ウォルフ波動とは?有効な使い方やエリオット波動との違いを詳しく解説

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ウォルフ波動というテクニカル分析の方法をご存じでしょうか?

「聞いたことはあるけれど使い方が分からない」

「実際ウォルフ波動って有効な分析方法なの?」

結論から言えばウォルフ波動は簡単に使うことができて、条件が当てはまる場合は非常に有効な分析方法になります。

本記事ではなるべく簡単に分かりやすく、ウォルフ波動の使い方について解説しているので、「なんだか難しそうな言葉が並んでいるから」とウォルフ波動についての勉強を嫌煙していた方も是非参考にしてみてください。

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ウォルフ波動について

ウォルフ波動についてのイメージ画像

ウォルフ波動とは、有名な投資家であるビル・ウォルフ氏とブライアン・ウォルフ氏の2人が考案したトレンドの逆張りに有効な波動理論のことを言います。

ウォルフ波動は「市場は大きな値動きの後には必ず、価格を戻そうとする力が働く」という理論が基になって考案された分析方法で、相場の方向性を確認(環境認識)するときに有効です。

ウォルフ波動の使い方

ウォルフ波動の使い方のイメージ画像

ウォルフ波動は特定のチャートパターンの中で発生した波を1~5波でカウントし、1波目の高値と4波目安値を結んだ直線の延長線上に5波目が進行するという理論です。

なので基本戦略は5波目に沿った方向にエントリーし、直線と交差したところが利益確定のポイントになります。

ウォルフ波動の数え方

ウォルフ波動のイメージ画像

この様にウォルフ波動の使い方は非常にシンプルで分かりやすい分析方法であることが分かります。しかし利益確定ポイントの向きからもわかるように、この分析方法はトレンド方向に逆らう「逆張り」がメインとなる手法です。

トレンドの転換点では大きな利益を狙うことができますが、トレンド継続中の一時的な逆行であれば利益確定は小さなものとなるので使いどころには注意が必要です。ウォルフ波動のみを過信せず、チャートパターンの形状から大筋のトレンドを念頭に入れた分析も合わせて行うとよいでしょう。

 【補足】

エントリーの方向性にはトレンドに沿った「順張り」とトレンドに逆らった「逆張り」の2つが存在します。今回のウォルフ波動では逆張りを主体として解説していますが順張りについても興味がある方は是非以下の記事も参考にしてみてください。

順張りに関する参考記事はこちら

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ウォルフ波動が有効な環境

ウォルフ波動は特定のチャートパターンでは特に有効なテクニカル分析です。その有効なチャートパターンは主に、「ウェッジ」「フラッグ」「レクタングル」の3種類になります。これらのチャートパターンが出現したときにはウォルフ波動を当てはめて、5波目から利益確定ポイントを狙うのが一般的な手法です。それぞれのチャートパターンの特徴を確認していきましょう。

有効なチャートパターン①「ウエッジ」

ウェッジはトレンドラインとチャネルライン(トレンドラインと平行な直線)の幅が徐々に小さくなっていくチャートパターンを言います。

ウェッジのイメージ画像

ポイントはトレンドラインとチャネルラインの向きが揃っていることです。

似たようなチャートパターンに「ペナント」と呼ばれるチャートパタンがあるのですが、ペナント発生時はウォルフ波動があまり有効ではないので注意しましょう。

ペナントのイメージ画像

上記はペナントのイメージですがトレンドラインとチャネルラインの向きが揃っておらず、高値と安値を更新しなくなっているのが分かります。ペナントはトレンド継続の調整期間と考えることが一般的で、一気にトレンドが伸びる可能性を示唆しています。

この場合5波は利益確定ポイントに到達することが少なく、狙う利幅も小さいのでリスクに対する優位性があまりありません。ペナントではウォルフ波動が有効とされない理由はこのためです。

さらにもう一つペナントとよく似た「三角持ち合い」と呼ばれるチャートパターンも存在し、こちらは新しいトレンド発生の前触れを示唆しています。

そのためテクニカル分析があてはまらないことが多く、エントリーを見送るチャートパターンとして一般的です。

これらの3つは少し紛らわしいチャートパターンですがウェッジだけはしっかりと区別できるように訓練することでウォルフ波動がとても有効に使えるようになるでしょう。

有効なチャートパターン②フラッグ

フラッグはトレンドラインとチャネルラインが完全に並行で、旗のような形を作るチャートパターンです。

フラッグのイメージ画像

上昇トレンド中に発生したフラッグを上昇フラッグと言い下降トレンド中に発生したフラッグを下降フラッグと言います。

このパターンはトレンドの継続を示唆していることが多く、トレンド調整期(一時的にトレンドに逆行する小さな値動き)に発生する場合がほとんどです。

発生頻度は多くはないですがフラッグが特定の条件下で出現すると、ウォルフ波動と組み合わせることで低リスク、ハイリターンなエントリーが可能になる場合があります。

フラッグ+ウォルフ波動+フィボナッチリトレースメントを使った分析

以下のチャートのようにフラッグ発生かつ、ウォルフ波動の利益確定ポイントがフィボナッチリトレースメントの38.2%に近似している環境では、ウォルフ波動の利益確定ポイントをエントリーポイントに変えるだけで大きな利益を狙うことができます。

フィボナッチリトレースメントのイメージ画像

この手法は強いトレンド発生の条件を満たしていて、そのトレンド発生の起点が「フラッグ」、「ウォルフ波動」、「フィボナッチリトレースメント」の3点から確認できた場合にのみ有効です。

リスク管理は、損切位置とエントリーポイントを同じにすることで低リスクハイリターンなトレードが可能になります。

しかしこの方法はかなり条件が厳しいことと、出現頻度も非常に低いことから「もし見つけたらチャンス」くらいの位置づけで覚えておくといいでしょう。

フィボナッチリトレースメントとは

フィボナッチリトレースメントとは一定期間のトレンドに対して一時的な逆行(押し目や戻り目という)の底値を狙うテクニカル分析の一つです。

押し目の算出方法は黄金比と呼ばれる「フィボナッチ比率」を用いて計算し、トレンドのピークから23.6%、38.2%、50%、61.8%戻した地点に4本のラインを引いて判断します。

フィボのイメージ画像

フィボナッチリトレースメントでは逆行が早い段階で終わるほどトレンドの継続力が強い傾向にあります。

よく意識される値は38.2%と61.8%で、この2つの値では値動きが活発になったり、利益確定や損切の注文が多く入っている場合があります。

有効なチャートパターン③レクタングル

レクタングルとは長方形の形をしたチャートパターンを言います。

レクタングルのイメージ画像

非常によく似たチャートパターンに「ボックス」というものもありますが今回はレクタングルに焦点を当てて解説します。

レクタングルは比較的トレンド継続時に発生するパターンなので逆張りが主体となるウォルフ波動とは相性が悪そうですが使い方によっては相性の良いチャートパターンにもなります。

レクタングル2のイメージ画像

上記の画像はレクタングル発生時のウォルフ波動のイメージです。本来であれば⑤でエントリー、⑥で利益確定となりますが、レクタングル発生時はトレンドが継続する可能性が高いので⑥でのエントリーも狙っていくことで、売りと買いの双方を取れるチャンスにもなります。

ウォルフ波動が有効な時間足

ウォルフ波動はスキャルピングのような数分間で完結するトレードには向いていません、短くても1時間以上の足で見ることが大切です。

その理由としては短期の足になるほど値動きが細かく、波動が捉えにくいという点にあります。以下の画像を見比べてみてください。

見比べのイメージ画像

左が4時間足のチャートで、右が1分足のチャートです。スケールをそろえて波を数えると1分足の方が値動きが細かく、波を数えにくいことが分かります。

「拡大して見やすくすればいいじゃないか」ともなりそうですが、相場の環境を確認するウォルフ波動をあまりにも細かい時間足で確認すると、本来の分析が機能しなくなってしまう恐れがあります。

ウォルフ波動はあくまで相場の環境を確認する分析方法なのでエントリーと利益確定ポイントにばかり気を取られ、「木を見て森を見ず」にならないように注意しましょう。

実際のチャートを用いたウォルフ波動を見つける手順

実際のチャートを用いたウォルフ波動を見つける手順のイメージ画像

実際のチャートからウォルフ波動を探す手順は2つだけです、それぞれ順番に説明していきます。

ウォルフ波動を使う手順①有効なチャートパターンを見つける

まずは有効なチャートパターンを見つけます。探し方のコツはトレンドラインとチャネルラインをたくさん引くことです。

本来であればウォルフ波動は将来の値動きを見極めるために使うものなので、パターン形成途中にトレンドラインを引きますが、慣れないうちはすでに完成しているチャートにトレンドラインを引いてパターンを探す練習をするのも有効です。

ウォルフ波動を使う手順②波を数える

チャートパターンが見つけられるようになったら波を数えていきます。有効なチャートパターンを見つけたからと言って必ずしもウォルフ波動が当てはまるとは限りません。

トレンドラインに届かない場合もあれば少しオーバーして波を作る場合もあり、このあたりの波を数えるサジ加減は積んできた経験に左右されます。

慣れないうちはきれいな波動を描いているときのみエントリーすることで勝率の向上につながるでしょう。

実際のチャートを用いたウォルフ波動の例

以上を踏まえてウォルフ波動が機能するポイントを探してみましょう。ウォルフ波動はそもそも出現頻度が低いので、まずは見つけやすいウエッジのパターンを探すのがコツです。

ウエッジが確認できるウォルフ波動

ウォルフ波動のイメージ画像

2波目の戻しがやや弱いですが⑤からの下落を利益確定のポイントまでしっかり下落していることが確認できます。

エリオット波動について

エリオット波動についてのイメージ画像

ウォルフ波動とよく似たテクニカル分析の方法にエリオット波動というものがあります。このエリオット波動も波を数える分析手法でウォルフ波動と似ていますが、分析する内容が異なる為、混同しないように注意しましょう。

エリオット波動とは

エリオット波動は「一つのトレンドサイクルは推進5波、調整3波で構成される」という集団心理を基本にした理論です。

推進とは、上昇トレンドであれば上昇方向に進み、下降トレンドであれば下降方向に進む値動きのことで、調整波とはトレンドに逆行する値動きのことを言います。

エリオット波動のイメージ画像

これらの波にはすべて意味があり、エリオット波動基本的な考えは以下の通りです。

  • 推進波1,2,3の中で3波が一番短くなることはない
  • 推進波2が推測波1より安値を付けることはない
  • 推進波4が推進波1の高値を下回ることはない

この条件を満たしている場合にのみエリオット波動は有効で、一般的な手法としては推進波3を取りに行く戦略を立てるのが基本になります。

エリオット波動とウォルフ波動の違い

エリオット波動もウォルフ波動も相場の状況を確認するための分析手法です。しかしこの2つは分析する内容が異なる為、もし併用する場合は注意が必要です。

以下ではエリオット波動とウォルフ波動の分析内容の違いを簡単に紹介するので、「エリオット波動とウォルフ波動の違いがよく分からない」という方は参考にしてみてください。

エリオット波動とウォルフ波動の違い①環境認識のスパンが違う

エリオット波動とウォルフ波動では相場環境の認識の幅が違います。

エリオット波動は相場の全体像を把握し、現在の価格はトレンドサイクルの何波目に相当するかを考える分析方法です。対してウォルフ波動は一時的な逆行がどの程度進むのかを分析しています。

なのでエリオット波動は4時間足以降の比較的長期目線での分析が有効で、ウォルフ波動はそれよりも少し短期の目線での分析が有効になります。

実際に併用する際はエリオット波動の調整波をウォルフ波動で細かく分析するようなイメージになります。

エリオット波動とウォルフ波動の違い②利益確定ポイントの有無

エリオット波動ではトレンドサイクル全体を見る分析方法なので、「もしエリオット波動が完成するならここの安値は割らないはず」というような仮定をもとにエントリー根拠と利益確定のポイントを決定します。

しかしウォルフ波動では5波目を確認してからあらかじめ決めておいた利益確定ポイントに向けてエントリーするので推測の入る余地が少なくなります。

どちらの手法が効果的とは断言できませんが、誰にでも使いやすいのはウォルフ波動ではないでしょうか。

エリオット波動とウォルフ波動の違い③戦略の幅が違う

エリオット波動はそれ単体でエントリーの根拠とすることが少なく、エントリーの根拠をより明確にするために他のインジケータと併用して使用するのが一般的です。そのためエリオット波動を構成するどこの波を狙うかによって使うインジケータも変りますし、戦略も順張り、逆張りと変化します。

エリオット波動を見極めることができればバラエティに富んだトレード戦略を立てられるので、エントリーチャンスを増やして効率よく資産を増やすにはぴったりの手法と言えるでしょう。ただしその分損失のリスクが増してしまうので注意が必要です。

ウォルフ波動はというと単体で使用でき、注目するポイントは5波目と利益確定ポイントの2点だけです。

使用できる条件も限られてくるので、エントリーチャンスが少ない分資産が増えるスピードは遅いですが、エントリーの勝率ではウォルフ波動の方が高い傾向にあります。

どちらの手法を使うのか、それとも併用するのかは自分のリスク許容度と相談しながら柔軟に使い分けるといいかもしれません。

【まとめ】ウォルフ波動は使いこなせば有効な分析手法

ウォルフ波動の紹介は以上です。実際に有効となる場面が限定されていることからあまり重要視されていない分析手法ですが有効な場面ではこれほど効果的な分析方法はないでしょう。

その他のインジケータと組み合わせなくてもラインを引くだけで簡単に分析できるウォルフ波動はテクニカル分析に慣れていない方は是非実践してみてほしい分析方法の一つです。

まずはデモトレードで検証し、その効果を確認してみてください。

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 注意:今回ご紹介した分析方法はほんの一例です。勝率の向上や分析の効果を確約するものではありません。投資は必ず自己判断、自己責任で行い、紹介した手法は必ずご自身で検証してからお使いください。
執筆者 西村大樹