ファイルコイン(Filecoin/FIL)という次世代のウェブシステムや仮想通貨をご存知でしょうか。
日本ではまだあまり認知度の高くないアルトコインですが、世界では既に50ヶ所にものぼる仮想通貨取引所に上場している注目度の高いものです。
今回はファイルコイン(Filecoin/FIL)の基本情報や今後の将来性など最新情報を大公開致します。
目次
ファイルコイン(Filecoin/FIL)リアルタイムチャート
仮想通貨ファイルコイン(Filecoin/FIL)は分散型ファイル共有システム
ファイルコイン(Filecoin/FIL)はアメリカのコンピュータ科学者であるホアン・ベネット氏(Juan Benet)によって開発されました。
プロジェクトは2014年に開始し、2017年にファイルコイン(Filecoin/FIL)に関する情報が世界に向けて発表されました。以降いつ上場されるのか注目が集まり、2020年10月に本格リリースが開始されたのです。
ファイルコイン(Filecoin/FIL)は「分散型ファイル共有システム」と呼ばれており、画像や動画データをネットワーク上に分散管理する技術のことを指します。そしてその分散型ファイル共有システム内で使われるのがファイルコインという仮想通貨です。
現在の電子データ管理は一般的に特定のクラウドサーバーで行われていますが、分散型ファイル共有システムはあらゆるデータをネットワーク上で分散管理することができます。
分散管理することでデータ改ざんや漏洩などのリスクを減らすことができ、セキュリティの高いネットワークシステムが実現可能です。
日本ではまだあまり馴染みのない仮想通貨ですが、中国ではファイルコイン(Filecoin/FIL)がポルカドット(Polkadot/DOT)と並び二大人気のアルトコインとなっています。
仮想通貨ファイルコイン(Filecoin/FIL)の基本情報
ファイルコイン(Filecoin/FIL)には以下のような4つの特徴があります。
- 次世代ウェブ「Web3.0」を採用
- 世界中の空きストレージを活用
- 多くのマイナーが存在する
- ビットコイン(BTC)を越える可能性がある
それぞれの特徴を解説していきます。
①次世代ウェブ「Web3.0」を採用
ファイルコイン(Filecoin/FIL)は第3世代インターネットと呼ばれる「Web3.0」を実現する次世代のウェブシステムです。中でも画像や動画の保存に特化した分散型クラウドを開発、運用を行っています。
これまでインターネットが誕生し、そのシステムはWeb1.0から2.0まで進化してきました。現在はWeb2.0が使用されています。これらの特徴は以下の通りです。
- Web1.0:特定の企業や団体により管理され、ユーザーは主にインターネットの閲覧だけを行うシステム
- Web2.0:特定の企業や団体により管理され、ユーザーは主にインターネットの閲覧やSNSなどの相互情報交換が可能なシステム
これまでのインターネットでは特定の企業や団体が情報を管理しているため、ユーザーの個人情報が漏えいし売買されてしまうといったセキュリティの問題などが指摘されてきました。
一方Web3.0では情報を企業や団体に管理されることなく権利が分散されます。つまりユーザー自身が個人情報を管理する権利を得る新しい分散型インターネット空間と言えるでしょう。
Web3.0であるファイルコイン(Filecoin/FIL)を活用することで、ユーザーはセキュリティが高いインターネット環境や様々なウェブサービスを受けることが可能となるのです。
現在はWeb2.0から3.0への大きな転換期であり、今後のファイルコイン(Filecoin/FIL)への期待は高まっています。
②世界中の空きストレージを活用
ファイルコイン(Filecoin/FIL)はAWSやGCPなどといったクラウドサービスに代わる「分散型ストレージ」で、世界中の全デバイスの空きストレージを活用している点が特徴です。
世界に存在するデジタルデバイスのストレージは現状約50%が利用されていないアイドル状態であり、そこに目をつけたのがファイルコイン(Filecoin/FIL)でした。
つまりファイルコイン(Filecoin/FIL)は全世界の空きストレージを有効活用するシステムと言えるでしょう。
そのためファイルコイン(Filecoin/FIL)には空いたストレージを供給する「マイナー」と呼ばれる存在を必要としています。
③多くのマイナーが存在する
ファイルコイン(Filecoin/FIL)はマイニングができる仮想通貨であり、既に多くのマイナーが存在するという特徴があります。
ファイルコイン(Filecoin/FIL)には前述したようにストレージの空き容量スペースを利用する仕組みがあり、マイナーたちはストレージの貸し出しを行うことでマイニングを行っているのです。
しかしファイルコイン(Filecoin/FIL)のマイナーになるのは簡単ではなく、安定したストレージの提供を行う必要があるため個人ではなく企業や団体が名乗りをあげています。
2020年10月のリリース直後、ファイルコイン(Filecoin/FIL)のマイナーの数は世界34ヶ国に渡り400を越えました。現在は日本にもいくつかのマイナー会社が存在します。
このようなマイナーによって貸し出されたストレージの総容量は325PB(ペタバイト)となり、具体的には約9000万本の映画と人類の歴史上に書かれた全書籍の約7倍、Wikipediaの完全コピーサイト約1400個が収納できるほどのスペースです。
またファイルコイン(Filecoin/FIL)のマイニングは、ビットコイン(BTC)のマイニングで問題となった環境に悪影響とされる程の電力消費は必要としないため、ビットコイン(BTC)マイニングのデメリットを解消したシステムとも言えるでしょう。
④ビットコイン(BTC)を越える可能性がある
ファイルコイン(Filecoin/FIL)は将来的に仮想通貨の代表格であるビットコイン(BTC)を越える可能性があると言われています。
アメリカの電子証券取引所であるナスダック(NASDAQ)は2020年12月に「ビットコイン(BTC)を越える可能性を持った暗号資産3選」を発表し、その中の一つにファイルコイン(Filecoin/FIL)が選ばれました。
ナスダック(NASDAQ)がファイルコイン(Filecoin/FIL)を高く評価する理由は、しっかりとした計画の下で進められ信頼性が高いことや多額の資金調達に成功していることに起因しています。
ファイルコイン(Filecoin/FIL)の資金調達は2017年の時点で約280億円を越えており、その金額は仮想通貨の中でもトップクラスに値するほどです。
また適格機関投資家のみを対象として出資先を限定し、世界最大のベンチャーキャピタルであるセコイアキャピタルを始め2100人以上の有名機関投資家や個人投資家が出資に関わっています。
このように世界的に名の知れた投資家たちによってサポートされていることもファイルコイン(Filecoin/FIL)が「強力な事業計画」と認識される理由の一つであると言えます。
またビットコイン(BTC)は仮想通貨の中でも圧倒的な知名度と普及率を誇っていますが、特に他と比べて機能が優れているというわけではありません。
そのためファイルコイン(Filecoin/FIL)の機能と実用性の高さから、今後ビットコイン(BTC)を越えるのではないかとも言われています。
仮想通貨ファイルコイン(Filecoin/FIL)の将来性
2021年に入り勢いのある価格上昇を見せているファイルコイン(Filecoin/FIL)ですが、将来も順調な値上がりは期待できるのでしょうか。
今後のファイルコイン(Filecoin/FIL)の将来性のキーポイントになり得る以下の3つのポイントを順番に解説していきます。
- 今後のマイナー確保
- 注目される資金投資
- 競合サービスとの差別化
①今後のマイナー確保
現在既に多くのマイナーが存在していますが、今後もファイルコイン(Filecoin/FIL)が発展し続けるには、継続的なマイナー数の確保が不可欠でしょう。
なぜならファイルコイン(Filecoin/FIL)が今後も安定性のあるストレージサービスを提供し続けるには、より多くのマイナーが必要となってくるからです。安定したサービスの提供によりユーザー数の減少防止や増加も期待できます。
つまりファイルコイン(Filecoin/FIL)がユーザーだけでなくマイナーにとってもメリットを得られる存在であることが将来性の鍵となるのです。
②注目される資金投資
ファイルコイン(Filecoin/FIL)は当初約280億円という仮想通貨界トップクラスの資金調達で注目を集めましたが、今後も注目度の高い投資をされることが将来性のポイントとなります。
2021年のファイルコイン(Filecoin/FIL)価格高騰には、暗号資産(仮想通貨)の投資信託を運営するアメリカの企業「グレイスケール・インベストメンツ」の投資が大きく関わっていると言われています。
ファイルコイン(Filecoin/FIL)が今後も期待され、新規の企業や投資家から大きな資金提供を受けることができれば世界的に注目を集め更なる発展を遂げていくでしょう。
③競合サービスとの差別化
ファイルコイン(Filecoin/FIL)がその他の競合サービスと差別化を図り、マイナーやユーザーにとって魅力的な発展を続けることも将来を左右するポイントです。
実はファイルコイン(Filecoin/FIL)はWeb2.0世代のストレージサービスとは差別化を図っていますが、
- ストレージ(Storj/STORJ)
- シアコイン(Siacoin/SC)
といったその他の分散型ストレージサービスを提供する競合も存在します。
現在はファイルコイン(Filecoin/FIL)がこれらの分散型ストレージサービスを越えて最も注目を集める存在ですが、その他競合がより優れた技術を開発する可能性もあるでしょう。
競合に勝つためには、ファイルコイン(Filecoin/FIL)が今後もマイナーやユーザーにとって分散型ストレージサービスの中で選ばれ続けることが必要です。
仮想通貨ファイルコイン(Filecoin/FIL)を得る方法
ファイルコイン(Filecoin/FIL)はどのように手に入れられるのでしょうか。ファイルコイン(Filecoin/FIL)を得る方法は主に以下の2つです。
- 仮想通貨取引所で購入する
- マイニングで手に入れる
各入手方法について詳しく解説していきます。
①仮想通貨取引所で購入する
ファイルコイン(Filecoin/FIL)を仮想通貨取引所で購入するのが一般的な方法です。
残念ながら2021年現在ではファイルコイン(Filecoin/FIL)を日本国内の仮想通貨取引所で購入することはできません。海外の仮想通貨取引所でファイルコイン(Filecoin/FIL)をはじめとした仮想通貨を購入するには、まず海外と国内の仮想通貨取引所にそれぞれ口座を開設する必要があります。
そして日本国内の仮想通貨取引所でビットコイン(BTC)などの仮想通貨を購入し、海外の仮想通貨取引所の口座へ送金します。その後海外仮想通貨取引所でファイルコイン(Filecoin/FIL)とビットコイン(BTC)などの取引ペアで取引をして初めてファイルコイン(Filecoin/FIL)を入手することができるのです。
日本人も利用できるファイルコイン(Filecoin/FIL)を取り扱う海外の仮想通貨取引所は主に以下の5つが挙げられます。
- Binance(バイナンス)
- Bitfinex(ビットフィネックス)
- Bittrex(ビットレックス)
- OKEx(オーケーイーエックス)
- Huobi(フォビ)
日本ではまだどの仮想通貨取引所も扱っていないファイルコイン(Filecoin/FIL)ですが、時価総額の高さや流動性、信頼性もあるため今後日本国内の仮想通貨取引所で購入できる日も近いかもしれません。
②マイニングで入手する
ファイルコイン(Filecoin/FIL)はマイニングで入手することもできる仮想通貨です。マイニングと言っても個人で設備を揃えて行う必要はなく、マイナーと呼ばれるマイニングを行う団体に投資する「クラウドマイニング」という方法でマイニング報酬を得られます。
つまり各マイナーが定めた金額を支払うことで、投資期間中に得られたマイニング報酬の何割かをリターンとして得られるのです。
投資期間やリターン率などは各マイナーによって異なるため、自分に合ったマイナーを見極めて投資するようにしましょう。
日本では現在以下のようなマイナー会社でファイルコイン(Filecoin/FIL)のマイニングサービスが受けられます。
-
IPFS infinite JAPAN
- RRMine など
マイニング報酬は契約当初に確約されているわけではなく、その実績に応じて報酬が分配されるシステムです。そのため自分が想定していたマイニング報酬を得られない可能性もあります。
仮想通貨投資全般に言えることですが、マイナーに出資する時も起こり得るリスクに対して留意した上で投資を行うことが大切です。
仮想通貨ファイルコインの動向
ファイルコイン(Filecoin/FIL)は2021年8月の時点で約6000円前後の値動きをしており、順調に価格上昇を続けています。
2020年10月にファイルコイン(Filecoin/FIL)がリリースされてからしばらくは約3000円前後の横ばいな値動きを記録していましたが、2021年には注目度の高さから時価総額が約1兆円規模の仮想通貨に成長しました。
2021年3月にはコロナの影響もあり、その他仮想通貨の落ち込みと同様にファイルコイン(Filecoin/FIL)の価格も急落し一時的に約190円まで下がりました。
しかしその後は価格は急速に回復し始め、2021年5月には約1000円を越えて価格上昇を続けています。3月から比べると約6倍近く上昇しており、その勢いはビットコイン(BTC)などの有名な仮想通貨の上昇率を大きく上回っているのです。
5月から現在に至るまでも約6倍という勢いある価格上昇を遂げており、今後に期待が高まっています。
【まとめ】ファイルコイン(Filecoin/FIL)の投資は日本上場前の今がおすすめ!
ファイルコイン(Filecoin/FIL)についてご理解頂けましたでしょうか。
現在ファイルコイン(Filecoin/FIL)を日本国内の仮想通貨取引所で購入することはできませんが、未上場の今こそが投資のチャンスであると捉えることもできます。
なぜなら日本では金融庁の規制が海外より厳しく新規のアルトコイン上場までには時間がかかるため、国内の仮想通貨取引所で上場する頃には既に多くの人が購入済みということになります。
日本で上場するのを待っている間にファイルコイン(Filecoin/FIL)の価格は更に上昇する可能性もあるでしょう。
ファイルコイン(Filecoin/FIL)はビットコイン(BTC)を凌ぐ仮想通貨に発展することも考えられる価値のある投資先と言えます。
執筆者 西村大樹