バークレイズが仮想通貨プロジェクトを中止?市場に与える影響とは

イギリスのニュースサイト「Financial News」によると、ロンドンのBarclays(バークレイズ)が仮想通貨に関するプロジェクトを中止又は保留状態にしていることが明らかになりました。

バークレイズとは?


バークレイズは、イギリスロンドンに本拠を置く国際金融グループで、今回のような仮想通貨に対する投資の他にもクレジット、モートゲージといった幅広い事業を取り扱う1728年に創業しました。バークレイズの営業圏は実に世界50か国にわたり、48億人の顧客が存在する総資産高世界第二位の巨大銀行です。

バークレイズの仮想通貨への取り組みは?


バークレイズは仮想通貨取引のトレーディングデスクの開設が2018年4月から噂されていました。同社は一貫してこれを否定していましたが、バークレイズのChris Tyrer氏が「デジタル資産プロジェクト」の責任者となっていることが、LinkedInへの投稿の投稿で発表されました。

他にも有力な人物がプロジェクトへの参加が明らかになっていたことから、バークレイズの仮想通貨プロジェクトへの期待が伺えました。

しかし、責任者であるChris Tyrer氏は同行を去り、現在はバークレイズは沈黙を保っており、詳しい状態は報道されていません。

公式の声明は出されていない


「Financial News」によると、この報道は関係者からの証言をもとに作成されているため、現状バークレイズの公式コメントがないことからこの報道が真実であるとは限りません。こうした関係者の証言を元にしたニュースの後に、公式から明確な否定をコメントして出すという事例は何度もありました。

もちろん、値動きには多大な影響を及ぼすことが予想されます。しかし、慌てて処分をすることにより、判断ミスが起きる可能性があります。資産の処分の際には細心の注意を払うことをおすすめします。

仮想通貨に銀行の動きは緩慢


仮想通貨に対し、世界中の銀行の動きはやや緩慢であることは否定できません。今回のバークレイズの動きのように足並みが揃わないことで市場を混乱させる事例はいくつも起きています。

日本では三菱UFJ銀行が積極的に動いている

日本は仮想通貨後進国と言われていますが、日本でもいち早く仮想通貨の可能性に気づき積極的に取り組んでいる銀行があります。それが三菱UFJ銀行です。

三菱UFJ銀行は、2019年には独自の仮想通貨「MUFGコイン」の発行を予定しています。この取り組みは大手銀行で初の試みです。今までの仮想通貨は日本人からすれば、海外の誰だか良くわからないエンジニアの手によって作られたイメージが抜けきりませんが、三菱UFJ銀行は誰でも知っている大銀行です。

その大銀行が発行した仮想通貨となれば、今までの仮想通貨の観念をひっくり返せる可能性があります。仮想通貨と言えば、ボラティリティ(価格変動幅)が高いことで知られていますが、このMUFGコインは1MUFGコイン=1円に近い価格で取引されるように調整されることが報告されています。

投機としての側面が強かった仮想通貨も支払い手段として需要が増えたことで今後受け入れられる可能性は高くなります。

銀行の本格的な参入は成功例が出るかどうか


銀行が足踏みしている理由の一つは仮想通貨に対する対処法を決めあぐねているからです。初の試みは誰もが怖いものですが、それを恐れていては新たな進化はありません。三菱UFJ銀行のように積極的に取り組み成功した先には足踏みしていた銀行も大きく前進を余儀なくされるのではないでしょうか。

今回のニュースはフェイクニュースなのか真実なのか、今後、国際金融のリーダーともいえるバークレイズの動きに注目が集まっています。

執筆者 西村大樹