WEB3.0やブロックチェーンが浸透して生きている昨今において“DAO”という言葉を耳にする機会が増えてきたのではないでしょうか。最近ではZOZOの創業者である前澤友作氏が立ち上げた“MZ DAO”の企画がギネス認定されるなどDAOはますます注目を集めています。
そんな中、一つのDAOが盛り上がっているのをご存じでしょうか?その名も“MakerDAO”。
この分散型組織はDeFiに革命を起こすとも言われており、MakerDAOのガバナンストークンであるMakerは2023年3月時点で取引市場ランキング53位。今、最も熱い銘柄です。
そこで今回は、MakerDAOについて将来性や特徴を解説していきます。それにあわせてDAOについても分かりやすく解説していくので、「DAOは聞いたことあるけれどよくわからない」「MakerDAOのなにがすごいの?」「今後の展望が気になる」こんな疑問が解決できるはずです。
仮想通貨に興味がある、最近のブロックチェーンのトレンドを知りたい、このような方はぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
MakerDAOについて
名称 | MakerDAO(メイカーダオ) |
トークンシンボル | MKR |
プロジェクトの種類 | 分散型金融組織 |
公式ページ | https://makerdao.com/ja/ |
https://twitter.com/MakerDAO | |
Telegram | https://t.me/makerdaoOfficial |
bebbit | https://www.reddit.com/r/MakerDAO/ |
Youtube | https://www.youtube.com/MakerDAO |
MakerDAOとはどのような組織?
MakerDAOはイーサリアム上のブロックチェーンに構成されたDeFiプロトコルです。第三者の仲介を必要とせず、暗号資産の貸し借りができることが特徴です。
MakerDAOを使うと自身の所有するイーサリアムを担保に“Dai”というステーブルコインを借り入れることができ、ステーブルコインを使った取引をするときに重宝します。
ステーブルコインとは法定通貨のように価格が一定になるように調整された仮想通貨です。Daiは1Daiが1ドルで固定されていてDeFi関連のサービスや仮想通貨での支払いに利用されます。
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DAOとは
MakerDAOを理解する上で、“DAO”とはどのようなものなのか知っておく必要があります。
DAOとは正式名称をDecentralized Autonomous Organizationといい、日本語では分散型自立組織といいます。この組織は文字どおり、管理者やリーダーが存在せず、コミュニティに参加しているメンバー同士でプロジェクトを進めていく組織です。
命令系統に上下関係がなく、プロジェクトの運営方針はガバナンストークンによる投票で行われていきます。
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DeFiについて
DeFiとはDecentralized Financeの略称で、日本語では分散型金融と言います。DeFiの特徴は中央管理者を置かない金融システムの構築であり、システムはブロックチェーン上で動作します。
私たちの日常の金融システムと言えば、銀行などの中央集権型の金融サービスが主流なので、中央管理者がいない構造は少しイメージしにくいかもしれません。
なので分散型金融のイメージはお金や商品を直接相手と取引する“フリーマーケット”のような、場所だと押さえておけばいいでしょう。
中央管理者を置かないため、取引コストが非常に安く、取引相手との地理的な制約がないDeFiは、WEB3.0時代の新しい金融サービスと言われています。ある研究では「将来的にはDeFiでの取引が一般的になる」といった予測結果も出ているそうで、今後の発展が楽しみなサービスです。
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MakerDAOの特徴
MakerDAOの特徴は大きく3つに分けられます。
- リスクの低いステーブルコインを借りられる
- 独自の価格安定メカニズム
- スタビリティフィーによる流通量の調整
これらについて詳しく見ていきましょう
特徴①リスクの低いステーブルコインを借りられる
MakerDAOで借りられるDaiは、分散管理された仮想通貨担保型のステーブルコインです。そのため、Daiはステーブルコインの中でも比較的暴落のリスクが低く、安定した仮想通貨と言えます。
ではステーブルコインのリスクとはそどういったものなのか、DeFiにおける特徴から解説します。
現在、流通量の多いステーブルコインには
- USDT
- BUSD
- USDC
- TUSD
などが挙げられます。これらのステーブルコインはバイナンスやテザーなどの取引所が管理しており、中央集権型のステーブルコインと言えます。中央集権型のステーブルコインは価格の維持、流通量の管理などがすべて発行元の起業に依存しており、さまざまなリスクを抱えています。
例えば、2022年に起きたテラUSD暴落事件。これもテラUSDを管理していた運営企業が米ドルとテラUSDの連携を保てなくなったことが原因で起こりました。それまで無担保型のステーブルコインとして急成長していたこのステーブルコインが、まさか一瞬で価値を失うなんて誰も思わなかったことでしょう。
しかし、現実問題としてこのような事件が発生します。運営元の企業によってはステーブルコインの暴落は起こりにくいと考えられますが、それでも潜在的に破綻のリスクを抱えているのが中央集権型のステーブルコインです。
一方で分散型のステーブルコイン、Daiを見てみましょう。DaiはMakerDAOの中にプールされたイーサリアムを担保に価格を維持しています。価格は米ドルにペッグされ、1Daiは1ドルで固定。中央集権管理されているステーブルコインと同じです。
ただし、中央管理型と大きく違うのは分散管理されているという点。DaiはMakerDAOのコミュニティ参加者で分散管理されているため、中央集権型のステーブルコインに比べると、価格の暴落リスクは低めです。
また、DeFiの最大のメリットである分散化に対してもDaiはマッチしており、今後発展する分散システムの流れが勢いついてくればますます人気となるでしょう。
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特徴②独自の価格安定メカニズム
メリットが多いDaiですが、仮想通貨担保型であるがゆえのデメリットもあります。それは価格維持の難しさ。そもそもボラティリティの高い仮想通貨を担保にボラティリティの低い法定通貨に価格を合わせること自体が困難です。
MakerDAOではその問題を解決するために独自の価格安定メカニズムを利用しています。まず、Daiを借りるとき担保となる仮想通貨は最低でも1.5倍の通貨が必要になります。
例えば、100ドル分のDaiは欲しいと思った場合、150ドル分のイーサリアムが必要になるイメージです。この時点で既に他のステーブルコインに比べてDaiは換金率が悪く、入手コストは高め。
また、担保にしていた仮想通貨が一定額を下回ると、トークンの価値を守るために借りていたDaiは強制決算されます。これらの仕組みによってDaiの価格は維持され、ステーブルコインとしての価値を発揮します。
特徴③スタビリティフィーによる流通量の調整
スタビリティフィーとは、借りていたDaiを返済するときに支払う手数料のことです。スタビリティフィーは市場の需要と供給によって変化し、Daiと米ドルの価格連動に貢献しています。
スタビリティフィーを用いた価格調整の仕組みは以下の通り。
- Daiの価格が下がったとき、スタビリティフィーの価格は高くなる
- Daiの価格が上がったとき、スタビリティフィーの価格は安くなる
この仕組みは経済における通貨価値と金利の関係に非常によく似ています。例えばDaiの価格が上がったとき、米ドルと価格を連動させるためにはトークンの価値を下げなくてはいけません。
このとき、スタビリティフィーを減額することでDai借りやすい状況を作れば、市場にDaiがあふれインフレが発生。相対的に価値が下がります。
逆の場合はスタビリティフィーを値上げし、Daiを借りにくい状況を作り、供給量を制限。相対的に価値を上昇させます。
Daiの供給量をMakerDAOのスマートコントラクトで自動的に調整し、価値を保つシステムは分散型組織ならではの管理方法と言えるでしょう。
Maker(MKR)の市場価格
Makerは2023年3月時点の市場ランキングは53位。時価総額は1200億円オーバー。大型の仮想通貨プロジェクトと同等の価値があります。
日々の取引高も130億円を超えており、多くのユーザーが注目している銘柄の一つです。
価格展望
Makerの今後の価格展望は“上昇傾向”と考えられます。Makerは仮想通貨ブームだった2021年をピークに価格は下落基調にありましたが、2023年に入ってからは上昇基調に転じています。
これは単にMakerDAOに対する期待度に加えてDeFiの普及が進んできていることが考えられるでしょう。分散管理されたMakerDAOの利用者は今後も増え続けると予想され、そのたびにMakerの価値が上昇するとすれば、前回の下落で価格の底は確認できたとみるのが妥当です。
2023年3月のMakerの価格は既に13万円を超えており、気軽に買うには高価な銘柄となってしまいましたが、仮想通貨の長期投資を狙っている方であれば押さえておきたい銘柄です。
Maker(MKR)の購入方法
Makerは海外の仮想通貨取引所“バイナンス”から購入できます。購入にはUSDTが必要になるため、入手を検討している方は予め準備をしておきましょう。
bitcastleを使えばUSDTがクレジットカードで購入できる
これから始めてUSDTを購入する方には“bitcastle”という仮想通貨取引プラットフォームがおすすめです。こちらのサービスはメールアドレスを登録すればすぐに利用可能で、口座開設料も無料です。
スピーディーな取引が可能なbitcastleは「急ぎで仮想通貨の取引をしたい」という方には特におすすめです。
まだ口座をお持ちでない方は是非口座開設を検討してみてください。
MakerDAOの将来性
仮想通貨やブロックチェーンの普及に伴って、MakerDAOの利用者はますます増えるでしょう。ホワイトペーパーでは今後、MakerDAOが関わるであろう市場を以下のようにまとめていました。
運転資本、リスクヘッジ、レバレッジ取引への利用
MakerDAOのを利用して借り入れたDaiは自身のプロジェクトの運転資金や、レバレッジを効かせた取引に利用されるでしょう。
銀行よりも借り入れのコストはかかりますが、借り入れに審査はなく、分散管理されることで支払いもスピーディです。
銀行に変わる次世代の金融機関になるのでは?と注目を集めています。
低コスト取引
シームレスな取引が可能なDeFiは、国際間での通貨送金が低コストで完了します。そのため、輸入品の支払いや、海外クライアントへの送金にはMakerDAOを始めとしたDeFiが利用されると考えられます。
特にMakerDAOはDeFiの中でも先駆けとして登場した背景があり、信頼性の面から考えるとMakerDAOのDeFiの普及率が高くなるでしょう。
ゲームへの利用
ブロックチェーンゲームとDeFiの相性は最高であり、特に分散管理されているMakerDAOのDeFiはGamefiを構築する上で非常に使いやすいプラットフォームと言えます。
ブロックチェーンゲーム市場は年々拡大傾向にあり、開発ユーザー、利用者ともに増えてきています。ユーザー数の増加に伴って多くのDaiが利用されることとなれば、MakerDAOの利用者も増加傾向となるのは間違いないでしょう。
参考記事はこちら
https://bitcastle.io/column/post-12898/
まとめ
ステーブルコインDaiを借り入れることのできるMakerDAO。その利便性は今後DeFiの普及に伴い、格段に向上するでしょう。
今はまだ分散型金融の普及はそれほど進んではいません。しかしいずれ必図分散化の波は来るはずです。その時にはMakerDAOは誰もが知るDeFiプロトコルにまで進化しているかもしれませんね。
執筆者 西村大樹