国内仮想通貨取引、最大レバレッジ4倍へ引き下げ -仮想通貨交換業協会が自主規制へ

日本仮想通貨交換業界(JVCEA)は24日、仮想通貨取引における最大レバレッジの上限を4倍で調整することを発表しました。

現在の国内取引所での最大レバレッジはBITPointとQUOINEXの25倍ですが、4倍に設定されると大幅な引き下げとなります。また、外国為替証拠金取引(FX)での国内最大レバレッジが25倍と設定されていることを踏まえると、かなり低い水準といえます。

今回のレバレッジ引き下げの目的は「投資家の保護」で、仮想通貨によって投資家が大きな損失を被らないようにするためとされています。仮想通貨の特徴でもある「価格の大きなボラティリティ」と高いレバレッジを組み合わせた取引が目的という投資家が多い現状で、今回のレバレッジ引き下げは投資家の間でも反発の声が大きいようです。

4倍へ引き下げられた場合、仮想通貨の市場はどう変化していくのでしょうか。
現在の最大レバレッジよりも大幅に下がるので、市場にとって好材料とは言えないですし、国内の多くの投資家が海外の仮想通貨取引所を使うようになったり、仮想通貨業界から離れたりする可能性もあります。しかし、国として仮想通貨を受け入れ、整備していくという面ではポジティブにとらえることもできます。

JVCEAはレバレッジ引き下げ以外にも、投資家保護のために同時に自主規制を検討しています。

  • 証拠金倍率を独自に設定した交換業者は、顧客が担保として預けた金額を上回る損失が生じた場合、協会に報告するよう義務付ける
  • システムの安全対策や広告、インサイダー取引などに関するルールも定める

これらの内容をまとめ、改めて金融庁に対し改正資金決済法に基づく自主規制団体としての認可を申請する予定だとしています。
取引所が独自に倍率を独自に設定できる経過措置を講じる点では、ユーザー離れを引き留めることもできそうです。しかし1年以内に上限4倍への一本化を目指すということなので、最終的には多くのユーザー離れが進む可能性があります。

海外の取引所と比べ日本の取引所は、取り扱い通貨や手数料の安さでかなり劣っています。レバレッジに関しては、最大手取引所Bitmexだと最大100倍に設定されています。ここから国内取引所が一律4倍に引き下げになると、ほとんどの面で海外の取引所には太刀打ちできない状況になります。

今回のレバレッジ規制もですが、規制により日本の仮想通貨業界の盛り上がりが沈んでしまわないように日本政府、仮想通貨業界に良い対策をとってほしいところです。

執筆者 西村大樹