FX指標カレンダー【12月第1週】経済指標・発言とトレード戦略

本記事では、12月第1週に予定されている経済指標や要人発言に注目し、トレーダーが市場動向を正しく読み取るための手助けを提供します。

具体的には、経済指標の発表や重要人物の発言が、為替市場にどのような影響を与えるのか解説していきます。

12月第1週の全体像と戦略視点

12月第1週は、米国のISM・ADP・PCEといった主要指標が集中する“イベント密集週”となり、さらに翌週のFOMCに向けて市場のポジション調整が進む重要な局面です。

月初のISM製造業から始まり、EUの物価指標、米ADP、ISM非製造業、PCEデフレーターと、景気・インフレ・雇用の三方向を同時に確認できるため、FRBの12月・1月利下げ観測がどこまで進むかが最大の焦点になります。

そのため、戦略としては、週前半は日本・欧州のイベントを確認しつつ、ADPとPCEを中心に“利下げ路線継続かどうか”を見極め、ドルのトレンドを狙う形が有効です。

特にPCEはFRBが最も重視する指標であり、予想を下回ればドル売り・株高、逆に強い場合は利下げ後退でドル買いが優勢になる可能性があります。

【FX週間カレンダー】主要イベントと経済指標・発言一覧

【FX指標｜12月1日（月）】 植田日銀総裁発言／ISM製造業景況指数

まず、週明けは植田総裁の発言が焦点で、賃金と物価の好循環に言及するかどうかで、円買い・円売りの方向性が分かれます。

米国ではISM製造業景況指数が発表され、景況感が50を下回れば景気鈍化懸念からドル売り、逆に改善が見られればドル買いの反応が出やすくなります。

【FX指標｜12月2日（火）】 EU消費者物価指数

次に、火曜日はユーロ圏の消費者物価指数が発表されます。

インフレ鈍化が続けばECBの利下げ観測が強まりユーロ売り、逆に上振れれば利下げ後退でユーロ買いの動きが強まる可能性があります。

また、米国勢が翌日のADPに向けて様子見する場面も想定され、流れはユーロ主導となりやすい日です。

【FX指標｜12月3日（水）】 ADP雇用統計／ISM非製造業景況指数

そして、週の中盤は米国の重要指標が集中します。

まず、ADPは、雇用統計（次回：12/16）の前哨戦として強い注目を集め、予想を上回ればドル買い、弱ければ利下げ観測を背景にドル売りにつながります。

また、ISM非製造業も米経済の7割を占めるため、景況感の変化がドル全体の流れを左右する可能性があります。

【FX指標｜12月4日（木）】 新規失業保険申請

木曜日に発表される「新規失業保険申請件数」は、週間ベースで、雇用のトレンドを確認する短期指標。

申請件数が増加すれば労働市場の減速懸念が強まりドル売り、逆に減少すれば雇用の強さを意識したドル買いにつながりやすいです。

また、次の日にPCEデフレーターの発表もあり、ポジション調整による一時的な振れにも注意が必要です。

【FX指標｜12月5日（金）】 PCEデフレーター／ミシガン大学消費者態度指数速報値

週末は注目度が高い“PCEデフレーター”が発表されます。

FRBが物価判断で最重視する指標のため、想定以上にインフレが鈍化すればドル売り・株高、逆に粘着性が確認されればドル買いが優勢に。

あわせてミシガン大学消費者態度指数速報値が発表され、インフレ期待の動向がドルの追加材料となります。

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執筆者　西村大樹