ビットコインの代名詞的な事柄に「マイニング」があります。マイニングはビットコインを生成する作業で、作業を行う人をマイナーと呼びます。ビットコインの場合はこのマイナーに報酬を支払うことで分散型台帳を維持しています。
さて、そんなビットコインですが、世界中でマイニングを行うために消費電力がとてつもないことになり、地球温暖化につながるのではないか、と言われています。
結論から言えば「まだわからない」が正確なところでしょう。そもそも地球温暖化がなぜ起こるのかご存知でしょうか?
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大きな原因は二酸化炭素とメタンと言われている
地球は太陽の光によって温度が上昇していることはご存知でしょう。厚い雲に覆われていた氷河期は太陽の光が地表に届かず、極寒の地になりました。
現在の人間が過ごしやすい気候は温室効果ガスという二酸化炭素やメタンといった種類のガスがのおかげですが、これが増えすぎると、本来宇宙へ逃がすための熱までも捕まえすぎ、地球温暖化が進むといわれていました。
二酸化炭素は関係ないとする論文もある
現在、世界中の二酸化炭素濃度はほぼ右肩上がりに増え続けています。しかし、世界の気温を観測してみると、1990年代の急激な上昇を最後にほぼ横ばいの傾向が続いています。二酸化炭素濃度の上昇による地球温暖化への因果関係はないとしているのです。
ビットコインで地球温暖化が進む根拠は二酸化炭素の増加
ビットコインのマイニングは膨大な電力を使用します。それが元で地球温暖化が進むと警鐘を鳴らす専門がいますが、前述のように二酸化炭素量と気温の上昇の因果関係は判明していません。
世界の電力量の多くても、わずか何パーセントであるから関係ない、といった議論もよくされます。また、二酸化炭素濃度がどのくらい増えるからなどのデータを計測したものによって議論している専門家はほぼ見かけないのが現状です。
ビットコインを始めとする電力増加による温暖化説には根拠はない
確実に言えることは、どちらの理論も明確な根拠がないことです。そもそも世界の平均気温が横ばいである現在、地球温暖化自体が起こっていると明言するのは難しいのではないか、と考えられます。
ただ、エネルギー資源の枯渇は必ず起こります。また、極端な話、二酸化炭素濃度がこのまま上がり続ければ私たち人類はいつか死に絶えます。その根拠として地球温暖化を持ち出すのは今の時代にはナンセンスな部分もありますが、合ってい、合っていないはともかく、電力の消費量増加に対する警鐘を鳴らし続けることは必要なことではないかと考えられます。
二酸化炭素が発生するのは火力発電だけ
二酸化炭素が発生するのは、実は火力発電だけです。体に悪そうなイメージのある原子力も環境的にはクリーンエネルギーの一つと分類さることもあります。もちろん、使用済み核燃料問題があるため、クリーンエネルギーとはいえないという見方もあります。
ビットコインのマイニングが盛んに行われ、マイニング能力の約7割が中国にあるといわれている今ですが、中国の有力なマイニング事業で使われているのは、火力発電ではなく水力発電が中心だそうです。
ですので、マイニングにかかる電力というのは比較的クリーンなエネルギーで賄われているのではないかという見方もあります。
火力発電の割合はどのくらい?
あまり火力発電が主要ではないイメージのある日本ですが、日本であっても約4割の電力が火力発電により賄われており、同じく4割がガス(LNG)による発電で賄われています。原子力は危険といった風潮により2018年はわずか1.7%程度の電力しか賄えていません。(昔は3割ほど)
つまり、現在の日本の発電状況だけ見ても約8割が有限資産により賄われているのです。
ビットコインで地球温暖化が進む根拠はない
このようにビットコインのマイニングが原因で地球温暖化が進むという理論に明確な根拠はない状態です。
これからの時代、クリーンな新エネルギーに期待が集まっています。ビットコインのマイニングに対する膨大な電力問題は今も叫ばれていますが、ビットコインと環境問題両方からアプローチできる電力軽減技術が開発されることを期待したいですね。
執筆者 西村大樹