら米経済の底堅さを再確認する形となり、ドル買い要因になりえます。

そのため、米金利動向を見極めつつ、欧米時間の値動きに注目です。

【FX指標｜11月4日（火）】 米JOLTS雇用動態調査／製造業新規受注

つづいて4日火曜日は労働需給を測るJOLTS雇用動態調査が焦点です。

求人件数が高止まりしていれば、労働市場の強さが意識され、FRBの利下げ観測が後退する可能性がありますが、一方で、求人が減少傾向を示せば、賃金上昇圧力の緩和を示唆し、ドル売り方向に働きやすいです。

加えて、製造業新規受注も発表され、企業投資の動向を把握する手がかりになります。

【FX指標｜11月5日（水）】 日銀議事要旨／ADP雇用統計／ISM非製造業景況指数

週の中盤は注目イベントが集中。

日銀議事要旨では、金融政策正常化に向けたスタンスが示されるかが焦点。

米国ではADP雇用統計とISM非製造業景況指数が同日に発表され、 これらが米雇用統計の“前哨戦”として強い注目を集めます。

特に、ADPが予想を上回ればドル買い、弱ければ12月会合での利下げの後押し要因になります。

【FX指標｜11月6日（木）】 BOE政策金利／失業保険申請件数

木曜は英中銀（BOE）の政策金利発表が焦点です。

高インフレが続く中で利下げに慎重な姿勢を維持すればポンド買い、 一方、ハト派的なコメントが出ればポンド売りにつながる展開が予想されます。

また、米国では週間新規失業保険申請件数が発表され、 雇用情勢の短期的なトレンドを確認する指標として注目されます。

【FX指標｜11月7日（金）】 カナダ・米雇用統計

週末は最大のイベント「米雇用統計」が発表され、結果によっては市場の流れは大きく変わります。

特に、非農業部門雇用者数が予想を上回れば、FRBの利下げ観測が後退しドル買いが優勢に。

一方、失業率が上昇したり、平均時給が鈍化すればドル売りへ反応しやすいです。

同時に発表されるカナダ雇用統計も注目で、結果次第ではドルカナダ（USD/CAD）のボラティリティが高まる可能性があります。

加えて、週末要因によるポジション整理も重なり、発表直後は荒い値動きに注意が必要です。

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執筆者　西村大樹