テレビやSNSなどで、NFTという言葉を耳にする機会が増えました。なんとなく「デジタルに関する最先端の技術」という印象は抱いているものの、詳しいことは分からないという人も多いのではないでしょうか。
この記事では、NFTの仕組みや特徴、稼ぐためのやり方について解説します。読み終えれば、NFTについての知識がつき、やり方に関しても理解できます。NFTに興味のある人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
▼仮想通貨について本で勉強したい人は、こちらの記事を参考にしてください。
https://bitcastle.io/column/post-3271/
▼この記事では、仮想通貨に関する用語が網羅的にまとめられています。
https://bitcastle.io/column/post-2060/
目次
NFTとは?
NFTとは、「Non-Fungible Token」の略称で、「代替不可トークン」という意味です。2017年に初めてのNFTゲーム「CryptoKitties」が、イーサリアムネットワーク上に誕生したことがNFTの発祥だと言われています。
NFTは代替不可なため、複製などが行われることはありません。そのため、所有しているだけで唯一無二だと証明できるのです。従来は、デジタルアートに高い価値をつけることは困難でしたが、NFTの誕生により、デジタル上の様々なものに価値を与えられるようになりました。
NFTの仕組みや特徴
デジタルアートの価値を保証する機能を持つNFT。この項では、そんなNFTの仕組みや特徴を3つ解説します。
ブロックチェーンから発行される
NFTは、イーサリアムという仮想通貨銘柄のブロックチェーンから発行されます。そもそもブロックチェーンとは、仮想通貨に用いられている技術で、第三者による不正ができない仕組みとなっています。
また、NFT化されたコンテンツは、1つ1つを識別できます。見た目には違いの分からない2枚のイラストも、それぞれをNFTと紐づければ、別々のデジタルアートとして認識されるのです。
▼ブロックチェーンに関する詳細は、こちらの記事にまとめています。
https://bitcastle.io/column/post-2426/
Dapps間でコンテンツを移動させられる
NFTコンテンツは、Dapps間で自由に移動させられます。Dappsとは、ブロックチェーン技術を使って作られたゲームやサービスのことです。
別々のゲームやサービスで同一のNFTコンテンツを使えるため、複数のゲームで同じキャラクターやアイテムを使用したりできます。
誰でもNFTを自由に作成できる
NFTを作成するのにあたり、必要資格などは一切ありません。口座やウォレットを用意し、NFTアート専門店に登録すれば、誰でも自由に作成できます。ただし、未成年は口座やウォレットを用意できないため、原則成人している人のみが対象です。
なお、おすすめのNFTアート専門店は後ほど紹介します。
絵や文章など、自分で作ったデジタル作品を自由にNFT化できるなんて、夢がありますよね。
NFT関連の仮想通貨で稼ぐやり方
NFTが誕生したのは2017年と言われており、まだまだ歴史の浅い技術です。しかし、実は既に100種類近くのNFT関連の仮想通貨銘柄が取引所に上場しています。
そんなNFT関連の仮想通貨銘柄に投資をすれば、稼ぐことも可能です。通常の仮想通貨投資と同じように、価格の安い時に買い、高い時に売れば差額を利益として得られます。
NFT関連の仮想通貨銘柄の選び方
NFT関連の仮想通貨銘柄に投資をしようと思っても、100種類以上もの銘柄があるとなると、選ぶのが大変ですよね。そこで、NFT関連の仮想通貨銘柄の選び方を3つ紹介します。
どのような特徴を持つ銘柄なのか調べる
一口に「NFT関連の仮想通貨銘柄」といっても、銘柄によって特徴や作られた目的は大きく異なります。そのため、気になる仮想通貨銘柄の特徴などを調べて、より将来性が期待できそうな銘柄に投資すると良いでしょう。
ビットジャーナルでも様々な仮想通貨銘柄の特徴を紹介しているため、ぜひ参考にしてくださいね。
時価総額が高いか確認する
NFT関連の仮想通貨銘柄の選び方の2つ目は、時価総額が高いか確認することです。時価総額とは、「仮想通貨の発行量×市場価格」で求められる数値で、仮想通貨の価値や規模を示しています。
この時価総額が高ければ高いほど、多くの人々から人気が集まっていると言えます。一方、まだあまり認知されていないものの将来性を感じる銘柄に投資することで、大きく稼ぐことも可能です。
海外サイトのチャート予想を参考にする
NFT関連の仮想通貨銘柄を選ぶ際には、海外サイトのチャート予想を参考にすることも重要です。
なぜなら、日本国内の仮想通貨取引所で扱われていない銘柄の情報は、海外サイトの方が充実しているためです。そのため、鮮度が高く信頼性の高い情報を入手するには、海外サイトの利用おすすめします。
おすすめのNFT関連銘柄
ここまで、NFT関連の仮想通貨い銘柄の選び方について説明してきました。ここからは、おすすめの銘柄を5つ紹介します。
エンジンコイン(ENJ)
エンジンコインは、2000万人以上ものユーザーを抱えるゲームで使える仮想通貨です。ゲーム内でアイテムを購入する際に使用できます。
エンジンコインを開発したエンジン社は、世界的に有名なゲームである「マインクラフト」をブロックチェーン上でプレイできる「エンジンクラフト」をリリースし、話題となりました。アメリカのサムスンやマインクラフトとも協力関係にあることから、今後の動きが注目されているNFT関連銘柄の1つです。
ディセントラランド(MANA)
ディセントラランド(MANA)は、ディセントラランドというメタバース上のゲームで使える仮想通貨銘柄です。ディセントラランドで土地を購入し自由にカスタマイズしたり、アイテムを購入し身に付けたりできます。
ディセントラランドではNFTを他のDappsと相互に利用することもでき、先進的な技術として注目されています。また、Facebook社が社名を「メタバース」に改名したことなどをきっかけに、2021年11月に価格が大幅に高騰したことも注目されました。
▼ディセントラランド(MANA)については、こちらの記事で詳しく解説しています。
チリーズ(CHZ)
チリーズ(CHZ)は、スポーツとNFTを掛け合わせた仮想通貨銘柄です。スポーツの試合のチケットの購入や、限定グッズ抽選へのエントリー、活動資金の寄付などに使えます。
実際に、国内のプロサッカーチーム「湘南ベルマーレ」やソーシャルフットボールクラブの「HIBUYA CITY FC」などで利用されています。
また、2021年2月に国内大手取引所を運営しているコインチェック株式会社が、Chiliz(CHZ)との業務提携を結んだことも話題となりました。
▼チリーズ(CHZ)については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
メタヒーロー(HERO)
メタヒーローは、ヨーロッパの有名経営者によって開発された仮想通貨銘柄です。人間や物を3Dスキャンし、メタバース上に登場させるプロジェクトために誕生しました。
日本の大手企業ソニーとも間接的に連携しており、3Dスキャンの際にはソニーのカメラが用いられるようです。現状ではまだ時価総額が低いですが、今後メタバースやNFTの人気が高まれば価格が上昇する可能性も十分にあるでしょう。
▼メタヒーロー(HERO)については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
ザ・サンドボックス(SAND)
ザ・サンドボックス(SAND)は、ザ・サンドボックスというゲーム内で使える仮想通貨です。ゲーム内の土地やアイテムなどを購入できます。有名ゲーム「マインクラフト」に似ているとも言われています。
さらに、ザ・サンドボックス内に別のゲームを作り販売するユーザーも現れ、話題となりました。今後も進化を遂げる見込みとなっており、ゲームの人気に伴いザ・サンドボックスの価格上昇が期待出来ます。
▼ザ・サンドボックス(SAND)については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
NFTマーケットで稼ぐやり方
仮想通貨ではなく、NFT化されたデジタル資産そのものを取引し、稼ぐという方法もあります。NFTマーケットプレイスを使って、安い時にNFTを購入し、高い時に販売することで、差額を利益として得られるのです。
今後NFTが広く普及すれば、NFT投資で儲けられる可能性も高まるでしょう。
おすすめのNFTマーケットプレイス
NFT取引を実践しようと考えている人に向けて、おすすめのNFTマーケットプレイスを5つ紹介します。
Coincheck NFT(β版)
Coincheck NFT(β版)は、国内の大手仮想通貨取引所であるCoincheckによって2021年3月に提供されているNFTマーケットプレイスです。NFTゲームやトレカなどのコンテンツを取り扱っています。
通常、NFTマーケットプレイスで利用可能な仮想通貨銘柄は1~3種類と、少ないところが多いです。一方、Coincheck NFT(β版)は13種類にも及ぶ幅広い銘柄を取り扱っています。
2021年11月には、世界に994個しかないTattooを持つMeebitsなど、6個のMeebitsの取り扱いを開始したことも、NFTファンの注目を集めました。
Adam byGMO(β版)
AdambyGMO(β版)は、デジタルアートを取り扱っている国内のNFTマーケットプレイスです。GMOグループのGMOアダム株式会によって、2021年8月に提供されました。
AdambyGMO(β版)で取り扱われているコンテンツは、今のところイラストや漫画などのデジタルアートのみです。また、一般市民は作品を出展することができません。しかし、今後誰でもNFT作品を出品できるように準備を進めているようです。
Rarible(ラリブル)
Raribleは「すべての意思決定をユーザー同士で行う」ことを目的として作られたNFTマーケットプレイスです。とはいえ、現在はRarible社が中心となって運営されています。
また、RARIという独自の通貨を発行しており、所有している人はコミュニティ投票へ参加出来たりといった特典を受けられます。
ウォレットさえあれば、誰でもNFTを簡単に作れるような仕組みとなっているため、NFTを作成してみたい人にもおすすめです。
OpenSea(オープンシー)
OpenSeaは、世界最大手と言われているNFTマーケットプレイスです。100万人以上もの利用者がいます。
簡単に出品できる点が最大の特徴で、出品数は全部で400万点を超えています。日本人クリエイターによる出品も多くあるため、日本人作品を購入の際にも使えます。ただし、OpenSeaでは出品時と購入時にはネットワーク手数料が発生するため、注意が必要です。
SuperRare(スーパーレア)
SuperRareは、厳選された人のみが作品を出展できるNFTマーケットプレイスです。厳格な事前審査に合格しないとNFTの出店ができない仕組みとなっています。
そのため、SuperRareを使えば質の高いNFTアート作品を購入できます。また、作品の売買は独自に発行された通貨で行います。
なお、取り扱っているコンテンツは現状デジタルアートのみです。高品質なデジタルアート作品を入手したい人におすすめです。
NFT作品を作成して稼ぐやり方
自分で作ったNFT作品を販売して稼ぐ方法もあります。あなたの作品が転売されれば、あなたもロイヤリティ収益を得られる仕組みとなっているため、転売されるほど評価の高い作品を作れれば、継続的に儲けられます。
特にイラストや漫画などの腕前に自信のある人や、SNSで強い影響力を持っている人は、NFT作品の販売によって高額を得られる可能性があります。
なお、NFTアートを作成する際には、NFTマーケットプレイスを利用しましょう。
NFT化できるもの
デジタルでやり取りできるものであれば、なんでもNFT化することができます。例えば、イラスト・漫画・映像作品・音楽などがNFT化可能です。その他にも、過去にはNFT化された1つのツイートが3億円で購入され、大きな話題となりました。
ただし、オリジナル作品のみをNFT化しなければいけないため、その点は要注意です。第三者の作品を勝手にNFT化し販売することのないようにしましょう。
NFT取引の事例
「NFTの販売や転売で利益を得られる」と聞いても、あまりピンと来ない人もいるでしょう。そこで、実際に行われたNFT取引の事例を3つ紹介します。
事例① 3億円で購入されたツイート
2021年3月に、Twitterの創設者であるジャック・ドーシー氏のツイートがNFT化され、約3億1500万円もの価格で購入されました。購入者のハカン・エスタビ氏は「このツイートはモナ・リザと同じくらい価値のあるものだ」と考え購入に至ったそうです。
このことは大きな話題となり、日本国内でも報道されました。今後も、著名人のツイートに多額の価値がつくかもしれません。ツイートに値段が付けられるなんて、すごいですよね。
事例② 4億円で購入された柴犬の画像
15歳メスの「かぼすちゃん」という柴犬の画像が、なんと4億円で購入されました。
かぼすちゃんはもともと保護犬で、ペット愛好家の中で有名な犬でした。また、アメリカでもかぼすちゃんの画像が大人気だったと言います。さらに、このかぼすちゃんは、Dogeコインという仮想通貨のモデルともなっており、仮想通貨トレーダーの間でも知名度の高い犬だったのです。
そうした背景によって、たった1枚の柴犬の写真に4億円もの価値がつけられました。飼い主は嬉しさよりも恐ろしさや不安さを感じているようですが、数年後には画像データに高額の価値がつくことが当たり前となっているかもしれませんね。
事例③ 18億5000万円で購入されたドット絵のイラスト
9枚のドット絵のイラストが、約18億5000万円で落札されました。このイラストは、世界最古のNFTプロジェクトと言われる「CryptoPunks」によるものです。
CryptoPunksには熱狂的なファンが多く、Twitterのアイコンとして使う人も増えています。男性や女性のキャラクターが多いですが、中にはゾンビや宇宙人などのキャラクターもあり、希少性が高いため高額で取引されているようです。
NFTの課題
NFTは、様々な可能性を秘めた画期的な技術として、多くの人の注目を集めています。一方で、現状では課題も生じています。
ここからは、そんなNFTの課題を3つ紹介します。
課題① 手数料が高い
NFTの1つ目の課題は、手数料が高いことです。
NFTのほとんどが、イーサリアムという仮想通貨銘柄のブロックチェーンを使用しています。イーサリアムは時価総額第二位の人気を誇る仮想通貨銘柄ですが、一方でスケーラビリティ問題を抱えています。
スケーラビリティ問題:処理能力を上回る需要が原因で、仮想通貨の取引が混雑している時に取引手数料が高騰してしまう問題のこと。
これにより、NFT取引を行う際に手数料が高くつくという課題が生じているのです。この手数料は、NFT取引の数が増加するのに伴い高騰するため、現状ではNFTの人気が高まるほど手数料も高くなってしまいます。
手数料が高いことは、より多くの人がストレスなくNFT取引を行うためにも、解決が必要な課題です。
課題② 著作権が侵害されているケースがある
著作権が侵害されているケースがあることも、NFTの課題の1つとして挙げられます。
NFTは唯一無二性を担保できる優れた技術ですが、中には第三者が作成した作品を「自分のもの」としてNFT化し販売しているケースがあります。
これは著作権侵害に当たりますが、まだNFTに関する法整備が追いついていないため、グレーゾーンとされています。こうした著作権侵害や詐欺まがいの取引が行われないためにも、今後NFT周りの法整備が進んで欲しいものです。
課題③ 環境破壊に繋がる
NFTが普及すればするほど、環境問題に悪影響が及ぶと言われています。
NFTには仮想通貨と同様、ブロックチェーン技術が使われていますが、このブロックチェーンが環境破壊に繋がりかねないとされているのです。なぜなら、ブロックチェーンを使うたびに超高速な計算が行われ、多大なエネルギーを必要とするためです。
実際に、中国では環境に配慮し、ビットコインのマイニングを禁止しました。今後NFTも環境破壊の要因として警戒されれば、何らかの規制が発生するかもしれません。
NFTに関するよくある質問
実際にNFTで儲けようと行動を起こすと、疑問が生じることもあるでしょう。ここでは、NFTに関するよくある質問を3つ紹介します。
質問① NFT取引をするのに年齢制限はあるのか
NFT取引を行うには、仮想通貨のウォレットの用意が不可欠です。国内の仮想通貨取引所では、未成年はアカウントを開設することができないため、未成年にNFT取引はできないと言えます。
なお、海外の取引所の中には18歳からアカウント開設ができるところもあるそうです。使用する際には、セキュリティ面をよく確認した上で自己責任で使いましょう。
質問② 出品したNFT作品が売れない時にはどうすれば良いのか
NFT作品が出品されるようになりたての頃は、多くの作品が高額で購入されていました。しかし、当時に比べNFTの認知度が高まった現在では、なかなか売れないと悩む人も増えています。
NFT作品を購入してもらうためには、作者やプロジェクトを多くの人に知ってもらう必要があります。そのため、TwitterなどのSNSを通じて広報活動を行うと良いでしょう。
質問③ NFT作品を取引する際に税金は発生するのか
NFT作品の取引は、仮想通貨と同様「雑所得」となります。年間で20万円以上の雑所得があると確定申告が必要となるため、注意しましょう。
▼仮想通貨の税金に関しては、この記事で詳しく説明しています。
【まとめ】NFTのやり方や仕組みを正しく理解しよう!
本記事では、NFTで稼ぐやり方や、NFTの仕組みなどを説明しました。
最先端技術であるNFTは、関連する仮想通貨銘柄に投資したり、NFT作品を売買したり、自分でNFT作品を販売したりと言った方法で、稼ぐことが可能です。NFT技術はまだ一般市民にまで広く普及しているとは言えませんが、今後普及が進む可能性が高いと考えられます。
そのため、今のうちからNFTに参入すれば、数年後に大きく儲けられることもあるでしょう。本記事で紹介したやり方を参考にして、ぜひ今のうちからNFTに挑戦してみて下さいね。
執筆者 西村大樹