大手仮想通貨取引所で1月に起こった不正出金事件を受け、日本の2つの仮想通貨団体が協力することになりました。
これにより日本のユーザーの安全性は高まるのでしょうか?
ネムの不正出金事件を受け発足
日本の仮想通貨取引を代表する日本仮想通貨事業者協会(JCBA)と日本ブロックチェーン協会(JBA)が統合して新しい団体を設立することが分かりました。
これは2018年1月に起こったコインチェックによるNEMの巨額不正出金問題により、仮想通貨取引自体の信頼が低くなってしまったことに影響されています。
2017年に日本国内で資金決済法が施行され、仮想通貨取引が法整備したこと・取引を利用する人が増えたことなどから、多くの企業が仮想通貨取引に参入することを明らかにしています。
三菱UFJフィナンシャル・グループ・みずほフィナンシャルグループなどのメガバンク系企業から、IT大手のサイバーエージェント・LINE・メルカリなどの企業も仮想通貨サービスを開始することを表明しています。
一説によれば、金融庁へ仮想通貨交換業に登録を希望している会社が増加して、現在100社以上が審査を待っている状態なんだとか。
そんな矢先に起こってしまった今回の事件、仮想通貨に携わる両団体はより安全性を高めるために取引の自主規制を強めるようです。
さらに、以前ならば参加できていた「みなし業者」と呼ばれる、正式に許可を受けていない暫定的な企業は新団体に加入できないようです。
つまり、新団体に加盟している仮想通貨取引所は金融庁と業界の厳しいルールをクリアした会社ということになりますね。
この動きはユーザーが取引を安心して取引できるようになったり、協会は対処をきちんとしているというアピールになるという利点があります。
しかしその一方では、取引の自由度が無くなったりバリエーションが狭くなるといったデメリットがあります。
規律と自由はどちらがいいかというのは、一概には言えませんが…
どちらにしても偏りすぎずバランスを取ることが大切なような気がしますね。
これまでもこんな規制が
仮想通貨取引に携わる協会の規制は、実は以前もありました。
それは日本仮想通貨事業者協会(JCBA)が2017年11月に発表した、ハードフォークコインへの規制です。
ちょうどそのころはビットコインの分裂が相次いでおり、ビットコインを持っていれば分裂して誕生したコインが無料で付与されるという流れが定着しつつあったころでした。
ユーザーからしたら、ただで資産が増えるといいことづくめな気がしますが、分裂コインがマネーゲーム的な性格を持っていること、アナウンスされた機能が実装されていないことなど杜撰さが目立つことも多かったのです。
これを受けて、JCBAではユーザーの資産を保護するためにハードフォークコインへの規制を発表することとなりました。
そのため、日本国内の取引所ではビットコインの分裂により生まれたコインはビットコインキャッシュのみとなっており、その次に誕生したビットコインゴールドは2018年2月末でも配布されていません。
分裂コインを取引したい人は、保有しているビットコインを海外の仮想通貨取引所に移すなどの対応をしなければならなくなってしまうなどの不便を強いられました。
これからどうなる?
規制が強まっているのは、仮想通貨の協会だけではありません。
認可を行う金融庁の規制も強まっており、認定の基準も以前よりずっと厳しくなっているんだとか。
それにより企業が審査に通る確率も低くなってしまったそうですよ。
利用者からすると厳しいなぁ、大変そうだなぁと感じてしまいますが、そうせざるをえない面もあるのでしょう。