「ネム(XEM)ってどんな仮想通貨なの?」
「ネム(XEM)の将来性が知りたい」
世界中には仮想通貨(暗号資産)が2000種類以上あります。そのなかで、日本国内でも取引の多いネム(XEM)が気になる方も多いのではないでしょうか?
近年、仮想通貨は世間でも認知され、注目度が高まっています。ネム(XEM)について詳しく知りたいけどよくわからないという方のために、ここではネム(XEM)の概要やメリット、デメリット、今後の見通しなどを詳しく紐解いていきます。
目次
ネム(XEM)のリアルタイムチャート
ネム(XEM)の特徴
ネム(XEM)は、2015年3月に発行が開始されました。
ネム(XEM)は、「New Economy Movement(新しい経済活動)」の略称で、金銭的な自由、分散化、機会平等主義と公平性、および連帯感の原則に基づき、新しい経済圏の創出を目標としてはじまった仮想通貨です。
2017年には、シンガポールでNEM財団が設立され、日本でも、2018年に一般社団法人NEM JAPANが設立されました。この財団は、NEMブロックチェーン技術の普及を目的に、非営利で勉強会やコンサルティングなどの活動をしています。
ネム(XEM)は、プラットフォームの名前であり、そこで使われる通貨の単位はゼム(XEM)です。投資家の間では「ネム」と呼ばれて親しまれています。
シンボル(XYM)というプラットフォームの取引を開始
ネム(XEM)は、大型アップデート「カタパルト」を行い、カタパルトアップデートによって新たなプラットフォームである「シンボル (XYM)」が誕生しました。そして、その内部通貨は「ジム (XYM) 」と名付けられました。
仮想通貨取引所Zaifでは、2021年5月からシンボル(XYM)の取引を開始しました。ネム(XEM)では仮想通貨ゼム(XEM)を使用していましたが、シンボル(XYM)では仮想通貨ジム(XYM)を扱うため、それぞれ全く別のプラットフォームとなります。
シンボル(XYM)はネム(XEM)をもとに開発されており、現在はネム(XEM)プロジェクトの中にネム(XEM)のブロックチェーンとシンボル(XYM)のブロックチェーンが共存している状態です。
取引承認システム「PoI」を採用
ビットコイン(BTC)をはじめとする多くの仮想通貨は、「ブロックチェーン」と呼ばれるコンピュータ・ネットワークを使い「取引の承認や確認」作業を行っています。その取引データを承認する作業を「マイニング」と呼び、マイニング作業に対して報酬が支払われます。そして、そのような仮想通貨は、Proof of Work(PoW)というコンセンサスアルゴリズム(承認方式)を採用し、「作業量に見合った報酬を支払う」仕組みになっています。
しかし、マイニングで利益を得るためには、大きな電力と広い土地での設備が必要になります。そのため、広大な土地を所有する中国で多くのマイニングが行われてきました。
一方で、ネム(XEM)が採用しているPoI(Proof of Importance)は「アカウントの重要度」によって報酬が分配される仕組みです。アカウントの重要度は「PoIスコア」で管理されており、このPoIスコアはネム(XEM)の保有量、保有期間、取引量などを元に算出されています。PoIスコアが高いほど重要度が高いと見なされ、報酬を受け取りやすく設計されています。
承認作業「ハーベスティング」を行う
ビットコイン(BTC)の取引を承認する作業を「マイニング」と呼びますが、ネム(XEM)の取引を承認する作業のことを「ハーベスティング」と呼びます。マイニングに比べて安価で始めることができるハーベスティングは、一定期間1万XEM以上を保有することで、参加資格を得ることができます。約1分に1回ハーベスティングが行われ、アカウントの重要度に応じて報酬が支払われます。
事業用途に適した独自機能を内蔵
ネム(XEM)は「New Economy Movement(新たな経済活動)」の略称で、その名の通り新しい経済圏を作るため、企業などの事業活動に適したブロックチェーンとして、様々な独自機能を持っています。
例えば、指定アカウントの許可がなければ送金を行うことができない仕組みや、一つのトランザクションごとに改ざんできない機能などを持っています。これらにより、企業による活発な取引が期待できます。
コミュニティの活動が活発
ネム(XEM)はコミュニティ活動が活発なことでも知られています。投資家のためにオープンされたネム(XEM)での支払いが可能な実店舗「nem bar」や、ネム(XEM)支払いが可能なフリーマーケット「nemket」の開催、ネム(XEM)公式による投資家同士の親睦を深めることを目的とした「NEM meetup JAPAN」の開催などが行われています。コミュニティ全体で仮想通貨を社会で使うための活動を進めています。
ネム(XEM)のメリット
ここでは、ネム(XEM)のメリットをご紹介します。
①セキュリティが厳重
ネム(XEM)は「EigenTrust++ (アイゲントラスト) 」というアルゴリズムを使用している仮想通貨です。これは、ネム(XEM)のセキュリティを万全にするための仕組みで、ハッカーなどを排除するために通貨保有者の動きを監視するものです。この監視により、おかしな動きを事前に察知してネットワークから排除し、安全性を保っています。
②通貨の供給量が一定
ネム(XEM)は、リリース当初に約90億XEMが市場に出回りました。そして、それ以降は新しいコインの発行をしていません。多くの仮想通貨はマイニングによって新しいコインを発行しているため、市場に出回るコインの数は増加していきます。
しかし、ネム(XEM)は今後も増えることがない仮想通貨なのです。このようなネム(XEM)の特徴は、コインが増えすぎてインフレを起こす可能性が大幅に少なくなります。
③取引のスピードが速い
ネム(XEM)は、データの処理速度が速いため、取引がスピーディーにできます。ビットコイン(BTC)と比較すると、ビットコイン(BTC)の送金時間が10分〜40分程度かかるところをネム(XEM)は1分程度で送金が可能となります。さらに、変動はありますが、ビットコイン(BTC)に比べて非常に安い手数料で送金が可能な点も大きなメリットがあるといえます。
④低コスト
仮想通貨はネット上でのみ存在する通貨であるため、送金は電子データの生成だけで行うことができ、コストがほとんどかからないことが特徴です。中でもネム(XEM)は、PoIのコンセンサスアルゴリズムを採用することで、より低コストで稼働する通貨システムを実現しています。
⑤ハーベスティングで報酬を獲得しやすい仕組み
ブロックを承認する作業であるハーベスティングは、ビットコイン(BTC)の報酬獲得方法であるマイニングよりも参入しやすいのが特徴です。
マイニングは、専門的な知識や高級な設備が必要になり、個人で儲けをだすことは非常に困難です。
しかしハーベスティングの場合、自宅のPCを用いて参加することができ、ネム(XEM)を持っているだけで報酬を得る事が可能なため、報酬獲得の方法としてはハーベスティングの方が簡単であるといえます。
⑥大量保有者に報酬が偏らない
ネム(XEM)は、大量保有者だけにハーベスティングの報酬が偏らないように配慮されています。
通貨の保有量だけでハーベスティングの権利が得られるとなると、特定の大口投資家ばかりが権利を得ることになるため、、コンセンサスアルゴリズムにPoIを採用することで、取引量も考慮する仕組みにすることで、権利の集中を抑えています。
ネム(XEM)のデメリット
ここでは、ネム(NEM)のデメリットをお伝えします。
①報酬が少ない
ネム(XEM)は、独自の報酬の仕組みを採用しているため、他の仮想通貨と比較して得られる報酬が少なめである点がデメリットとして挙げられます。
例えば、1万XEMを保有していて、通常レベルの重要度合いだと0.05XEMの報酬をもらうことができます。1XEM=37円だとすると、37万円を保有していて、1.85円の報酬になります。そのため、報酬を上げるには重要度を上げて行く必要があります。しかし、そのためには頻繁にネム(XEM)の取引を行わなければなりません。ネム(XEM)の報酬を多く得るには、ある程度規模の大きな取引を何度も行う必要があるため、リスクも高くなります。
②ネットワークの維持が不安定
ネム(XEM)のプラットフォームを維持するためには、スーパーノードと言われるコンピュータが必要です。これは300万XEM以上の保有や高性能な設備があればスーパーノードになれますが、維持費は莫大な金額がかかるものの、報酬が少ないためメリットが少ないです。
③ネム(XEM)に対してネガティブなイメージがある
国内では、仮想通貨の交換業者のコインチェックが2018年1月にハッキングされ、約580億円分のネム(XEM)が流出しするという事件が起きました。
これは、顧客の仮想通貨を保管していた口座の「暗号鍵」がハッカーに盗まれてネム(XEM)が流出し、ウェブ上で約150の口座に入金されるというものでした。発信元を追えない「ダークウェブ」上にネム(XEM)を別の仮想通貨と交換する闇サイトが現れ、不正と知りながら交換する人が続出し、約1カ月半でほぼ全てが交換されました。
この事件により、取引所の問題とはいえ、ネム(XEM)にはネガティブなイメージが付いてしまいました。
ネム(XEM)の購入できるオススメ取引所
ここでは、日本国内で購入することができるネム(XEM)のオススメ取引所をご紹介します。
Coincheck(コインチェック)
- 国内ダウンロード数No.1の使いやすいアプリ
- 国内最多の全16種類の仮想通貨を取り扱っている
- 東証一部上場企業が親会社で信頼性が高い
東証一部上場企業であるマネックスグループが親会社のため、信頼性が非常に高く、初心者の人でも安心して取引することができます。また、アプリの国内ダウンロード数No.1という点も重要なポイントです。直感的に操作できるため、初心者でも特別な操作をせずに使うことができます。
操作面で不安がある人や、信頼性の高い取引所を使いたい人にはオススメです。
DMM Bitcoin(DMMビットコイン)
- 国内で唯一のレバレッジ取引が可能
- 全12種類の仮想通貨を取り扱っている
ネム(XEM)だけではなくその他のアルトコインもレバレッジ取引に対応しています。少ない資金で効率よく仮想通貨を取引をしたい人にオススメです。
しかし、DMM Bitcoinのレバレッジ取引は1日ごとに手数料が発生するため、ネム(XEM)を長期保有する場合は手数料が積み重なるので注意しましょう。
GMOコイン
- 高性能チャート「TradingView」が使える
- スマホ用の取引ツールが本格的
- 小額から入金が可能
ネムの価格を予想するのに役立つテクニカル指標がいくつも用意されており、チャートの時間足は9種類と豊富にあります。本格的にチャートを使いながら、ネムの取引をしたい人におすすめの取引所です。
また、GMOコインの入金最低額は1,000円からとなっています。小額からネム(XEM)の購入を行うことができるため、大きな金額を支払うのが不安という人にもオススメです。
ネム(XEM)の今後について
ここでは、ネム(XEM)の今後の見通しをご紹介していきます。
2020年に最も値上がりした仮想通貨
コインチェック株式会社は2020年のサービスの利用動向を公開しました。そして、この調査結果により、Coincheckで取り扱っている仮想通貨14種類(※2020年12月当時)のうち、2020年で最も値上がり率が高かったのはネム(XEM)であることを発表しました。
2020年末におけるネム(XEM)の価格は20.099円を記録し、1年間で5.8倍と大幅な値上がりを見せました。ネム(XEM)に次いで値上がり率が高かったのはイーサリアム(ETH)、ビットコイン(BTC)でした。このようにネム(XEM)は勢いのある仮想通貨であることは間違いないといえます。
ネム(XEM)とシンボル(XYM)のロードマップ発表
2021年4月にネム(XEM)とシンボル(XYM)の今後の開発計画であるロードマップが公開されました。
現在、ネム(XEM)は新しく誕生したシンボル(XYM)と、従来のNIS1という2つのブロックチェーンを並行して運用していますが、今回発表されたロードマップは両方のブロックチェーンに関する開発プランとなっています。
公開されたロードマップから、今後はモザイクの売買と取引がシンボル(XYM)のブロックチェーン上で行える分散型取引所の開発や、モザイクやウォレット機能の拡充などを予定していることが明らかになりました。
このロードマップ通りに開発が進めば、ネム(XEM)に対する需要が増加し、仮想通貨としての価値も上昇していく可能性が非常に高いといえるでしょう。
実店舗での決済サービスが増えていく
ネム(XEM)は前述したように、強いコミュニティがあり、ビットコイン(BTC)のように実店舗で使えることがあります。
シンボル(XYM)が登場したことで、より一層処理スピードがあがり、クレジットカードに匹敵するほどと言われています。そのため、今後はより使用できる店舗が増えていくことが予想されます。
【まとめ】ネム(XEM)は将来期待される仮想通貨
ネム(XEM)は2021年3月にシンボル(XYM)という新しいブロックチェーンを始動させました。
2021年4月にはネム(XEM)とシンボル(XYM)のロードマップも公開され、今後はモザイクの売買と取引がシンボル(XYM)のブロックチェーン上で行える分散型取引所の開発や、モザイクやウォレット機能の拡充などを予定していることが明らかになりました。
また、コインチェック株式会社が2020年のサービスの利用動向を公開し、Coincheckで取り扱っている仮想通貨14種類(※2020年12月当時)のうち、2020年で最も値上がり率が高かったのはネム(XEM)であることを発表しました。
さらに、シンボル(XYM)の登場により、実店舗での活用が増加していく可能性が非常に高い通貨であることが明らかになりました。
このように、ネム(XEM)は今後も成長性のある通貨ということが伺えます。
ネム(XEM)は、世界中から将来を期待されている通貨の1つです。ネム(XEM)の動向をしっかりチェックして、購入するタイミングを逃さないようにしましょう。
執筆者 西村大樹