ICOの知名度だけじゃない? Telegramが成功した理由

仮想通貨業界においてSNSは欠かせないツールとなっています。投資家にとって情報収集として有用であり、仮想通貨の発光体や運営体も情報発信の方法として最大限に利用しています。

発行体だけではなく創業者個人もSNSを活用していることが多く、複数のSNSを使い分けることも珍しくありません。

仮想通貨業界で知られたSNSとしてTelegramがあります。日本ではTwitterやFacebookほどの知名度はないものの、仮想通貨業界に限っては利用者も少なくありません。今回はTelegramについて紹介します。

Telegramとは

Telegramは、2013年に生まれたSNSです。

開発元であるTelegram Messengerは非営利企業であり、Telegram自体も無料で使うことができます。広告が存在しないことも、他のSNSと比較して大きなメリットといえるでしょう。

仮想通貨業界でTelegramが支持されている理由のひとつは利用者の数です。既にそれなりの時価総額を誇る仮想通貨の銘柄だけではなく、新しくICOを行う銘柄の情報までTelegram上に存在することが多いです。

情報に影響されやすい仮想通貨の相場において、情報の鮮度と正確さの価値は計り知れません。まだ相場が存在しないICO新規銘柄であっても、早期ボーナスの関係から情報をより早く仕入れていると大きな恩恵を受けられます。

Telegramのairdrop

仮想通貨の業界には無料でコインを配布するairdropというイベントがしばしば行われています。

一番有名なのは、ハードフォークによる分裂で新しく誕生した銘柄のairdropでしょう。ビットコインから分裂して生まれたビットコインキャッシュがairdropの行われた代表例です。

なお無料配布といっても、無条件で配布しているわけではありません。ビットコインキャッシュの場合は分裂前にビットコインを所有しておくことが条件でした。ハードフォークによる分裂でのairdropでは、分裂前に分裂元となる銘柄を所有していることが条件となっていることが多いです。

この他にもairdropには種類があり、特定のサイトに登録することが条件となっていることもあります。特によく見られる条件は、Telegram上で開発元が作ったコミュニティへの参加です。ボラティリティが大きいという理由から仮想通貨を避けている人もいるかもしれません。しかし無料で貰えるのであれば損になることはありません。積極的に仮想通貨に投資していなくともairdropのためだけに、Telegramに会員登録しておくのも有効な手段になるかもしれません。

Telegramが禁止されている可能性もある

国によっては特定のSNSを禁止、制限している場合もあります。
世界的にも知名度があるFacebookでも中国ではブロックされています。仮想通貨の中では中国の介入を避けるためにFacebookへの会員登録が条件となっている銘柄も存在しているほどです。なお中国ではFacebookだけではなく、Google・Twitter・Skypeなど数多くのサイト、SNSが制限されています。

2018年4月段階で明確にTelegramを禁止している国はありません。しかしロシアの地方裁判所ではTelegramを禁止にする判決が下されました。まだ上訴の可能性があるため正確に禁止されているわけではありませんが今後禁止になる可能性はあります。

なおロシア当局によるアクセス制限は既に始まっており、Bleeping Computerによると1,600万件ものIPアドレスがブロックされているようです。ロシア以外にはイランが、Telegramを禁止するという噂もありました。ですが2018年4月にイラン大統領Hassan Rouhani氏はTelegramを禁止する予定はないと明言しています。

執筆者 西村大樹