ミシガン大学消費者信頼感指数とは？FX・為替市場の影響は？

米国の景気を占ううえで、個人消費の動向を把握することは欠かせません。

その消費者心理を測る代表的な指標が「ミシガン大学消費者信頼感指数」です。

ミシガン大学が毎月実施する調査をもとに算出され、消費者が感じる景気の現状や将来への期待、さらにはインフレ見通しまでを反映します。

特に速報値の発表直後は市場が大きく反応し、FRBの金融政策観測やドル相場にも影響を及ぼすことがあります。

本記事では、ミシガン大学消費者信頼感指数の特徴や発表時期、類似指標との違い、そしてFX・為替市場への影響についてわかりやすく解説します。

ミシガン大学消費者信頼感指数とは？

ミシガン大学消費者信頼感指数は、米国の消費者が現在および将来の経済状況をどのように感じているかを測る指標です。

毎月、ミシガン大学が実施する調査を基に算出され、家計の支出意欲や経済の先行きに対する信頼度を反映します。

米国経済の約7割を個人消費が占めることから、この指数は消費動向を予測するうえで極めて重要とされています。

ミシガン大学消費者信頼感指数の特徴

この指数は、米国全土の消費者を対象に電話インタビューで行われるアンケート結果を基に算出されます。

回答者の景気認識を数値化し、100を基準に上回れば楽観的、下回れば悲観的と判断されます。

調査では主に以下の項目が含まれます。

• 現在の景気状況に対する評価

• 今後1年間および5年間の経済見通し

• 家計の購買意欲や生活水準への見方

• 物価上昇率（インフレ期待）の見通し

特に「インフレ期待」はFRBが注視する要素で、将来の金融政策を占ううえでも重要です。

ミシガン大学消費者信頼感指数はいつ発表される？

毎月2回発表され、300人を対象とする速報値と500人対象の確報値があります。

速報値は月の中旬頃、確報値は月末近くに公表されるのが一般的です。

発表は米東部時間の午前10時（日本時間：夏時間23時、冬時間24時）です。

速報値は市場予想との差異によって為替市場が大きく反応することも多く、重要な短期トレード材料とされています。

コンファレンス・ボード消費者信頼感指数との違い

米国にはもうひとつ、コンファレンス・ボード（Conference Board）が発表する消費者信頼感指数があります。

両者は似た指標ですが、調査方法や重視される項目が異なります。

ミシガン大学消費者信頼感指数がFX・為替市場への影響

ミシガン大学消費者信頼感指数は、米国の消費者心理やインフレ期待を反映するため、為替市場に直接的な影響を与えることがあります。

• 指数が予想を上回る場合：消費マインドが強く、経済活動の拡大が意識される。
  → FRBの利上げ観測が強まりドル高要因。

• 指数が予想を下回る場合：消費者心理の悪化が懸念され、景気減速や利下げ観測が高まる。
  → ドル安要因。

また、「1年先」「5年先」のインフレ期待が高まれば、物価上昇リスクを織り込む形でドル買いが進みやすくなります。

逆にインフレ期待が低下した場合は、金融引き締め観測が後退しドル売りにつながることもあります。

したがって、単なる消費マインドだけでなく、インフレ見通しの変化をどう市場が解釈するかが重要なポイントです。

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