皆さんは「クジラ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ビットコイン(BTC)など仮想通貨やFXを行っている方であれば1度は聞いたことがあると思います。しかし最近仮想通貨を始めた方であれば、クジラと言われても一体どのようなもので、どのような意味を持っているのかわかりませんよね。
この記事では、クジラの意味やクジラがビットコイン(BTC)に及ぼす影響などについて解説しています。
目次
クジラはビットコイン(BTC)を大量に保有している個人や団体
ビットコイン(BTC)など仮想通貨でよく聞く「クジラ」とは、仮想通貨を大量に保有している個人や事業体を指します。ビットコイン(BTC)の場合は、全体の40%を保有しているとされている約1,000の大口保有者がクジラと言われています。
クジラがビットコイン(BTC)与える影響
これだけ見ると、たくさんのビットコイン(BTC)を保有しているのがクジラだと思われがちです。しかし、大量にビットコイン(BTC)を保有しているが故にクジラによってビットコイン(BTC)の価格変動が起きている可能性があると言われています。
例えば、クジラがビットコイン(BTC)の長期保有を継続した場合、市場の流動性が低下するので価格変動が高まるのが予想されます。反対に、クジラがビットコイン(BTC)を一気に売却し始めると価格の暴落につながるのです。例を見てもわかるように、クジラは仮想通貨市場の歪みを生み出すことができるのです。
クジラの種類は4種類
ビットコイン(BTC)など仮想通貨に種類があるように、実はクジラにも4つの種類が存在します。
1.開発者
ほとんどの場合、仮想通貨の開発に関わっているメンバーが最もその仮想通貨を保有していると言われています。ビットコイン(BTC)の場合だと、ビットコイン(BTC)を発案した「サトシ・ナカモト」が110万BTCを保有していると言われています。
しかし、いまだに該当アドレスから移動されたことはありません。
2.個人投資家
個人投資家が大量保有している要因として考えられるのが、仮想通貨プロジェクトのトークンセールに参加した場合。セール価格での販売は比較的安価に設定されているため、大量に購入していることが考えられます。
また、ビットコイン(BTC)で有名な話である「ビットコイン・ピザ・デー」の時に購入したラッキーな個人投資家も存在しています。2010年のレートでは、1BTCが0.2円でしたのでこの時に1万BTC購入したとしても価格はたった2,000円。まさか10年後には、600億円(最高価格での計算)になるなんて誰が予想できたでしょうか。
3.金融機関・企業
金融機関や企業の場合は、仮想通貨取引所やプロジェクトの資金調達などに出資したファンドなどが含まれます。仮想通貨が大きく注目されているため、今後は大手の銀行や企業が大量保有に乗り出すかもしれません。
アメリカのテスラ社は、すでにビットコイン(BTC)投資を企業として表明しており、PayPal社のように仮想通貨の投資や決済機能を提供する企業も続々と出てくるでしょう。
4.不正に関わるクジラ
不正に関わるクジラは、ダークネット(闇市)で違法売買を行う個人やグループのことを指します。
不正な売買を行っているクジラは、個人投資家のような取引手段とは異なるため、ビットコイン(BTC)価格への影響は見られないと言われています。
不正に関わっているクジラが、ビットコイン(BTC)を販売する目的は法的機関による検知を避けるためであり、近年ではビットコイン(BTC)よりもプライバシー機能が効いた匿名通貨に移行しつつあるのだそうです。
不正に関わっているクジラは、ビットコイン(BTC)の取引を行って利益を得ることを目的としていません。ビットコイン(BTC)の匿名性を利用して違法商品との交換を行っているのです。そのため仮想通貨取引所のような公の場で、わざわざ直接ビットコイン(BTC)を大量売却する可能性は低いでしょう。
クジラの動きはオンチェーン分析で掴む
ビットコイン(BTC)の運用を行う場合、クジラの動きに注意しなければならないということがわかりました。クジラの動きを掴むためのおすすめの方法が「オンチェーン分析」です。
オンチェーン分析とは、ブロックチェーン上のデータを分析します。分析を行うことにより、ユーザー数や保有量、トランザクション量を測定し、仮想通貨の資産価値や利用動向の観測に活用することができます。取引データが公開台帳に記録されている透明性の高いビットコイン(BTC)ならではの分析方法となっています。
ビットコイン(BTC)のクジラランキング
大量のビットコイン(BTC)を保有しているクジラ。ここで、2018年にUseTheBitocoinが発表しているビットコイン(BTC)保有ランキングのトップ5を見てみましょう。
1.サトシ・ナカモト
ビットコイン(BTC)創設者。110万ビットコイン(BTC)を保有していると言われています。これは60億ドルに匹敵します。仮に、これだけのビットコイン(BTC)を全て売却するとしたらビットコイン(BTC)の価格は一瞬で暴落することが考えられます。
2.ブルガリア共和国
ヨーロッパにあるブルガリア共和国。この国では、犯罪組織の取り締まりによって、21万3519ビットコイン(BTC)を押収しています。押収された金額は、ブルガリア共和国の債務の4分の1を支払える金額だと言います。
3.BitFinex
仮想通貨取引所であるBitFinex。約16万3133ビットコイン(BTC)を保有している。ビットコイン(BTC)は、コールドウォレットに保管されており、サイバー攻撃から守られています。
コールド・ウォレットとは、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨を保有する方法のことで「コールド・ストレージ」とも呼ばれています。セキュリティレベルが高い保管方法として利用されています。
4.FBI
FBI(アメリカ連邦捜査局)も、ブルガリア共和国と同じように犯罪組織の取り締まりを行い、14万4,000ビットコイン(BTC)を押収しています。その後、ほとんどのビットコイン(BTC)がアメリカ企業に売却されたと言われています。
5.ウィンクルボス兄弟
双子のタイラー・ウィンクルボス氏とキャメロン・ウィンクルボス氏は最初のビットコイン(BTC)長者です。ウィンクスボス兄弟は、FacebookのアイディアをFacebookのCEOに盗まれたとして提訴し、賠償金として6,500万ドルを受け取っています。そのうちの1,100万ドルを資金として、2013年に150万ビットコイン(BTC)を購入しています。
【まとめ】クジラの動向に注意してビットコイン(BTC)を運用しよう
今回は、ビットコイン(BTC)など仮想通貨でよく聞かれるクジラについて解説しました。仮想通貨や株式、FXなどでも聞くワードであるクジラ。クジラは、ビットコイン(BTC)だけではなく、仮想通貨市場に大きな影響を与える存在であることが分かったと思います。
クジラの動向を見ながら投資を行うことで、より多くの利益を得ることに繋がります。最新のチャートはもちろんですが、今後はクジラの動向にも注意しながらビットコイン(BTC)を運用しましょう。
執筆者 西村大樹