【厳選】デイトレードで使えるテクニカル分析|おすすめ手法5選

「デイトレードで使えるテクニカル分析が知りたい!」この記事を読んでいる方の多くはそう思っているのではないでしょうか。

テクニカル分析は種類も豊富ですし、トレードの手法によって効果的なものから、あまり機能しないものまで様々です。

本記事では比較的短い時間で取引が終わるスタイルの「デイトレード」向きのテクニカル分析を5つご紹介します。

「デイトレードをしたいんだけれど、どのテクニカル分析を使おうか悩んでいる」

「スキャルピングに有効なテクニカル分析にはどのようなものがあるのだろうか?」

この様な疑問を解決する内容となっています。

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デイトレードとは

デイトレードとは、1日で取引を完結させる、短期売買の手法の一つです。FXや株式取引に用いられ、最近では仮想通貨でもデイトレードを実践するトレーダーが増えてきています。

短期間で数多くの取引を繰り返すので、利益を取りやすく、短期間で稼げる手法として人気です。「デイ」といっても、取引期間に明確に定義はありません。デイトレードをする人の中でも、数日間ポジションを持ち越す人もいますし、数分から数時間という超短時間で取引を完結させる人もいます。

特に、超短時間で取引を終わらせる手法を「スキャルピング」といい、高い勝率を求めるトレーダーはこの手法を取り入れている傾向にあります。

ポジション:買い、もしくは空売りした株式銘柄や、通貨ペアのこと。新しく注文が約定したときには「ポジションを持つ」といいます。

スキャルピング

スキャルピングは、数分から数時間で取引を完結させる、超短期トレードのことです。語源は英語のScalp、「頭の皮を薄く剥ぐ」という意味からきており、大量に取引を繰り返し、少しづつ利益をつみあげるような取引手法です。

短期間で取引が完結するので、経済ニュース、地震、戦争といった経済ショックに巻き込まれる可能性が低く、テクニカル分析とも相性の良い手法といえます。

また、利益を伸ばさずに、少しでも利益が出ればすぐに決済していくので、トレンドに乗れば高い勝率を維持することも可能です。

しかし、取引回数が増えるため、手数料やスプレッドといった取引コストは長期トレードに比べると高くついてしまいます。

「高勝率で利益は伸ばせても、手数料を差し引くとそれほど利益が残っていなかった」というケースも少なくありませんので、スキャルピングで大きく稼ぐためにはリスクリワードの見極めが重要です。

スプレッド:同一銘柄や通貨ペアのポジションについている売値と買値の差額のこと。例えば、USD/JPYペアの売値が100円買値が101だった場合、スプレッドは1円です。

テクニカル分析とは

テクニカル分析は、過去の値動きやデータを元に、未来の値動きを予測する分析手法です。トレーダーの多くはテクニカル分析によってエントリーの方向を決めたり、利益確定のタイミングを探っています。

テクニカル分析は、うまく機能すれば高い勝率をサポートする重要なツールです。しかしその反面、テクニカル分析の特徴をきちんと理解しなければ、最大限の効果を発揮することはできません。

テクニカル分析を使うときには、必ず有効な条件が整っているかを確認することが重要です。

テクニカル分析が有効ではない場面

テクニカル分析は過去の値動きやデータから未来の値動きを予測します。ですので、経済指標発表や、大きな経済ニュースが原因の値動きに対しては機能しない場合が多くあります。

急激に対策を打たなくてはならない価格変動が起きた場合、市場に参加しているトレーダーはリスク回避のための注文を発注している場合がほとんどです。突然大きな損失を抱えてしまったときにテクニカル分析をしている余裕はありませんからね。

この様に、誰もテクニカル分析を気にしないような場面では、分析結果の信ぴょう性は格段に下がってしまいます。

同じ理由で市場参加者が少ない時間帯も、テクニカル分析を意識するトレーダーが少なくなるので、分析結果があまり機能しません。

テクニカル分析を効率よく使うためには、経済指標発表時以外で、多くのトレーダーが参加している時間帯を狙うといいでしょう。

テクニカル分析のメリットとデメリット

メリット
  • 統計データをもとに計算しているので分析結果の精度が高い
  • 取引手法に合わせた分析方法がある
  • 経済ニュースや世界情勢に囚われないトレードができる

デメリット
  • 100%未来を予測できるわけではない
  • 指標発表時など、急激な値動きに対しては機能しない
  • トレードスタイルによって有効なテクニカル分析が異なる

テクニカル分析の選び方

テクニカル分析は主に2種類に分けられます。

  • 相場の強さをみるトレンド系
  • 売られ過ぎや買われ過ぎをみるオシレータ―系

適切なテクニカル分析選びには、この2つに視点が欠かせません。自分のトレードスタイルにはどちらの系統のテクニカル分析がマッチしているのかを考えて手法を選ぶといいでしょう。

ここからはそれぞれのテクニカル分析の系統について詳しく解説します。ご自身のやりたかったトレードを実現できそうな分析手法を見つける参考にしてみてくださいね。

相場の強さを見るトレンド系

トレンド系は相場の強さを見るテク二カル分析です。トレンドフォロー型(順張り)のトレードに有効な分析手法になります。

トレンドフォロー型とは、発生したトレンド方向に逆らわないエントリーをして、トレンドの終点までを狙っていくようなトレードスタイルです。

トレンド系のテクニカル分析には以下のようなものがあります。

  • 移動平均線
  • MACD
  • ボリンジャーバンド
  • 一目均衡表
  • DMI
  • パラボリック
  • エンベロープ

このほかにもトレンド系と呼ばれるテクニカル分析はいくつかあり、使い方も様々です。

例えば、移動平均線はトレンドの終点を見極めるために使えますし、ボリンジャーバンドは発生中のトレンドの強さを計るために使えます。

トレンド系のテクニカル分析は、応用次第ではトレンドの起点を見極めたり、レンジ相場を判断するツールにも使えるので、非常に汎用性の高い分析手法といえます。

レンジ相場:レンジ相場とは一定の値幅の範囲で値動きを繰り返す相場のことをいいます。経済指標発表前や相場の閑散時間によく見られます。

売られ過ぎ・買われ過ぎを見るオシレータ―系

オシレータ―とは「振り子」や「振り幅」を意味する言葉で、売られ過ぎや買われ過ぎを見るテクニカル分析の手法になります。

オシレータ―系のテクニカル分析は、

「これだけ値段が上がったんだからそろそろ値段が落ちてくるだろう」

「下落がずっと続いているけれど、そろそろ価格が上昇するはずだ」

この様な相場の過熱感を過去の統計から分析し、チャートに結果を描写していきます。ピンポイントにトレンドの転換点を見つけられるので、相場の方向に逆らう「逆張り」を好む方に有効です。

相場の値動きは一方向に進みません。必ず上昇と下降を繰り返しながらジグザグにトレンドが形成されていきます。このジグザグの起点を予想して逆張りでエントリーしていくのが、オシレータ―系テクニカル分析の基本的な使い方です。

オシレータ―系のテクニカル分析には以下のような種類があります。

  • RSI
  • ストキャスティクス
  • RCI
  • 移動平均乖離線

トレンド系のテクニカル分析と同じく、オシレータ―系のテクニカル分析もこれ以外に数多くあります。

オシレータ―系のテクニカル分析はうまく機能すればほとんど含み損を抱えずに利益が出せる、デイトレードに有効なテクニカル分析です。ですがその反面、ダマしに合う確率も高く、分析が上手く機能しない場面も多くあります。

強みと弱みを理解して、有効にテクニカル分析を使っていきましょう。

デイトレードに最適おすすめのテクニカル分析5選

ではおすすめテクニカル分析5選のご紹介です。自分に合うテクニカル分析選びの参考にしてみてください。

トレンド系のテクニカル分析:移動平均線

移動平均線は、過去の値動きの一定の期間で平均化し、そのグラフをチャートに描写したものです。

よくある使い方は短期間・中期間・長期間の3本の平均をそれぞれ描写し、その値動きからトレンドの強さを計るときに使用します。

グラフの値動きは緩やかですが、しっかりとサインが出たらダマしが少なく、トレンドフォロー型のトレードに向いています。しかし、サインが出るまでにある程度の期間が必要ですので、スキャルピングには不向きでしょう。

1日から数日保有するデイトレーダーには有効のテクニカル分析手法といえます。

トレンド系テクニカル分析:水平線

水平線は、チャート上で意識されている価格帯に水平線を引いてトレンドの起点や、押し目、戻り目を判断する分析手法になります。

どの部分に水平線を引くのかは、使用者によって異なるので使いこなすには経験や検証が必要です。

しかし、上手く機能するとピンポイントでエントリーポイントを見つけたり、ほとんど含み損抱えないトレードを実現できる可能性があります。

トレンド系テクニカル分析:ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、移動平均線とその標準偏差で構成されるテクニカル分析です。移動平均線の上下に、標準偏差に基づいたラインを引き、帯状のグラフが描かれます。

統計上、値動きはこの帯の中で推移する可能性が非常に高く、帯の上限や下限の値動きから順張り、逆張りのタイミングを分析できます。

ドリンジャ―バンド内の値動きをパターン化してトレンドの強弱を計る使い方もできるので、非常に汎用性の高い分析手法です。

とてもに精度の良いテクニカル分析ですが、急激な動きにはあまり効果を発揮できません。というのも、このテクニカル分析の仕組み上、大幅な値動きがあると、ボリンジャーバンドの帯の幅が非常に広くなります。

これでは帯の中の値動きの方向性が読みにくくなり、正しい分析ができません。ボリンジャーバンドによる分析は急激な値動きが発生した場合には一旦様子を見ることが大切です。

トレンド系テクニカル分析:フィボナッチリトレースメント

フィボナッチリトレースメントは、トレンドの押し目、戻り目を判断するテクニカル分析です。トレンド発生初期に見られる一時的な逆行を狙い、大きなトレンドに対してトレンドフォローの形でエントリーするスタイルに有効です

このテクニカル分析は他の分析方法と違い、統計データを使いません。トレンド発生の起点から任意で決めた天井、もしくは底値を黄金比で分割し、どこまで戻したかでトレンドの強さを判断します。

統計データ使わないので、大きな値動きにがあったとしても描写されたグラフに影響を与えません。値動きに影響されず、押し目・戻り目をピンポイントで狙えるフィボナッチリトレースメントは、スキャルピングからデイトレードまで幅広く使えます。

黄金比: 1:1.618というフィボナッチ数列より求められる比率。この値で任意のトレンドを分割すると手動きが変化する起点になっていることが多い

参考記事はこちら

https://bitcastle.io/column/post-20019/

オシレータ―系テクニカル分析:RSI

RSIは、相場の売られ過ぎ・買われ過ぎから売買シグナルを判断するオシレータ―系のテクニカル分析です。

チャートの下にサブウインドウで表示されることが多く、「グラフが30%を下回れば売られ過ぎ」、「70%を超えれば買われ過ぎ」と判断します。売買シグナルがとても見やすく、シンプルなため、多くのトレーダーに利用されています。

レンジ相場などでは効果を発揮しますが、あまりにも強いトレンドが発生した場合には、上手くシグナルが機能しないという弱点があります。

逆張りには強力なテクニカル分析ですが、相場環境の認識も合わせると、より精度の高い分析が可能になるでしょう。

スキャルピング、デイトレードそれぞれのトレードスタイルに応用できます。

まとめ

デイトレードにおすすめのテクニカル分析5選は以上です。テクニカル分析は種類も多く、すべての場合に有効というわけではありません。

とはいえ、自分が使っているテクニカル分析がトレンド系なのか、オシレーター系なのかを判断するだけでも分析の精度は格段に向上します。

闇雲に勝率が高くなりそうな分析手法を探すよりも、自分が実践したいトレードスタイルを先に決めてから、それに適したテクニカル分析を探す方がとても効率的に分析手法が確立するでしょう。

執筆者 西村大樹