「IOTA(MIOTA)ってどんな仮想通貨なの?」
「IOTA(MIOTA)に将来性はある?」
独自の分散型台帳を採用しているIOTA(MIOTA)は、他の仮想通貨プロジェクトにはない強みを持った個性的な仮想通貨です。
今回は、IOTA(MIOTA)の将来性を踏まえながら、特徴や価格の推移、今後の動向などを解説します。また、IOTA(MIOTA)を購入する方法も解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。
目次
IOTA(MIOTA)とは
IOTA(MIOTA)は、IoT分野での活用を目的として開発された仮想通貨プロジェクトです。
IOTA(MIOTA)は4名のエンジニアによる共同開発プロジェクトとしてスタートし、仮想通貨を取り扱う非営利団体としてドイツで登録がなされました。ドイツにおいて仮想通貨プロジェクトを非営利団体として登録を認めたのは今回が初めての例となり、世界から注目を浴びることとなります。
IOTA(MIOTA)の開発に携わったエンジニアは、
- デイビッド・サンステボ(David Sonstebo)氏
- セルゲイ・イバンチェグロ(Sergey Ivancheglo)氏
- ドミニク・シーナー(Dominik Schiener)氏
- セルゲイ・ポポフ(Serguei Popov)氏
の4名ですが、セルゲイ・イバンチェグロ氏は2019年11月に自身が保有するIOTA(MIOTA)をすべて売却し仮想通貨プロジェクトから撤退すると発表しました。現在は3名のエンジニアによって開発が進行されています。
IOTA(MIOTA)の最大供給量は2,779,530,283MIOTAと非常に多く、これは膨大な取引を要するIoT分野で活用されることを見越した設定となっています。
IOTA(MIOTA)の特徴
IoT分野で活用できる仮想通貨プロジェクトには、スピーティーな取引と、低コストな手数料が求められます。
これらの目的を実現するため、IOTA(MIOTA)では「Tangle」という独自の分散型台帳を採用し、取引手数料の無料化・1秒あたり1,000件近くの処理速度に成功しています。
独自の分散型台帳という点から安全性などに懸念の声も上がっていますが、すでに20社を超える企業と提携してプロジェクトが進められていますので、将来性に期待できる仮想通貨と言えるのではないでしょうか。
それでは、IOTA(MIOTA)の特徴を4つに分けて解説していきます。
特徴①仮想通貨Jinn(JINN)が前身
IOTA(MIOTA)は、Jinn(JINN)という仮想通貨プロジェクトからリブランディングした仮想通貨です。
Jinn(JINN)はIoTエコシステムでの活用を目指して2014年から開発が進められ、エネルギー効率を重視したハードウェア開発に用いられていました。2014年9月にICOが実施され、約100,000JINN(当時で約250,000ドル)の販売に成功。
2015年にIOTA(MIOTA)へのリブランド化・トークンの発行が開始され、Jinn(JINN)ホルダーに対しては同価値のIOTA(MIOTA)が交換されました。
特徴②独自の分散型台帳「Tangle」を採用
IOTA(MIOTA)では、IoT分野での活用を目指して、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のようなブロックチェーン技術は使用せず、独自の分散型台帳「Tangle」を採用しています。
分散型台帳Tangleには、
- 取引手数料が無料
- スピーディな取引処理
といった特徴があり、IoT分野で必要とされる膨大なデータ処理を可能にしています。
分散型台帳Tangleでは、トークンを送金する際に他のユーザーの送金リクエストを承認する必要がある、という特殊な仕組みを持っており、自分が送金リクエストを出すより前に提出されている送金リクエストを2つ検証しなければなりません。この仕組みによって、上記のような特徴を実現しているのです。
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など、多くの仮想通貨プロジェクトが採用しているブロックチェーン技術では、取引データが入っているブロックをチェーン状にして繋ぐという仕組みですが、IOTA(MIOTA)が採用している分散型台帳Tangleは、取引データが個別に存在しており、チェーンのようにお互いが繋がることなく、ランダムに繋がっているような網目状態となっています。
▼ブロックチェーンについては下記の記事をご覧ください。
Tangleという言葉そのものの意味として、結び目の一部分を切り取ったというニュアンスがあり、日本語では「もつれ」や「絡まり」といった言葉に訳されます。何となく想像がつきますね。
分散型台帳Tangleにはマイニング報酬を設定しておらず、取引手数料の無料化を優先させています。また、取引量が増えるほど承認に参加するユーザーが増えるため、承認スピードが短くなります。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)で問題となっている手数料の高騰や送金遅延といった心配はなく、まさにIoT分野に特化した仕様になっていることがわかります。
このような高いスケーラビリティを持っていることから、決済手段としても優秀な仮想通貨だと言えるでしょう。
特徴③データ改ざんや不正アクセスに強い
独自の分散型台帳Tangleは高い能力を持ち合わせている反面、従来のブロックチェーン技術を採用していない点から安全性を懸念する声もあります。実績がないですので、ユーザーとしては心配するのも無理ありません。
従来のブロックチェーン技術では、インターネットを通じて取引データがサーバーに集められます。一つのサーバーに集められるため、サーバーが攻撃されないようにセキュリティを高める必要があります。
一方、IOTA(MIOTA)が採用しているTangleの場合、一つのサーバーで取引データを管理せずTangleネットワーク上に分散して存在しているため、一箇所に対して攻撃したとしても全てのデータが盗まれるといった心配がないのです。そして、承認自体も複数のノードで実施されるので、改ざん自体が起こらないようになっています。
このように、従来のブロックチェーン技術に比べて、IOTA(MIOTA)ではデータ改ざんや不正アクセスに強く設計されています。
特徴④20社以上の大企業と提携している
すでにIOTA(MIOTA)の仮想通貨プロジェクトは、自動車メーカーのフォルクスワーゲンやジャガー・ランドローバー、自動車部品・電気工具メーカーのボッシュ、ソフトウェア開発のマイクロソフトや富士通、サムスン電子などをはじめとする20社以上の大企業と提携しており、IoT分野で活躍しています。
国連などの公的機関でも利用されており、今後も続々と活躍の場を広げていくことでしょう。
IOTA(MIOTA)の現在の推移価格
注目ポイント
- 2018年1月からの下落
- 2020年まで続く停滞継続
- 2021年からの上昇
IOTA(MIOTA)は前身のJinn(JINN)プロジェクトからリブランディングし、2015年10月にICOを発表、2017年11月にドイツ初となる仮想通貨プロジェクトの非営利団体登録を果たしました。
価格の推移として注目したいのが、2018年1月からの下落と2020年まで続く停滞継続です。
2018年1月からの下落は、同年1月19日の夜に起こったハッキング被害によるものです。IOTA(MIOTA)のネットワークが直接攻撃されたのではなく、ウォレット作成時に利用される秘密鍵ジェネレーターへのハッキングによるものでした。被害総額は約400万ドルとされています。
その後、価格が持ち直すことがなく2020年まで停滞が継続した原因となっているのが、2020年2月20日に起きたハッキング被害です。今回のハッキング被害もIOTA(MIOTA)ネットワークへの直接攻撃ではなく、IOTA(MIOTA)と提携している決済プロバイダサービス「Moonpay」経由によるもので、被害額はすべてIOTA運営から補填されました。
いずれのハッキング被害もIOTA(MIOTA)そのものではなく、業務提携先に依存していたことによるものです。今後は業務提携先を含め、管理体制がより厳格化していくでしょう。
2021年から価格が上昇した要因としては、9月9日から欧州連合のプロジェクトに採用された点が挙げられます。時を同じくして、仮想通貨業界全体でのDeFiやNFT熱が盛り上がったことも追い風となりました。
▼DeFiやNFTに関してはこちらの記事をご覧ください。
IOTA(MIOTA)の今後と動向
IOTA(MIOTA)は現在水面下で世界中の大企業とプロジェクトが進行しています。実用化が進み、サービスや技術のローンチがあればそのタイミングで価格が上昇するでしょう。特に、農業での発展に力を入れており、提携先の一つである食品メーカーTine社では実用化の可能性が非常に高いとの見解を示しています。
今後の課題としては、安全性への取り組みや、効率性の向上にどう取り組むかという点が挙げられます。
IOTA(MIOTA)の購入方法
IOTA(MIOTA)は日本の仮想通貨取引所ではまだ上場しておらず、海外の仮想通貨取引所のみの取り扱いとなっています。
IOTA(MIOTA)を購入できる取引所例
- Binance
- Bitfinex
- OKEX
- Bittrex
- Huobi Global
- HitBTC
まだIOTA(MIOTA)購入資金としての仮想通貨を準備していない場合は、日本国内の仮想通貨取引所で仮想通貨を購入し、上記の取引所に送金して購入する流れとなります。
仮想通貨ペアとして安心なのは、第二の米ドルとも呼ばれている基軸通貨テザー(USDT)で、米ドルに紐づいているため価格が乱高下する心配なく価値を保ったまま取引しやすい通貨となっています。取り扱い数の多いビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などもおすすめです。
▼テザー(USDT)に関してはこちらの記事も参考にご覧ください。
はじめて海外の取引所を利用するのであれば、日本語対応・ユーザー数トップクラスのBinanceが比較的使いやすいかと思います。
▼Binanceに関してはこちらの記事も参考にご覧ください。
海外の取引所なら「bitcastle」もオススメ
仮想通貨取引所「bitcastle」は、完全日本語対応の取引所です。
主要通貨ペアの取引手数料0%、バイナリーオプションに対応、ペイアウト倍率が最大2.0倍と利益が出やすい仕組みになっていますので、短期トレードで速く利益をあげていきたい方にピッタリです。
また、大半の仮想通貨をオフラインのコールドウォレットで保管しているので、ハッキングリスクに強いという特徴があります。長期保管しておくのにも適していますね。
現在IOTA(MIOTA)の取り扱いはありませんが、今後上場する可能性はゼロではないですし、今なら最大50$分の仮想通貨がプレゼントされますので、ぜひ試してみてください。
【まとめ】IOTA(MIOTA)は将来性の高い仮想通貨プロジェクト
IOTA(MIOTA)は、独自の分散型台帳Tangleによって「取引手数料が無料・毎秒1,000件の取引スピード・ハッキングリスクに強いセキュリティ」を実現した仮想通貨プロジェクトで、今後はさまざまな業界・企業でのIoT事業実現に向けて実用化が期待されています。
今後は、IOTA(MIOTA)そのものの優れた性能を無駄にせず活かしていけるか、業務提携先を含めたハッキングリスクへの管理体制強化が進むか、といった点が将来性を分けるポイントになるでしょう。
最後になりますが、IOTA(MIOTA)を購入する際に利用する海外仮想通貨取引所は日本の金融庁での登録がありません。リスクも踏まえた上で楽しむようにしてくださいね。
執筆者 西村大樹