FX指標カレンダー【12月第4週】経済指標とトレード戦略

FX指標カレンダー【12月第4週】経済指標・発言とトレード戦略

本記事では、12月第4週に予定されている経済指標や要人発言に注目し、トレーダーが市場動向を正しく読み取るための手助けを提供します。

具体的には、経済指標の発表や重要人物の発言が、為替市場にどのような影響を与えるのか解説していきます。

FX指標:12月第4週の主な経済イベントと市場テーマ

12月第4週は、年末相場特有の流動性低下とポジション調整が主役となる週です。

特に、前週までにFOMC・日銀・主要中銀イベントを通過しているため、新たなトレンドを作る材料は限られます。

一方で、米国のGDPや消費者信頼感指数、日本のインフレ指標などが発表され、年末時点での景気・物価の最終確認という位置づけになります。

また、25日(木)は欧米市場がクリスマス休場となるため、週後半は流動性が大きく低下し、値が飛びやすい点には注意が必要です。

そのため、戦略としては、週前半は短期の材料反応を狙い、後半は無理をせずポジションを軽くする守りの姿勢が有効といえます。

日付 時間 主なイベント内容 前回 予想 結果 注目度
12月22日(月) 16:00 🇬🇧英GDP改定値(7-9月期・前期比) +0.1% ★★★
12月23日(火) 22:30 🇺🇸7-9月期実質GDP(速報値・前期比年率) 3.8% 3.2% ★★★
24:00 🇺🇸消費者信頼感指数(CB) 88.7 ★★
24:00 🇺🇸リッチモンド連銀製造業指数 -15 ★★
12月24日(水) 08:50 🇯🇵日銀・金融政策決定会合議事要旨  - ★★★
22:30 🇺🇸新規失業保険申請件数 ★★★
12月25日(木) 🇺🇸🇪🇺欧米市場休場(クリスマス)
12月26日(金) 08:30 🇯🇵東京都区部CPI(前年比) +2.8% ★★
08:50 🇯🇵鉄工業生産(前月比) +1.5% ★★

FX指標:12月22日(月)の主要経済指標

はじめに、週明け月曜日の主要経済指標を確認していきます。

英7-9月期GDP改定値

概要:速報値からの修正内容によっては、英国経済の実態評価が変わりポンド相場に影響を与える指標です。

市場反応:

  • 上方修正 → ポンド買い(景気底堅さを意識)

  • 下方修正 → ポンド売り(利下げ観測の強まり)

今回の注目点:年末相場に入り流動性が低下しつつあり、そのため修正幅が大きい場合はポンドが一方向に動きやすい点がポイントです。

FX指標:12月23日(火)の主要経済指標

次に火曜日は、米国の景気を多角的に確認できる指標が集中します。

米国 7-9月期実質GDP速報値

概要:米経済全体の成長率を示す最重要指標のひとつで、特に個人消費や設備投資、在庫動向などを通じて、景気の実態を総合的に確認できます。

市場反応:

  • 予想を上回る → 景気の底堅さを意識したドル買い

  • 予想を下回る → 景気減速懸念からドル売り

今回の注目点:年末相場で流動性が低下する中でも、GDPはインパクトが大きく、結果次第ではドルの方向感がはっきり出やすい点がポイントです。

特に前回までの個人消費の強さが維持されているかが、市場の評価を左右します。

消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)

概要:消費者の景気認識を示す指標で、とりわけ年末商戦を前に個人消費の先行きを占う材料となります。

市場反応:

  • 改善 → 消費拡大期待でドル買い

  • 悪化 → 消費減速懸念でドル売り

今回の注目点:複数の米指標が同日に発表され、そのため単体よりも「全体としての景気評価」が意識されやすい点に注意が必要です。

リッチモンド連銀製造業指数

概要:米国東部地域の製造業景況感を示す指標で、とりわけISM製造業景況指数の補完的な役割を持ちます。

市場反応:

  • 改善 → 適度なドル買い

  • 悪化 → 景気減速懸念からドル売り

今回の注目点:製造業の弱さが続くかどうかを確認する材料で、特に、住宅・消費指標との組み合わせで評価されやすい一日です。

FX指標:12月24日(水)の主要経済指標

続いて水曜日はクリスマスイブですが、米国では重要指標が発表されます。

日銀・金融政策決定会合議事要旨

概要:日銀の前回金融政策決定会合における委員間の議論内容をまとめた資料で、今後の金融政策スタンスを読み取る手がかりとなります。

特に、物価見通しや賃金動向、金融政策正常化への温度感が注目されます。

市場反応:

  • タカ派的な議論(追加利上げへの言及) → 円買い

  • ハト派的な議論(利上げ打ち止め感など) → 円売り

今回の注目点:クリスマス前で市場参加者が少ない中、わずかな文言でも円相場が動きやすい環境です。

植田総裁や委員が「賃金と物価の好循環」にどの程度言及しているかが、年明けの円相場を占うヒントとなります。

米国新規失業保険申請件数

概要:雇用市場の短期的な動きを把握するための指標。

市場反応:

  • 件数増加 → 労働市場減速懸念でドル売り

  • 件数減少 → 雇用の底堅さを意識したドル買い

今回の注目点:薄商いの中での発表となり、そのため数字以上に相場が反応しやすい点に注意が必要です。

FX指標:12月25日(木)の主要経済指標

そして、25日はクリスマスで欧州の市場が休場となります。

欧米市場休場(クリスマス)

概要:欧米の主要市場が休場となり、そのため為替市場は流動性が大きく低下します。

市場反応:

  • 基本的には方向感が出にくい

  • 突発的なニュースで値が飛びやすい

今回の注目点:無理なトレードは避け、とりわけ様子見が無難な一日です。

FX指標:12月26日(金)の主要経済指標

そして、週末は日本のインフレ関連指標に注目です。

東京都区部CPI

概要:全国CPIの先行指標として位置づけられ、特に、日銀の金融政策スタンスを占う材料です。

市場反応:

  • 上振れ → 円買い(日銀正常化観測)

  • 下振れ → 円売り(緩和継続観測)

今回の注目点:年末相場のため反応は一時的になりやすいものの、一方で翌年相場を意識した動きが出る可能性があります。

鉄工業生産

概要:日本の製造業活動を示す指標で、特に、国内景気の足元を確認する材料として重要です。

市場反応:

  • 改善 → 円の下支え要因

  • 悪化 → 円売り方向

今回の注目点:鉄工業生産単体ではなく、あわせて同日に発表される東京都区部CPIと日本経済全体の評価が意識されやすい点がポイントです。

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執筆者 西村大樹

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