仮想通貨取引を始めようと思った時に必ず必要となるウォレット。
「仮想通貨のウォレットって何を使えばいいの?」
「イーサリアムを取り扱うならMEWwalletがいいって聞いたけど使い方が分からない」
そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。暗号資産を保管しておくためのウォレットは、MetaMask、MEW、Bitcoin Coreなど様々な種類があり、取引する暗号資産に対応しているものを用意しなくてはなりません。
本記事ではイーサリアム対応のウォレットであるMEWwalletについて使い方や基本情報を詳しく解説します。
イーサリアムの取引を考えていて開設するウォレットに悩んでいる方は是非参考にしてみてください。
目次
MEWwalletとは
MEWwalletとはスマートフォンで管理できるイーサリアムウォレットアプリケーションです。仮想通貨を取引したことがある方なら「MEW」でピンとするかもしれませんが、マイイーサウォレット(My Ether Wallet)のスマートフォン版がMEWwalletになります。
MEWwalletではイーサリアムの送金入金をはじめとしたMEWの機能がすべてスマートフォンで利用できます。
MEWwalletの機能
ではMEWwalletでは何ができるのか、MEWwalletの特徴や機能を詳しく見ていきます。
①手軽にイーサリアムの購入ができる
MEWwalletを利用すれば銀行のキャッシュカードやアップルペイなどから直接イーサリアムを購入することができます。
②分散型のウォレット
MEWwalletは完全な分散型ウォレットです。そのためセキュリティ性が非常に高く、外部からの不正な侵入が難しい仕組みになっています。
分散型ウォレットのセキュリティが高い理由
分散型ウォレットのセキュリティが高い理由には「分散型管理」というものが挙げられます。
従来のアプリケーションや金融システムは中央集権型と呼ばれ、中央管理者がすべてのシステム管理を行う構造です。
そのため中央管理者はユーザーの個人情報や、銀行であれば口座残高などの情報をすべて把握していて、万が一中央管理者にハッキングやサーバーダウンといった問題が発生すると、取引の停止や個人情報の流出につながる恐れがあります。
このリスクを最大限排除する為、中央管理者のセキュリティシステムは非常に高度なものを採用する必要がありました。
これに比べて分散管理型のシステムはユーザーの情報管理はユーザー自身が行うことで、データがサーバーアップロードされず、物理的にハッキングされるリスクを低減しています。
特別なセキュリティシステムを構築しなくても、非常に高いセキュリティ性を保てるのが分散型管の最大のメリットとも言えるでしょう。
分散型管理のデメリットに対するMEWwalletのサポート
分散型のアプリケーションでは万が一ログインパスワードを忘れてしまったり、デバイスの紛失といった事態が発生すると、中央管理者が存在しない為、パスワード再発行といったリカバリーサポートがありません。
MEWwalletではそういったデメリットに対して以下のような対策が取られています。
- ユーザーのデバイスにローカルなアクセスキーを保存することでアカウントの安全性の維持
- デバイスの紛失や盗難の際には口座資金のリカバリー対応をしてくれる
スマートフォンは紛失や盗難リスクが高いので万が一の事態にもしっかりとしたサポート体制が用意されているMEWwalletは安心して利用することができます。
③すべてのERC-20トークンに対応
MEWwalletはERC-20規格のトークンであればウォレットに対応するトークンに変換することなくすべて取り扱うことが可能です。
ERC-20トークンとはイーサリアムのブロックチェーン上に構成された暗号資産のことで、現在多くのトークンがERC‐20トークンで開発されています。
以下はERC-20トークンの一覧です。
- BNB:バイナンスコイン
- USDC:USDCoin
- MKR:Maker
- VET:VeChain
- TUSD:TrueUSD
- OMG:OmiseGo
- ZIL:Zilliqa
- ZRX:ZRX
これ以外にもERC-20トークンは多数存在します。最近流行りのNFTの規格もERC-20をベースに構築されていて、主流となるウォレットのほとんどがこの規格に対応しています。
しかしウォレットによってはERC-20トークンを一度対応可能な独自トークンに変換してから利用するものも少なくなく、変換なしであらゆる暗号資産を取り扱うことができるMEWwalletは非常に汎用性の高いアプリケーションとなっています。
④サムスンブロックチェーンキーストアサポート
MEWはサムスンブロックチェーンと提携しています。MEWwalletのパスワードをサムスンブロックチェーンキーストアと統合することで、高いセキュリティ性を安全に保つことができます。
ちなみにサムスンブロックチェーンキーストアサポートは海外向けのギャラクシーにはすでに標準装備されていますが、国内のギャラクシーシリーズへの搭載予定は未定となっているので、国内のギャラクシーユーザーは今後の動向に注目です。
⑤複数アカウントの作成
MEWwalletのアカウントは複数開設することが可能です。使用用途に合わせてアカウントを使い分けることで、NFT取引用、ビジネス用、プライベート用などそれぞれのアカウントを独立管理できるので利便性が向上します。
⑥MEWのすべての機能が利用できる
MEWwalletではMyEtherWallet.com に接続することでデバイス上ですべての拡張機能が利用可能になります。
MEWwebに接続したときに使用できるすべての拡張機能は以下の通りです。
- トークンのスワップやトレード
- メッセージに署名
- スマートコントラクトの展開
- Defiの参加
- ENS名の登録
- MEWwalletの問い合わせ
外出先からもMEWの機能がすべて利用可能なので万が一の場合にも安心ですね。
【補足】ENS名とは
ENSはEthereum Name Service(イーサリアムネームサービス)の略称で2021年11月にリリースされたばかりのイーサリアムの新サービスです。
このサービスを利用するとウォレットなどの口座アドレス(通常42桁)を3~6文字 程度の短いアドレスに変換することが可能になります。
アドレスを短くすることで、暗号資産の入金の際に必要となるアドレスの入力ミスを低減したり、自分のアドレスを覚えやすくするといったメリットがあります。
MEWwallet以外の仮想通貨のウォレットにはどんなものがあるの?と疑問に思った方はこちらの記事も参考にしてみてください。
仮想通貨のウォレットに関する記事はこちら
MEWwalletのインストール方法
ではMEWwalletの基本情報が分かったところでインストール方法の解説です。MEWwalletのインストールは簡単で、アプリをダウンロードしてアカウントを登録するだけになります。手順を順番に見ていきましょう。
手順①MEWwalletをダウンロード
まずはMEWwalletをダウンロードしなくてはいけません。パソコンでMEWのホームぺージにアクセスしてダウンロードするか、スマートフォンのGoogle Play(androidユーザー向け)かApp Store(iPhoneユーザー向け)のどちらかを選んでダウンロードしましょう。
ダウンロードが完了したらインストールをタップ。
MEWwallet開くとこのようなトップ画面が表示されます。
この時点でMEWconnnectのアカウントをお持ちの方は、「MEWconnnectと接続しますか?」と聞かれますので同期すればMEWwalletの登録は完了です。
とはいえこの記事を読んでいただいているほとんどの方がMEWconnnectのアカウントを持っていないと思うので、トップ画面の“Create a free wallet”をタップしてアカウント登録に進みます。
手順②MEWwalletのアカウントを作成する
Create a free walletをタップすると以下のような画面に切り替わります。
全部英語ですが内容はざっくりと以下の通りです。
- バックアップを設定することであなたのアカウントのバックアップを安全に保護します。もしバックアップを設定していなければあなたがパスワードを忘れてしまった時にアカウントの復元ができず、資金を失ってしまいます。
- いつもダブルチェックをしています。もしあなたあが間違ったアドレスに送金してしまった場合でも処理を復元することで資金を失うことがありません。
- フィッシング詐欺に注意してください。どんなにいい話であってもそれは詐欺であるかもしれません。
一番下のCreate a walletをタップして次の画面に進みます。
手順③PINの設定
次の手順ではPINを設定します。PINとは暗証番号のことで6ケタの好きな数字を決めましょう。PINは高度な暗号化システムのため長い文字列のパスワードと同じセキュリティ性能があるので安心して登録を進めて問題ありません。
一度設定すると次画面で再度PINの入力を求められるので、もう一度同じPINを入力します。
手順④生体認証の登録
PINの設定が終わると“Enable biotetory unlock”と表示され生体認証によるロック解除を設定するか聞かれます。設定する場合はEnable biotetory unlockをタップ、しない場合はSKIPをタップします。
お使いのデバイスにより指紋認証やフェイスIDがあるようですが、私の端末では指紋認証でした。登録の方法は次画面で指紋を登録するだけです。
手順⑤登録完了からバックアップ設定までの流れ
アカウントのログイン設定が完了すると以下のような画面に切り替わるので一番下のStart using MEW WALLETをタップします
ちなみにこんなことが書かれています。
あなたのイーサリアムアドレスを生成しました。PINを利用してパスワードを暗号化します。
暗号化されたパスワードをあなたのデバイスのローカルの部分に保存します。
全部完了!
あなたのウォレットの準備が出来ました。
次画面ではバックアップを登録するかどうか聞かれるのでBAKUP NOWを必ずタップしましょう。バックアップの重要性はMEWwalletからのアナウンスに記載されています。
あなたの資産を守るためにウォレットのバックアップを取りましょう。バックアップを設定しなかった場合、このデバイスを紛失や破損してしまうと永遠にMEWwalletにアクセスすることができなくなります。
レアケースですがデバイスのソフトウェア自体の破損によりアクセスができなくなる場合もあります。
いずれの場合にしてもアカウントに永久的にアクセスできなくなることに違いはありません。このようなトラブルを防ぐためにもバックアップを取ることをお勧めします。
手順⑥バックアップ用のキーワードをメモします。
ではバックアップに進みます。
バックアップは24個のキーワードをメモし、指定された順序のキーワードを打ち込むことで完了します。キーワード画面はセキュリティ上お見せできないので紙とペンを用意してSTARTをタップして画面通りに進んでください。
上手く完了するとこのような画面に切り替わります。
Doneをタップしたらバックアップは完了です。
先程メモした紙は絶対になくしてはいけません、これを紛失してしまうと今度こそアカウントに永久にログインできなくなります。
MEWwalletの基本的な使い方
アプリのトップ画面を開くと画面下側がメインメニュー、トップがETHの残高表示になっていて、この画面でイーサリアムの取引を行います。
イーサリアムを購入する方法
まずはイーサリアムを購入してみましょう。MEWwalletではクレジットカードで直接ETHを購入できます。まずはトップ画面からBuy Etherをタップ。
購入画面に切り替わるので円で購入する場合は右上のタブからJPYを選択し、Buy nowをタップします。あとは購入したい金額をタップするとMEWconnnectへアクセスしクレジットカード情報の入力です。
画面下部に言語を選択するタブがあるのでJapaneseを選択すると分かりやすいでしょう。必要項目を入力すれば購入完了です。トップ画面にてETHの残高が増えていることを確認して下さい。
その他の機能
トップ画面では他にも便利な機能が用意されており、トップ画面右上のガソリンマークをタップするとその時点でのGweiを確認することができます。
GweiとはNFTの取引などイーサリアムチェーンを利用したときに発生する手数料のようなもので、Gweiが少ないほど取引の手数料が安くなります。
このGweiは時間帯で変動する為、手数料を節約する場合は安い時間帯を外部サイトで探す必要がありましたがMEWwalletを利用すればその時のGweiがすぐわかるので調べる手間が省けるので便利です。
他の機能として、ステーキングを行いたいときは画面下のメニューからearnを選択すると現在ステーキングできる仮想通貨が一覧表示されます。
合わせてステーキングによる金利も記載されているので一番金利が高い仮想通貨を選ぶ事も容易です。
この他にも、ETHの送金ERC-20トークンのマーケット、他の暗号資産のスワップなども簡単に処理ができるので非常に使いやすいアプリケーションと言えるでしょう。
もしアプリケーションだけじゃなくてブラウザのMEWを使ってみたい、と思った方はこちらに詳細な登録方法の記事がありますので是非参考にしてください。
MEWの登録方法に関する記事はこちら
【まとめ】イーサリアムのウォレットならMEWwalletがおすすめ
以上がMEWwalletの解説でした。仮想通貨のウォレットは今後仮想通貨の経済圏が普及するにつれて必ずと言っていいほど必要なアプリケーションになります。
特に現在NFTやGamefiに使用できる暗号資産のトークン規格はERC-20が主流となっており、「これから仮想通貨で様々な取引を始めてみようかな?」という方はイーサリアム系のウォレットがおすすめです。
今回ご紹介したMEWwalletはイーサリアムを取り扱うには非常に利便性の高いアプリケーションで、何よりスマートフォンで送金からETHの購入まで完結できるのは個人的には非常に高評価です。
もしERC-20規格のトークンもしくはETHを取り扱うウォレットで何を使えばいいか悩んでいる方はMEWwalletをインストールしてみてはいかがでしょうか?
執筆者 西村大樹