IOST(アイオーエスティー)の今後は? 特徴と買い時もわかりやすく解説

IOST(アイオーエスティー)は、2019年2月にメインネットをローンチした仮想通貨(暗号資産)です。

日本では、2020年9月に仮想通貨取引所CoinCheck(コインチェック)へ上場したことを機に、一気に注目が高まりました。第3世代のブロックチェーン技術を目指しているIOST。話題性も高く、IOSTを投資先として選ぶことを考えている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、IOSTの今後について、特徴や価格動向なども踏まえつつ解説します。

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IOST(アイオーエスティー)のリアルタイムチャート


IOSTとは

 

引用元:IOST公式サイト

IOST(アイオーエスティー)は、スマートコントラクトを利用した分散型アプリケーションを構築するためのプラットフォームです。同時に、世界に2500種類以上あるとされる仮想通貨のひとつでもあります。

IOSTは2018年1月に、アメリカ・シリコンバレーにて成功を収めた起業家らによって設立された非営利財団によってローンチされました。正式名称は「Internet of service token」。

IOSTは、クレジットカードと同等の処理能力のブロックチェーン技術を持ち合わせており、さまざまな分野で活用できるようになることを目指しています。特に、オンラインサービスでのインフラとしての役割を担うことに注力しているようです。

最大供給量は210億枚です。仮想通貨として有名なビットコイン(BTC)の最大供給量は2,100万枚であるため、IOSTは希少価値で見るとそれほど高くないことがわかります。

IOSTの現在のチャート

 

IOSTの特徴

海外発のIOSTには、他の仮想通貨にはない特徴が多く存在します。なかでも、処理能力の高さは群を抜くレベルです。ここでは、IOSTにはどのような特徴があるのか見ていきます。

特徴①PoB実装で高速な処理能力を実現

IOSTには、コンセンサスアルゴリズムであるPoB(Proof-of-Believability)が実装されています。

これにより、銀行のような中央管理者を必要とせずして、

  • 情報流出などのセキュリティ面に強い非中央集権
  • 高速な処理能力
  • 分散型経済のセキュリティの担保

以上3つを実現できたわけです。

参考までに、ビットコイン(BTC)ではPoW(Proof of Work)を実装しています。こちらは、取引量が増えると処理速度が落ちてしまったり、手数料が上がってしまったりするといった部分が弱点です。その一方で、IOSTは処理速度を維持した取引が可能となっています。

現在のIOSTの処理速度は8,000TPSといわれており、すでに主要アルトコインの1つとされるイーアリサム(ETH)のスピードを超える処理能力を持ち合わせているようです。

特徴②EDS実装で認証速度の高速化を実現

IOSTは、仮想通貨が抱えやすい問題のひとつである「スケーラビリティ」を独自のシャーディング技術であるEDS(Efficient Distributed Sharding)を実装することで見事に解決しています。

これにより、負荷のある情報を取り扱う際もシステム作業を分担・並行して処理できるようになり、取引発生時の作業速度を上げることができているのです。

参考までにスケーラビリティとは、システム利用者が増えた際に負荷が大きくなったり他の用途を求められたりした際に、柔軟に性能や機能、拡張それぞれを高めることができるかという問題をいいます。

IOSTはPoBとEDSの2つを実装することで、ビットコイン(BTC)やイーアリサム(ETH)を遥かに超える送金スピードの実現に成功しました。

特徴③ノードの負担が少ない

IOSTでは、最新のブロックさえ保存すればノードになれるという画期的な仕組みを採用しました。これにより、ノードの負担は大幅に減らすことに成功しています。以前はノードになるためには過去のすべてのブロックを保存しなくてはならず、負担が大きなものになっていました。

参考までに、ノードとは分岐点や中継点といったことを意味しており、仮想通貨の場合は取引所のネットワークに参加するコンピューター端末のことをいいます。

特徴④ホワイトリスト入りで取引時も安心

ホワイトストに入っている仮想通貨は、投資家からの評価や信頼性が高くなることから、一般的には安心して取引できるといわれています。投資をする側としても、ホワイトリストに入っている仮想通貨をできれば選びたいと考えている方が多いのではないでしょうか。

IOSTは、金融庁に登録されている国内取引所で取り扱いのある仮想通貨としてホワイトリスト入りしました。日本国内でCoinCheck(コインチェック)に続いて、他の仮想通貨取引所でIOSTの取扱いが可能となれば、認知度も高まり結果的に価格水準が上がることも十分考えられます。

IOSTの今後

IOSTはさまざまな領域でのインフラとして活用される可能性を秘めていますが、具体的に今後はどのようなことが期待できるのか気になる方も多いのではないでしょうか。ここからは、注目すべきIOSTのポイントについて見ていきます。

①Java Scriptを使用しており新規領域へ参入する可能性は高い

IOSTに使用している言語はJava Scriptです。世の中の大半のエンジニアやプログラマーが使用するプログラム言語であることから、新たにプロジェクトやシステムへ参入する際も他の仮想通貨と比べればハードルが低いとされています。そのため、IOSTの将来性は極めて高いといえるでしょう。

すでに日本国内では、IOSTを活かした再生可能エネルギーの自動取引システムやヘルスケア領域といった複数のプロジェクトでの取り組み始まっています。それぞれ、プロジェクトの進捗状況の報告も行われているようです。

現在IOSTが連携するプロジェクトには、分散型アプリケーション「DApps」の構築や医療データ共有システム「Pracs」、NFTを売買するためのプラットフォーム「The TokenLink NFT Marketplace」といったものが挙げられます。

開発のしやすさから、今後も多くの領域でIOSTが活かされる可能性は十分あります。どのようなプロジェクトへ参入していくのか目が離せません。

②処理能力の高速化を予定

IOSTの最大の特徴でもある処理速度は、現在8,000TPSとなっています。すでに、クレジットカードの2倍もの処理速度に到達しているのです。8,000TPSとは、1秒間に8,000件処理できることを意味します。

今後、IOSTはさらに100,000TPSまで処理速度を高速化することを予定しているようです。1秒間に100,000件処理できるようになれば、さらなる領域への参入も考えられます。

現時点でも他の仮想通貨と比較して処理能力が極めて高いことから、送金や決済といった領域での活用も今後十分期待できることでしょう。

③DiFi分野での成長も期待大

IOSTは、分散型金融といわれるDiFi分野でも積極的に活動しています。DiFiの関連銘柄としてIOSTは注目を集めているため、今後DiFi分野がどうなるかによって価格が影響を受けると考えて問題ないでしょう。

ブロックチェーン技術とコンセンサスアルゴリズム PoBは親和性が高いことから、金融商品や資産といった領域での活用も十分考えられます。

DiFiとは、Decentralized Financeの略したもので、金融サービスに中央集権的管理者がいないものをいいます。つまり、誰もが管理者を必要としなくても、オンラインサービスを受けられるわけです。

IOSTは2019年からDiFiに参加しています。また、プロジェクトを推進するために日本円で1億円相当のファンド「Noah Oracle Fund」設立も果たしました。

IOSTの注意点 


IOSTは処理速度に優れており、開発しやすいことから今後も飛躍的な成長が期待できる仮想通貨です。ここでは、IOSTを投資先として決める前に知っておくべき注意点を紹介します。

価格変動が大きい

IOSTの時価総額は2021年7月時点で508億円です。以下のチャートは、2020年8月から2021年8月の1年間の価格変動を示しています。

引用元:Trading View

IOSTは、取引開始直後からしばらくは1円以下ということもあり、価格は下落傾向にありました。ところが、2021年2月には3.5円、4月には8円と価格が大きく上昇しています。

ビットコイン(BTC)やイーアリサム(ETH)といった仮想通貨に比べると、IOSTは価格水準が低いことから、価格変動が起きやすいといえるでしょう。そのため、急激に価格が下落する可能性が十分あることは把握しておくべきです。

IOSTを投資先として選ぶ場合は、他の仮想通貨への投資と並行して取り組むことをおすすめします。

情報量が少ない

IOSTは、ビットコイン(BTC)やイーアリサム(ETH)といった仮想通貨に比べるとマイナーであることから、ユーザーが手にできる情報量は圧倒的に少ないといわれています。

必要な情報を得るためにはIOSTの公式サイト・アカウントや仮想通貨に関連するネットサイト、SNSを中心に情報を集めるのがおすすめです。ただし、IOSTへ投資を行う上で役立つ情報はそれほど多くはないため、慎重に判断する必要があります。

日ごろから、情報収集するためにもIOSTの公式サイト・アカウントのチェックを行っておくといいでしょう。

IOSTの買い時はいつなのか


IOSTを投資先の候補として考えているけれど、買い時がわからないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。ここでは、IOSTの価格が上昇傾向になると予想されるタイミングをいくつか紹介します。IOSTで仮想通貨投資を始める際は、ぜひ参考にしてください。

①エアドロップの直前

IOSTはエアドロップの直前に買うのがおすすめです。エアドロップとは、仮想通貨の認知度や資金調達を目的とて行うものです。

一般的に仮想通貨は、エアドロップ時に価格が上昇しやすいといわれています。IOSTもこれまでエアドロップを複数回実施してきました。どうせならベストなタイミングでIOSTを買いたいと考える方は、エアドロップの直前で買ってみてはいかがでしょうか。

仮想通貨取引所がエアドロップに参加しているか確認する

IOSTを買う際は、仮想通貨取引所がエアドロップに参加しているか確認する必要があります。

例えば、2021年2月IOSTがエアドロップを実施した際、国内で唯一IOSTを取り扱う仮想通貨取引所CoinCheck(コインチェック)は参加していませんでした。そのため、CoinCheck(コインチェック)でIOSTを保有していたユーザーはエアドロップを受け取れていません。

また、エアドロップは実施する側が詳細を決めることになっているため、毎回同じ内容で実施するとは限りません。

エアドロップをもらうために仮想通貨取引所の口座を開設したのに、結局もらえなかったというような事態に陥らないためには、アナウンス後に詳細をきちんと確認したほうが確実でしょう。

②仮想通貨取引所へ上場する前

IOSTに限らず、仮想通貨は仮想通貨取引所上場前に価格が高騰しやすいといわれています。すでにお伝えしているとおりで、IOSTは今後、世界経済への発展に大きく貢献する可能性が高いです。そのため、これからIOSTを取り扱う仮想通貨取引所が増えることも十分考えられます。

ベストタイミングでIOSTを買いたいと考える方は、IOSTがマイナーなうちに買っておくといいでしょう。もっと早く買っておくべきだったと後悔しないためにも、IOSTへ投資するかどうかは早い段階で決断したほうがよさそうです。

③認知度が高まった時

IOSTは、ビットコイン(BTC)に比べるとマイナーな仮想通貨です。とはいえ、現在は国内外のさまざまなプロジェクトへの参入を果たしており注目されつつあります。

これから、何かしらのことがきっかけで認知度が高まった時に価格が上昇する可能性は十分あるわけです。チャンスを手にするためにも、日ごろからIOSTの動向をチェックすることをおすすめします。

④DiFiへ参入するユーザーが増えた場合

IOSTは、ブロックチェーン技術とコンセンサスアルゴリズムが強みの仮想通貨です。これらは金融商品や資産との相性が非常に高いことから、今後注目度が高まることが考えられます。

次世代金融市場ともいわれるDiFiの需要が高まり、参入するユーザーが増えた場合、IOSTの価格が上昇する可能性は十分あるといえるでしょう。それを見込んで今からIOSTを保有することは、賢い方法だといえます。

IOSTの買い方


IOSTを買う際は仮想通貨取引所を活用します。ここでは、具体的にどのような流れでIOSTを買うのか見ていきましょう。

国内の仮想通貨取引所から買う場合

2021年7月現在、国内でIOSTを取り扱う仮想通貨取引所はCoinCheck(コインチェック)のみです。IOSTを保有するまでの流れを以下にまとめました。

  1. Webサイトまたはアプリから会員情報を登録する
  2. 本人確認を済ませて口座を開設する
  3. コインチェックに日本円を送金しIOSTを買う

銀行口座を開設する感覚で誰でも簡単に口座開設できます。IOSTを買うまでの流れも特にむずかしい作業はないため、初めて利用する方も安心です。

海外の仮想通貨取引所から買う場合

IOSTは海外の仮想通貨取引所から買う場合、FTX、MXC、BINANCE、Huobiのいずれかから買うことができます。IOSTを保有するまでの流れを以下にまとめました。

  1. 国内の取引所からコインを買う
  2. 買ったコインを海外の取引所へ送金してIOSTを買う

海外の取引所から買う場合は、国内の取引所から何かしら一度コインを買わなくてはいけません。そのため、仮想通貨取引所の口座を開設する際は国内の仮想通貨取引所と海外の仮想通貨取引所の2つの口座を開設しておく必要があります。

IOSTのみを買う場合は、国内の仮想通貨取引所から買ったほうが簡単です。

【まとめ】IOSTは今後も価格上昇が期待できる仮想通貨

今回は、第3世代ブロックチェーン技術を目指すIOSTについて解説しました。IOSTは仮想通貨の中ではマイナーではあるものの、今後は経済発展への期待度や価格上昇が十分できる仮想通貨だといえます。

送金や決済のスピードが高く、今注目のDiFi分野でも積極的に活動するIOSTは、今後大きな成長を遂げる可能性が非常に高いことから、今後もその成長は見逃せません。

これからIOSTへの投資を始めようかと悩んでいる方には、仮想通貨取引所での取り扱いが少ない今のうちにIOSTを保有することをおすすめします。

執筆者 西村大樹