SBIバーチャル・カレンシーズは本当に開業するのか?

方向感が定まらない仮想通貨市場、ネムのハッキング問題で取引所のセキュティ問題が顕在化する中、SBI ホールディングスが開業を目指している取引所「SBI バーチャル・カレンシーズ」(以下、SBI VC)の現状を探ってみました。

これまでの動き

今後のSBI VCの動向を占う上で、これまでSBI VCがどういった動きをしてきたのか時系列で確認してみます。

  • 2017年5月:Webサイト公開
  • 2017年9月:仮想通貨交換業登録
  • 2017年10月:サービス提供開始のタイミングについてのアナウンス
  • 2017年12月:優先口座開設のご案内
  • 2018年2月:仮想通貨取引サービス延期のお知らせ
  • 2018年3月:SBIホールディングスとHuobi(フォビー)グループとの業務提携取りやめ

このようにして見てみると後発での業界参入でありながらSBI VCの金融庁への仮想通貨交換業登録は同業他社と同じタイミングであることが分かり、2017年は開業に向け順調に準備をしていたことが伺えます。

しかし2018年1月26日、コインチェック社によるネムの流出事件を受け急に慎重な姿勢を見せることになります。

そして3月、SBI ホールディングスとHuobiグループの業務提携が取りやめになりました。

Huobi(フォビー)は、香港を拠点とした仮想通貨取引所で、一旦2017年12月にSBI ホールディングスと提携をしており、独自トークンHuobi Token(HT)を発行したことで注目が集まりました。SBI VCは取りやめの理由をSBI VCのシステム構築において、昨今のセキュリティ強化が求められていることや、規制強化の流れに対応するための開発体制の構築、そして自社でのシステム構築の目途が立ったことを挙げています。

一方今後の方針について「開業準備への影響は軽微」としています。

マネックスとSBI

オンライン証券事業を中心に金融ビジネスを展開しているマネックスグループが、36億円で仮想通貨取引業者であるコインチェックを完全子会社化しました。マネックスの買収発表の会見時にマネックスの松本社長は、非常に自信に満ちた表情であったのに対し、コインチェックの和田社長は終始うつむいていました。マネックスの買収による背景としてフィンテックビジネスの強化という向きが強く、再建が目的ではないと各紙も報道しておりやはり会見時にも両社の思惑の違いが見て取れます。

オンライン証券大手であるマネックスとSBI。
SBIにおいてもブロックチェーン技術を全面的に採り入れた、革新的な金融サービス“FinTech 2.0” の提供を目指していることや、マネックスが今回の買収のようなフィンテックビジネスの強化を推進していることから推察すると、SVIVC内部でも動向を伺っていることは間違いがなく、開業までの準備に影響があると思われます。

xRapidシステムへの参加

SBI VCが取り扱う予定の通貨にリップル(XRP)があります。リップル社は国際送金において送金スピード及び送金コストの低減を目的としており、RippleNetの構築によりグローバルに送金する手段を提供することを目指しています。

RippleNetは以下の三つを主な柱としています。

  • x Current
  • xRapid
  • xVia

xCurrentは銀行がEnd to Endのトラッキングを使用し国境を越えた支払いを即時に決済できるようにするRippleのエンタープライズソフトウェアソリューションです。

xRapidはRippleNetの送金における流動性、即時決済を可能にするものです。

xViaは支払いにおける標準インタフェースでRippleNetを使用しネットワーク間で支払いを行いたい法人やプロバイダー及び銀行向けのサービスです。

SBI VCにおいてもxRapidを使用しJPY⇔XRP⇔各通貨の即時交換を検討しており、注目が集まっております。

Twitter民の反応

試しにTwitter上で「SBI VC」で検索を入れ、確認をしてみたところ以下のようなつぶやきがありました。

  • SVI VCは今どうなっているのか
  • 夏のコインチェックとSBI VCの本格的始動もあるのではないか
  • SBI VCはもっと市場が熟成したあと、登場するのでは
  • あともう少しだから。と嫁に毎日言っている。SBI VCはよ

と概ね期待しているつぶやきが多かったです。逆にコインチェックのネム流出が起きたころでは悲観的なつぶやきも見られました。

海外の反応

Twitter上ではSBI VCに関してつぶやいている外国人は圧倒的に少ない印象でした。しかしながらSBI VCの動向について伺うような内容は少ないながらもありました。

WEB上ではSBI VCの開業時期についての記事もありましたが、取り扱い通貨について扱っているものが多い印象でした。

まとめ

SBI VCの今後について気になっている方は多いと思われます。
これまでの動きから開業に向けた準備は着々と進められており、取引所開設の方針について今現在変わりはないことがお分かりいただけたと思います。

またSBIにおける主な取扱通貨にXRPが挙げられていることは周知の事実ですが、さらにRipple Netの利用に積極的に関わろうとしている点も見られます。

マネックスがコインチェック社を買収した動きをSBI VCにおいても注視していると見られ、さらに今後の動向から目が離せません。

 
執筆者 西村大樹

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