仮想通貨ハーモニー(ONE)の特徴は?仕組みや将来性を解説

「ハーモニー(ONE)ってどんな仮想通貨なの?」

「ハーモニー(ONE)の将来性が知りたい」

世界中には仮想通貨(暗号資産)が2000種類以上あります。そのなかでも、ハーモニー(ONE)は、「100億人のためのプラットフォーム」をテーマに掲げており、100億人が利用しても、スケーラビリティ問題が発生しない仮想通貨を作成することを目標に掲げています。

近年、仮想通貨は世間でも認知され、注目度が高まっています。ハーモニー(ONE)について詳しく知りたいけどよくわからないという方のために、ここではハーモニー(ONE)の概要やメリット、デメリット、将来性などを詳しく紐解いていきます。

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ハーモニー(ONE)のリアルタイムチャート


ハーモニー(ONE)の特徴

ハーモニー(ONE)は、2019年6月1日に発行された新しい仮想通貨です。発行総量は12,600,000,000 ONEです。

ハーモニー(ONE)はBinance Chainというバイナンスが管理するブロックチェーン上で作り出されたBEP-2トークンです。分散型アプリケーション(DApps)の作成と使用を容易にするために設計されたブロックチェーンプラットフォームです。発行される前段階の2019年5月27日にバイナンスからIEOが行われ、1ONE=0.003175 USDで売り出されました。ここではハーモニー(ONE)の特徴を詳しく説明していきます。

スケーラビリティと分散化を目標としたプラットフォーム

仮想通貨ではビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)が広く知られていますが、それらの仮想通貨にも問題点があります。その一つにスケーラビリティの問題があります。

スケーラビリティ問題とは、仮想通貨に用いられているブロックチェーン技術において、1つのブロックの中に書き込めるトランザクション(取引)の数が限られていることが引き起こす障害の問題を指します。

実際に、仮想通貨ブームが起こった2017年末には、ビットコイン(BTC)を中心に送金遅延が多発しました。このような問題が明るみに出たことで、このスケーラビリティの改善に取り組む流れが強まりました。このような流れから生まれた仮想通貨の一つがハーモニー(ONE)です。

ハーモニー(ONE)はスケーラビリティと分散化に優れたコンセンサスプラットフォームを実現させることを目的としており、これにより多くの人がハーモニー(ONE)を利用できるようにという願いを込めて開発が進められました。

コンセンサスアルゴリズムにPBFTを採用

ハーモニー(ONE)のコンセンサスアルゴリズムには「PBFT(Practical Byzantine Fault Tolelance)」が採用されています。

これによって不正に対して強いブロックチェーンが出来上がります

ノードの数にこだわりがある

ハーモニー(ONE)は「100億人のためのオープンコンセンサス」を目指しています。そのため、ネットワークに参加する「ノードの数」にもこだわっていますユーザーが増えるということは、ハーモニー(ONE)の需要も高まるためユーザーを増やすために多くの努力を行っています。

アンカーネットワークとの連携

アンカーネットワークは、すぐにでも使用できる状態を維持した世界中に眠っているパソコンを世界中の企業や個人に活用してもらうサービスを提供しています。

ハーモニー(ONE)はアンカーネットワークと連携することによって、分散型経済を発展させるための技術開発を共同で行っていく方針を示しています。

ノイズチェーンとの連携

ノイズチェーンは、ブロックチェーンを活用したAI互換の分散型広告交換プラットフォームを提供しています。

ハーモニー(ONE)とノイズチェーンの連携により、「スマートコントラクト(自動契約)」を利用して出版社との広告コントラクトの管理が簡単に行えるようになることが期待されます。

チェーンリンクとの連携

チェーンリンクは、ブロックチェーン上で展開されるスマートコントラクトを他の外部のシステムやオフチェーンのAPI等に接続して利用する事を目的に開発された仮想通貨です。

APIとはアプリケーションプログラミングインターフェースの略称で、システムやソフトウェアの機能や管理するデータ等を、外部の別のシステムから呼び出して利用するための手順やデータ形式をあらかじめ定めた規約の事を指します。

ハーモニー(ONE)と連携することでオフチェーンでスマートコントラクトを活用することが可能になります。

コンテントスとの連携

コンテントスは、分散型デジタルコンテンツエコシステムの開発を目的としたブロックチェーンです。

ハーモニー(ONE)と連携することによって、ハーモニー(ONE)上に構築されたDAppsゲームを使用しているゲーマーがコンテントスでゲームプレイを配信することにより、広告や有料購読、視聴者からのチップにより収益を得ることができるようになります。

ハーモニー(ONE)のメリット

ここまででハーモニー(ONE)の特徴がお分かりいただけたと思います。ここでは、ハーモニー(ONE)にはどのようなメリットがあるのかをお伝えしていきます。

匿名性に優れている

ハーモニー(ONE)はゼロ知識証明を採用しています。ゼロ知識証明とは、トランザクション(取引)に匿名性を持たせ、ユーザー認証を安全に行うという目的のもと開発された技術です。

これによりハーモニー(ONE)は、匿名性に優れたプラットフォームを提供することが可能になりました。

処理速度が速い

ハーモニー(ONE)は仮想通貨が抱えるスケーラビリティ問題を解決するために開発されたブロックチェーンプラットフォームです。ハーモニー(ONE)はシャーディングと呼ばれる技術を使うことで、ブロックチェーンの検証にかかる時間を大幅に短縮しました。

ハーモニー(ONE)は取引を分散処理することで、取引量が増えても処理速度が低下しないように対応しました。それにより、取引にかかる時間は2秒で完了するとされています。

手数料が安い

ハーモニー(ONE)は「100億人のためのオープンコンセンサス」を目指しています。多くの人がブロックチェーンを気軽に利用することができるように、利用料金の面でも安さを求めて開発が進められている仮想通貨です。ハーモニー(ONE)は、手数料がイーサリアムの1/100で取引を実行することができます。

信頼性が高い

ハーモニー(ONE)は海外大手取引所のバイナンスに上場しています。バイナンスは上場時の審査が厳しいことで知られており、選りすぐりの銘柄しか上場することができない仕組みになっています。

このような厳しい審査を通過して上場を果たしたということは、ハーモニー(ONE)がバイナンスに高い信頼を得ている証拠となります。

開発者のチームが優秀

ハーモニー(ONE)は開発に携わっている人物が非常に優秀な人材ばかりであるという点が挙げられます。

アップルのSIRIの自然言語、Google Playの検索インフラ、アマゾンWebサービス開発者、アマゾンの機械学習専門家、コンピューターオリンピックの元王者、成功したVRスタートアップの創業者、ブルームバークジャーナリストなどがハーモニー(ONE)の開発に携わっています。

優秀な研究者が関係しているため、今後もよりプロジェクトの発展に期待ができると言えます。

有名企業と業務提携している

ハーモニー(ONE)はアニメの「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」「手塚治虫作品」などの版権を持つゲーム開発会社アモニカブランドと2018年から業務提携を行っています。
 
近い将来、ハーモニーチェーンを使ったブロックチェーンゲームとして「ドラえもん」などのキャラクターが活躍する日が来る可能性もあります。
 
ハーモニー(ONE)はこのような一流企業と業務提携しているため安心感が増します。

ハーモニー(ONE)のデメリット

ここまでで、ハーモニー(ONE)のメリットがお分かりいただけたと思います。一方で、ハーモニー(ONE)にもデメリットが存在します。ここでは、ハーモニー(ONE)のデメリットをお伝えしていきます。

競合のプロジェクトが多い

ハーモニー(ONE)には競合となるプロジェクトが多く存在します。主なものとしては以下のものが挙げられます。

  • イーサリアム(ETH)
  • ジリカ(ZIL)
  • クォークチェーン(QKC)
  • イオス(EOS)

イオス(EOS)やイーサリアム(ETH)のように時価総額がトップ10に入るような仮想通貨も競合相手に存在します。

特にジリカ(ZIL)とクォークチェーン(QKC)は、ハーモニー(ONE)が目指す形に近い「高スループット」を売りにしている仮想通貨のため、非常に強い競合相手となります。

競合相手に勝たなければ大きな資金の流入は望めないため、どれだけ優れた技術を持っていようとも通貨価値は上昇しません。通貨価値を上げるという観点から考えると、競合相手の仮想通貨に負けてしまう可能性があるのです。

開発チームの持ち分が徐々に市場に流通していく

ハーモニー(ONE)は開発チームにそのトークンが割り当てられています。具体的には、総発行枚数に対してチームに12.5%、プロトコル開発部門に26.4%、エコシステム開発部門に21.8%の仮想通貨が保有されている状態にあります。

この持ち分は、いずれの部門においても徐々に市場へと流通させていくこととなっています。これは確実に市場では売り圧力となり、通貨価値が上昇しにくい状況に陥ってしまいます。投資的な観点からすると、これは大きなマイナス材料となるのです。

ハーモニー(ONE)の最新情報

2021年上半期は、他のブロックチェーンとの提携により、ハーモニー(ONE)のエコシステムの拡大へ力を入れる動きがありましたここでは、ハーモニー(ONE)の直近の動きを見ていきます。

ハーモニー(ONE)はホライゾンブリッジを拡張

2021年3月23日、ハーモニー(ONE)はホライゾンブリッジを拡張し、バイナンススマートチェーンとつなぎBNBトークンやBEP20をハーモニー(ONE)へブリッジできるようにしました。

ホライゾンブリッジは2020年11月にハーモニー(ONE)のコミュニティによって立ち上げられたものです。当初はハーモニー(ONE)とイーサリアム(ETH)をブリッジし、イーサリアム(ETH)をはじめERC20やERC721をハーモニー(ONE)エコシステムに接続していました。

従来、イーサリアム(ETH)とバイナンススマートチェーンは直接の互換性を持たず、ホライゾンブリッジとの接続も別々の契約によってブリッジされていました。しかし同じフロントエンドを用いることで、間接的にイーサリアム(ETH)とバイナンススマートチェーンをつないでいます。

ホライゾンブリッジの拡張は既存のイーサリアム(ETH])を利用したアプリケーションやマルチチェーンアプリケーションのイノベーションの加速が期待されます。ホライゾンブリッジは今後ポルカドット(DOT)やビットコイン(BTC)、コスモス(ATOM)などにも拡張する予定です。

ハーモニー(ONE)はCrazy.ONEを発表

2021年5月12日、ハーモニー(ONE)はCrazy.ONEを発表しました。Crazy.ONEはハーモニー(ONE)が初めて提供するサブドメインNFTとして機能します。

ハーモニー(ONE) はCrazy.ONEというドメイン名を取得しており、ハーモニー(ONE)の利用者にサブドメイン名を提供します。このサブドメインはNFTとして機能し、ハーモニー(ONE)が提供するウォレットで管理することが可能です。

ハーモニー(ONE)の利用者はCrazy.ONEのウェブサイトから可用性のある名前を選択し、料金をネイティブトークンであるONEトークンで支払います。すると選択したサブドメインを1年間レンタルすることが可能です。ハーモニー(ONE)はサブドメインが100個作られるたびに、サブドメイン利用者のTwitterプロフィールを利用したCrazy.ONE NFTを作成します。

Crazy.ONEはハーモニー(ONE)の利益を拡大するためのものではありません。レンタル料はコミュニティDAOのウォレットへ送られ、プロジェクトの管理と運用も将来的にコミュニティDAOに委譲される予定です。

ハーモニー(ONE)はテラ(LUNA)とのフルスタックパートナーシップの締結

2021年7月8日、ハーモニー(ONE)は仮想通貨テラ(LUNA)とのフルスタックパートナーシップの締結を発表しました。

テラ(LUNA)はCosmos SDKを利用した、相互運用性に優れたDeFiプラットフォームを提供するプロジェクトです。ステーブルコインであるテラ(LUNA)トークンを発行しており、韓国のECサイトなどで利用が広まっています。

パートナーシップの締結により、両者のエコシステムが統合されます。ハーモニー(ONE)にテラ(LUNA)の発行するステーブルコインが移行し、ハーモニー(ONE)のエコシステム内で利用可能となりました。同時にテラ(LUNA)の提供するDeFiプラットフォームでもハーモニー(ONE)が利用できるようになりました。

またテラ(LUNA)が主催する開発者向けの助成制度であるTerraform Labsやハーモニー(ONE)が主催するハッカソンにおいても、ハーモニー(ONE)エコシステム内でテラ(LUNA)のステーブルコインを利用するアプリの開発に対する助成が発表されています。

ハーモニー(ONE)の将来性

ここでは、前述したことを踏まえハーモニー(ONE)が将来性のある仮想通貨なのかをご説明していきます。

ハーモニー(ONE)のようなプラットフォームの需要は増加傾向

ハーモニー(ONE)は、特定の管理者が存在しない分散的かつ高速な仮想通貨です。

イーサリアム(ETH)がスケーラビリティ問題を深刻化させている中で、ハーモニー(ONE)のような高速なプラットフォームの需要は高まっています。そして2021年現在、スケーラビリティ問題に対応する仮想通貨はトレンドになっています。

ハーモニー(ONE)は「100億人のためのプラットフォーム」を掲げており、トレンドに乗るプロジェクトのひとつだといえるでしょう。

AnimocaBrandsと提携

ハーモニー(ONE)は、AnimocaBrandsとの提携に成功しています。実用化についても、着実に進んでいるといえます。

AnimocaBrandsはドラえもんなどの有名キャラクターの権利を持つ会社と提携し、ゲームを開発しているデジタルエンターテインメント業界のリーダー企業です。

過去、イーサリアム(ETH)でもCryptoKittiesなどのゲームが流行しましたが、スケーラビリティ問題でイーサリアム(ETH)の処理能力をパンクさせた経緯があります。

そうしたことからAnimocaBrandsなどのゲーム関連企業は、今後ますますハーモニー(ONE)のようなスケーラビリティに優れるプラットフォームを採用するでしょう。

今後、ハーモニー(ONE)を使ってさまざまな仮想通貨や、ゲーム関連のNFTが、非常に安価な手数料でやり取りできるようになることが期待できます。

バイナンスローンチパッドでIEO実施

ハーモニー(ONE)の独自の強みとしては、バイナンスローンチパッドを実施しているということです。

バイナンスローンチパッドは世界最大の仮想通貨取引所バイナンスのIEOプラットフォームです。ハーモニー(ONE)は、前述でもご紹介したとおりバイナンスに認められ、将来性が高いと判断して販売した仮想通貨なのです。

バイナンスローンチパッドを実施した仮想通貨は2021年現在で約20銘柄しかありません。さらに、そのいずれも非常に高いリターンを記録しています。

ハーモニー(ONE)の購入方法

ハーモニー(ONE)は日本の取引所での扱いがありません。そのため海外の取引(バイナンス)でビットコイン(BTC)を利用して購入する流れが一般的です。海外の取引所では、一般的に日本円の入金が不可能となっており、多くのアルトコインはビットコイン(BTC)建ての市場で購入する必要があります。

購入の流れとしては、

  1. 日本円でビットコイン(BTC)を買う
  2. バイナンスの口座を開設する
  3. バイナンスへビットコインを送金する
  4. ビットコイン(BTC)でハーモニー(ONE)を購入する

【まとめ】ハーモニー(ONE)は期待できる仮想通貨

ハーモニー(ONE)はスケーラビリティと分散化の両立を目指す仮想通貨で、その開発には有能な人材が関わっています。

ハーモニー(ONE)は匿名性に優れていることやバイナンスに上場していることから信頼性が高い仮想通貨であるとともに、最近でも動きが活発でさまざまな企業などと連携をしています。

一方で、似たような動きをする仮想通貨もあり競合に勝つことができなければ埋もれていってしまう可能性もあります。

ハーモニー(ONE)は将来的に多くの人に使われるようになることを目指しており、多くの人が利用したいと思えるようなアプリケーションをリリースしていく予定となっています。それが計画通りに進み、多くの人に利用されるプラットフォームとなれば、ハーモニー(ONE)の未来は明るいと言えます。

執筆者 西村大樹