FX指標カレンダー【12月第5週】経済指標とトレード戦略

本記事では、12月第5週に予定されている経済指標や要人発言に注目し、トレーダーが市場動向を正しく読み取るための手助けを提供します。

具体的には、経済指標の発表や重要人物の発言が、為替市場にどのような影響を与えるのか解説していきます。

FX指標：12月第5週の主な経済イベントと市場テーマ

12月第5週は、年末から年始にかけての移行期間となり、そのため、市場参加者が減少し流動性が低下しやすい週です。

FOMC議事要旨や日銀関連の材料など、年明け相場を占うヒントとなるイベントはあるものの、新たなトレンドを作るというよりは、既存の流れを整理する週と位置づけられます。

突発的なニュースによる値動きが出る可能性もあり、そのため、無理なポジション取りは避け、慎重な対応が求められます。

日付	時間	主なイベント内容	前回	予想	結果	注目度
12月29日（月）	08:50	🇯🇵日銀会合主な意見	－	－	－	★★
12月30日（火）	23:00	🇺🇸ケース・シラー米住宅価格指数（前年比）	+1.4%	+1.1%	－	★★
	28:00	🇺🇸FOMC議事要旨	－	－	－	★★★★
12月31日（水）	－	🇯🇵東京市場休場	－	－	－	★
	22:30	🇺🇸新規失業保険申請数	－	－	－	★★
1月1日（木）	－	🇯🇵🇺🇸東京・米国市場休場（元日）	－	－	－	★
1月2日（金）	－	🇯🇵東京市場休場	－	－	－	★
	18:00	🇪🇺EU製造業PMI（確報値）	49.2	49.2	－	★★

FX指標：12月29日（月）の主要経済指標

はじめに、週明け月曜日の主要経済指標を確認していきます。

日銀会合主な意見

概要：日銀の前回金融政策決定会合における委員の発言内容をまとめた資料で、特に金融緩和の維持や正常化に対する考え方、物価見通しや賃金動向に関する認識を読み取る手がかりとなります。

市場反応：

• タカ派的な議論（金融政策正常化への言及） → 円買い

• ハト派的な議論（緩和継続を強調） → 円売り

今回の注目点：年末相場で市場参加者が少ない中、わずかな文言の違いでも円相場が動きやすい点が特徴で、特に「賃金と物価の好循環」への言及があれば、年明けの円相場を見据えた材料として意識されやすくなります。

FX指標：12月30日（火）の主要経済指標

次に、火曜日の主要経済指標を確認していきます。

ケース・シラー米住宅価格指数

概要：米国主要都市の住宅価格動向を示す指標で、不動産市場の過熱感や調整度合いを確認できます。そのため、住宅ローン金利の影響を受けやすく、米景気の先行きを考える上で重要なデータです。

市場反応：

• 価格上昇が鈍化 → 景気減速観測からドル売り

• 価格が堅調 → 住宅市場の底堅さを意識したドル買い

今回の注目点：金利高が続く中で住宅価格がどこまで耐えているかが焦点で、年末相場のため反応は限定的になりやすいものの、一方で翌年の米景気見通しを考える材料として注目されます。

FOMC議事要旨

概要：前回FOMCにおけるFRBメンバーの議論内容を詳しく示した資料、そのため、利下げ時期やインフレに対する認識の変化を読み取ることができます。

市場反応：

• 利下げに慎重な姿勢 → ドル買い

• 利下げに前向きな議論 → ドル売り

今回の注目点：声明文やパウエル議長発言との違いが意識されやすく、そのため、年末で流動性が低い中では、内容次第でドルが想定以上に動く可能性があります。

FX指標：12月31日（水）の主要経済指標

続いて、水曜日は大晦日ですが、米国の指標発表は行われます。

東京市場休場

概要：大晦日は東京市場が休場となり、とりわけ日本勢の取引参加が大きく減少します。

市場反応：

• 流動性低下で方向感が出にくい

• 突発的なニュースで値が飛びやすい

今回の注目点：アジア時間は特に薄商いとなり、そのため無理な取引は避けたい一日です。

新規失業保険申請数

概要：米国の雇用市場の短期的な変化を把握するための指標です。

市場反応：

• 申請数増加 → 労働市場減速懸念でドル売り

• 申請数減少 → 雇用の底堅さを意識したドル買い

今回の注目点：年末で市場参加者が少なく、その結果、 通常以上に値動きが大きくなる可能性があります。
このため、 数字以上に反応が出やすい点に注意が必要です。

FX指標：1月1日（木）の主要経済指標

そして、木曜日は1月1日のため日本だけでなく、欧米市場も休場になります。

東京・米国市場休場

概要：元日は東京市場と米国市場がともに休場となります。

市場反応：

• 実質的に様子見ムード

• 取引参加者が極端に少ない

今回の注目点：為替市場は開いているものの、一方で、流動性は非常に低く、基本的には取引を控えるのが無難な一日です。

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FX指標：1月2日（金）の主要経済指標

そして、2日金曜日は欧米市場がスタートし、指標発表も行われます。

東京市場休場

概要：年始も東京市場は休場が続き、このため日本時間の値動きは限定的になりやすい状況です。

市場反応：

• 欧米主導の値動き

• 流動性はまだ低水準

今回の注目点：アジア時間は様子見が中心となり、そのため、欧米時間まで方向感が出にくい展開が想定されます。

欧州製造業PMI

概要：ユーロ圏の製造業景況感を示す指標で、とくに50を境に景気の拡大・縮小を判断します。

市場反応：

• 50割れ継続 → 景気低迷を意識したユーロ売り

• 改善 → 景気底打ち期待でユーロ買い

今回の注目点：年初最初の欧州指標として、ユーロ相場の初動を決めやすい点がポイントで、そのため、年明け相場を占う材料として注目されます。

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執筆者　西村大樹