シールドとは
仮想通貨シールドは少し変わった経緯で出来上がった仮想通貨です。2017年に元々は別の仮想通貨であったバージコインのソースコードを一部利用して誕生した仮想通貨がシールドとなります。
元々のバージコインは匿名性も高く、取引速度も早いということで好評の仮想通貨でした。シールドはそこをうまく引き継いで作られたコインとも言えるでしょう。
バージコインは今も市場にあります。バージコインの価格変動に釣られてシールドの価格も変動する傾向があり、2017年の12月にバージコインが高騰した際はシールドの価格も少しだけ高騰しました。
シールドという仮想通貨を表すのは「プライバシー」「耐量子性」「省電力性」の3つがキーワードとなります。
プライバシーに関しては、現在の仮想通貨市場において、匿名性を強固にしてユーザーを危険から守るという仮想通貨も増えてきていますが、そのどれもが不完全なものが多く、スケーラビリティ問題や現実性に欠けていることからその問題を解決するためにシールドは開発しています。
耐量子性に関しては、量子コンピュータへの対策を行っていかなければいけないということです。
現状だと、量子コンピュータによるクラッキングを受けるとブロックチェーンが破壊されてしまいます。つまりは仮想通貨の取引を行っていく上での危険性についての対策です。
仮想通貨の改ざんなどの問題は今後も起きてくる可能性は十分あるでしょう。
そういった問題をどのように回避していくかという問題も重要です。
省電力に関してはコンセンサスアルゴリズムに関連してきます。大抵の仮想通貨で利用されているPoWというコンセンサスアルゴリズムは計算リソースをフル稼働させて膨大な電力を活用させるため、多くの電力と電気代を利用することになります。
これらの問題は一つ一つを個別に解決しようとする仮想通貨はありますが、全ての問題をまとめて解決しようとする仮想通貨はありません。
しかし、シールドはまとめて解決する技術が導入されています。
まず、量子コンピュータによる取引データの改ざんを防ぐための「耐量子性アルゴリズム」です。シールドは「ランポート署名」「ウィンターニッツ署名」「ブリス署名」という少し変わった署名方法を利用するようにしています。
次に匿名性についてですが、匿名性の強い仮想通貨であるダッシュが利用している「プライベートセンド」という技術を利用しています。
プライベートセンドは複数の送金依頼があった際に、その複数送金依頼を一つのプールに入れてまとめてから、送金のアクションを行うことで誰が誰に対して送ったのかわからなくなるというシステムです。
この技術によって第三者が誰から誰に送金されたのかは分からないということになります。
最後に電力の問題に関しては「PoS Boo」というコンセンサスアルゴリズムを利用することで改善が可能です。
シールドのコンセンサスアルゴリズムはPoSを利用しており、コインの所持数に応じてマイニングを行う人が決まってきます。このPoSという技術をシールドが独自のPoSアルゴリズムに開発中となっており、これをSHIELD BOOと呼んでいます。
この技術によって、シールドは省電力を行うことが可能となっています。
シールドは仮想通貨の問題を解決する仮想通貨
仮想通貨の技術はまだまだ未完成のものが多くなっており、課題もたくさんあります。これらの課題を埋めていくことが仮想通貨業界のこれからの問題とも言えるでしょう。
いかにして、これらの問題を解決するのかという点で困っている仮想通貨業界の人も多いですが、シールドはそんな問題解決に大きな影響を与えています。
シールドは今後もアップデートなどもありますが、これから先の仮想通貨の問題を解決するような存在となっていくことが期待されています。今後の価格や情報にも注目が必要でしょう。
執筆者 西村大樹