2025年11月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は88.7と大きく低下し、消費者・家計心理の弱さが鮮明になりました。

現況・先行きともに悪化し、市場予想を大きく下回る“下振れ”となったことで、米景気の先行きや個人消費への不安が強まっています。

本記事では、指数の中身と注目すべきポイントを整理し、為替市場がどのように反応したのかをわかりやすく解説します。

消費者信頼感指数の結果

2025年11月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は88.7と、前月の改定値95.5から 6.8ポイント低下しました。

市場予想（ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想93.2）を大きく下回り、4月以来の低水準に沈みました。

消費者の景況感は明確に弱まり、家計心理の悪化が一段と鮮明になった形です。

消費者信頼感指数の中身

今回の下落は、現況・先行きの両面で弱さが広がったことが背景です。

• 現況指数：126.9
  
  → 過去1年以上で最も低い水準に近づき、雇用環境や家計の現状評価が悪化。

• 期待指数：63.2
  
  → 6か月先の景気・雇用・所得見通しのほぼ全項目が悲観方向へ。
  
  「景気が悪化する」と見込む回答が大きく増加。

調査回答では、

• 物価高（インフレ）による生活コスト負担

• 労働市場の鈍化感

• 政府閉鎖や政治的不透明感

といった背景要因が心理悪化を強めたとされています。

消費者信頼感指数のポイント

今回の指標で特に注目すべき点は次の3つです。

① 消費者マインドが大きく冷え込んだ

消費者信頼感指数の急低下は、家計の慎重姿勢が強まっているシグナルです。

小売・耐久消費財・住宅など、“消費関連セクター”の先行きに警戒感が出やすい状況です。

② 大型支出の意欲が落ちている

期待指数が低水準に沈んだことで、自動車・住宅・大型耐久財といった 高額支出の先送り が起きやすくなります。

③ 景気の先行き不透明感が強まった

雇用や所得の改善期待が後退し、家計が将来に自信を持ちにくい状況。

結果として、個人消費の鈍化リスクが意識されやすい内容でした。

消費者信頼感指数の為替市場の反応

消費者信頼感指数が大きく下振れしたことで、市場では「米景気の減速感が強まった」との見方が急速に広がりました。

また、25日に発表されたADP雇用統計や小売売上高、生産者物価指数（PPI）などが市場予想を下回ったこともあり、

• 利下げ観測が一段と強まり

• 米長期金利は低下

• ドル売り・円買いが優勢に

という流れが表れました。

金利低下に敏感に反応したドル円は下押しし、為替市場では 「弱い景気指標 → 利下げ期待 → 金利低下 → ドル安」 の展開となりました。

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執筆者　西村大樹