FOMC(連邦公開市場委員会)の発表時に注目される「ドットチャート」は、FOMCメンバーが今後の政策金利をどう見ているかを示す“利上げ・利下げの予測マップ”です。
一見すると地味な図表(下図参照)ですが、これが市場の金利予測やドル円、株価に大きな影響を与えることも少なくありません。
この記事では、ドットチャートの意味やFOMCとの関係、見方のポイントから相場への影響まで、
初心者にもわかりやすく解説していきます。
ドットチャートとは?FOMCでの役割と注目される理由
ドットチャートとは、FOMC(米連邦公開市場委員会)のメンバーが今後の政策金利について、どの水準を見込んでいるかを示した図です。
基本ポイント:
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各メンバーが予測した金利水準に“点(ドット)”を打つ
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四半期ごとに発表(3・6・9・12月)
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FRBの金利方針を先読みする材料として活用される
このチャートは、利上げ・利下げの方向性を見極めるうえで重要なガイダンスとされており、FOMC後の最大の注目材料の一つです。
ドットチャートの基本と他の金融チャートとの違い
ドットチャートは、他の価格チャートとは違い、「予測の集合体」であることが最大の特徴です。
価格の推移を表すローソク足やインジケーターとは異なり、各FOMCメンバーが今後の適切な金利水準をどのように見ているかを“点”で示します。
縦軸は政策金利の水準(%)、横軸は予測の年(現在・来年・再来年・長期)を示しています。
これにより、市場はFRB内部の見通しにどれだけバラつきがあるか、もしくはコンセンサスが形成されているかを視覚的に判断できるのです。
なぜFOMCで注目されるのか?FRBと政策判断との関係
FOMCでドットチャートが注目されるのは、それがFOMCメンバーの「将来の金利に対する本音」を示すからです。
公式な声明文では語られないような“個々の見方”を可視化できるため、市場では声明文や記者会見と同等かそれ以上に重視されることもあります。
ドットが上方に集中していれば「利上げが続く見通し」、下方に広がれば「利下げの可能性がある」と解釈されます。
実際の政策決定とは異なることもありますが、市場心理を動かす“ガイダンス”として大きな影響力を持っています。
注目される背景:
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声明文では示されない“個別の見方”がわかる
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利上げ期待:ドットが上方に集中
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利下げ期待:ドットが下方に広がる
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コンセンサスの有無で市場の安心感/不安感が変わる
たとえ最終決定と異なっていても、市場心理を動かす“シグナル”としての影響は非常に大きくなります。
2025年の最新ドットチャート発表日と公表スケジュール
ドットチャートはFOMCが開催される年8回のうち、3月・6月・9月・12月の四半期ごとの会合後に発表されます。
2025年における公表予定日は、下表(米国時間)となっています。
回数 | 会合(月・月末) | 発表日(米国時間) | 発表日(日本時間) |
---|---|---|---|
第1回 | 3月会合後 | 2025年3月19日 | 3月20日早朝3〜4時頃 |
第2回 | 6月会合後 | 2025年6月18日 | 6月19日早朝3〜4時頃 |
第3回 | 9月会合後 | 2025年9月17日 | 9月18日早朝3〜4時頃 |
第4回 | 12月会合後 | 2025年12月10日 | 12月11日早朝3〜4時頃 |
日本時間では、いずれも翌日早朝の3時または4時ごろに発表されることが多く、そのタイミングでドル円や米株先物が大きく動くことがあります。
なお、ドットチャートは「Summary of Economic Projections(SEP)」の一部としてPDF形式で公開され、FRB公式サイトで誰でも確認できます。
ドットチャートの見方と相場への影響
ドットチャートでは、「FOMCメンバーがいつ、どの程度の金利変更を見込んでいるか」を把握できます。
見るべきポイント:
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ドットの集中水準 → 今後の金利方針の中心
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バラつき具合 → 意見の分散 or 一致度
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前回との変化 → 政策スタンスの変化シグナル
これらを総合的に読むことで、相場の先回り判断に活かせます。
ドットの読み方と利上げ・据え置き・利下げの判断基準
ドットチャートでは、各メンバーが「どの金利水準を適正と考えているか」を年ごとに表示しています。
たとえば、2025年の列にドットが4.75%に多く集中していれば、その年の目標金利がそこに向かっていくと市場は判断します。
今の金利より高ければ「利上げ傾向」、同じなら「据え置き」、低ければ「利下げ傾向」と見なされます。
重要なのは、点の数が“どこに多いか”だけでなく、“どのくらい変化したか”です。
前回より上がっていればタカ派姿勢が強まったと判断され、ドル高につながるケースもあります。
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タカ派:インフレを抑えるために利上げや金融引き締めを重視する姿勢
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ハト派:景気や雇用を支えるために利下げや金融緩和を優先する姿勢
中央値・参加メンバー・回数など注目ポイントの解説
ドットチャートを見る際、最も注目されるのが中央値(median)です。
各年ごとの金利予想が並ぶ中で、ちょうど真ん中に位置する水準がその年の「市場が意識する中心値」となります。
また、ドットの数はその時点で投票権を持つFOMCメンバーの人数に基づいており、通常は17〜19人前後です。
各メンバーが利上げの“回数”をどう見ているかも、点の配置からおおよそ読み取れます。
中央値が上がる、もしくは上方向にばらつく傾向が強まれば、市場は「さらなる利上げの可能性がある」と判断するため、価格変動が起きやすくなります。
政策見通しと為替・株式市場への影響の読み解き方
ドットチャートの内容は、市場の期待や織り込みに大きく影響します。
たとえば、「年内に利下げ」と見込んでいたタイミングで、ドットが上方修正された場合、
金利が高止まりするとの見方が広がり、ドル高・株安の反応が出やすくなります。
逆にドットが下方修正されれば、利下げ期待が強まり、ドル安・株高の展開が想定されます。
反応の例:
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ドットが上方修正 → 金利高止まり観測 → ドル高・株安
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ドットが下方修正 → 利下げ期待上昇 → ドル安・株高
特にFX市場では、金利の織り込みが相場を先行して動かす傾向があるため、ドットチャートの変化をいち早く捉えることが重要です。
投資戦略としては、内容だけでなく「市場がどう受け取るか」にも注目すると、より柔軟な判断がしやすくなります。
注意点:
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チャート内容そのもの以上に「市場の受け取り方」がカギ
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直前の市場予想とのズレが大きいほど、値動きも大きくなりやすい
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特に為替市場では“織り込み済み”かどうかの見極めが重要
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執筆者 西村大樹