今回は、Zilliqa(ZIL/ジリカ)という仮想通貨について説明します。2017年にローンチされたZilliqa(ZIL)は、シンガポール国立大学の研究者によって開発されたプラットフォームです。
この記事では仮想通貨Zilliqa(ZIL/ジリカ)の概要や特徴、今後の将来性などについて解説します。また、ジリカ(ZIL)の購入方法も併せてご説明しますので、ぜひ投資の参考にしてみてください。
目次
Zilliqa(ZIL/ジリカ)のリアルタイムチャート
Zilliqa(ZIL/ジリカ)はスケーラビリティ問題を解決する仮想通貨
Zilliqa(ZIL)は、シンガポール国立大学の研究者が2017年に立ち上げたプラットフォームです。
シンガポール国立大学コンピューティング学部の助教授であるPrateek Saxena氏によって考案され、スケーラビリティ問題の解決を目指す仮想通貨として注目されています。
≪スケーラビリティ問題≫
仮想通貨が取引通貨として使用される場面が増えることで、データ処理が追い付かなくなってしまう問題のこと。取引混雑時の手数料高騰、取引の遅延などが起こる。特に、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)で問題視されている。
仮想通貨ジリカ(ZIL)の価格と時価総額
【価 格】約0.1ドル
【時価総額】約14億ドル(時価総額ランク 97位)
※2021年11月2日時点の情報です。
仮想通貨ジリカ(ZIL)のロードマップ
2017年7月 Zilliqaプロジェクト開始
2018年1~3月 ソースコードのリリース/テストネットVer.1.0のリリース
2018年4~6月 スマートコントラクトα版をリリース/テストネットVer.2.0のリリース
2018年7~9月 スマートコントラクトβ版をリリース/メインネットを公開
2018年10~12月 アンカーアプリをリリース
2020年4月 Zilliqaの最新バージョン「v.6.2」をリリース/ステーキングのサポート
Zilliqa(ZIL/ジリカ)の特徴
Zilliqa(ZIL)の3つの特徴について解説します。
①Zilliqa(ZIL/ジリカ)は高速取引が可能
Zilliqa(ZIL)は、高速取引が可能な仮想通貨であることが大きな強みです。
2018年3月の時点で処理件数は、ビットコイン(BTC)約3~6件/秒、イーサリアム(ETH)約15件/秒。それに対して、Zilliqa(ZIL)は約2,488件/秒と圧倒的でした。※現在は約2800件/秒。
Zilliqa(ZIL)の2,448TPSという処理速度は、世界中で膨大な決済を処理しているクレジットカードの4,000TPSと比べるとその速さがイメージしやすいでしょう。
この圧倒的な速度を実現しているのは、「シャーディング」と「スマートコントラクト」の並行処理によるもの。スケーラビリティ問題を回避するこの技術こそ、Zilliqa(ZIL)最大の特徴であり、魅力となっています。
≪TPS≫
システムが1秒間に処理できるトランザクション数を表す単位。=件/秒
≪シャーディング≫
1つのネットワークを複数に分割することで、ネットワークの全てのトランザクション(取引)ではなく一部のみを処理可能にする技術。
≪スマートコントラクト≫
仮想通貨の「契約機能」のこと。送金処理とともに、さまざまな契約をコードで制御しながら実行可能。DApps(ブロックチェーン上のアプリ)には欠かせない仕組みの1つ。
▼ビットコイン(BTC)については、こちらを参考にしてみてください。
▼イーサリアム(ETH)については、こちらを参考にしてみてください。
②51%攻撃問題の解決にも期待できる安全性
Zilliqa(ZIL)は、コンセンサスメカニズムとしてPBFTを適用しています。
そのため、トランザクションを承認する一部のノード(取引情報の監視や管理、取引承認などを行う端末)が故障していたり、不正を働いていたりしたとしても、トランザクションを実行することが可能です。
また、独自のスマートコントラクトの言語であるScilla(シラ)を利用することにより、安全性もより高められています。
≪51%攻撃≫
悪意のあるグループや個人によって、ネットワーク全体の採掘速度(マイニングにおける1秒あたりの計算速度)の 51%(50%以上)を支配して、不正な取引を行うこと。
③ZILトークンを預けることで報酬が得られる
Zilliqa(ZIL)は独自のトークンとして、ステーキングが可能なZILトークンを提供しています。
そのため、Zilliqa(ZIL)プロジェクトにZILトークンを預けることで、ユーザーは報酬を得ることができるのが特徴。
現在実装されているZIP-11は、ステーキングサービスでは報酬の年率が5~7%となっています。仮想通貨Zilliqa(ZIL)を保有することで継続的に報酬を得ることができるので、ちょっとしたお小遣い稼ぎができそうです。
≪ステーキング≫
対象の仮想通貨を保有しブロックチェーンのネットワークに参加することで、対価として報酬が貰える仕組み。
▼仮想通貨の税金や申告については、こちらを参考にしてみてください。
Zilliqa(ZIL/ジリカ)の今後の将来性
Zilliqa(ZIL)は「スケーラビリティ問題の解決」というコンセプトにおいて特に注目されている仮想通貨のため、今後は取引速度の速さをどのように生かすかがポイントとなりそうです。
厳しい意見を言うなら、近年ではZilliqa(ZIL)のようにスケーラビリティ問題を意識した通貨は増加しつつあるため、ややオリジナリティに欠けるともいえます。そのため、ステーキングシステムのアップデートに期待している人も多いようです。
2018年3月に世界最大級の海外取引所Binance(バイナンス)で取り扱うようになって以降、スケーラビリティ問題に対する姿勢をアピールしてきたZilliqa(ZIL)。
今後のシステム・サービスアップデートによってどこまで他の仮想通貨と差を付けられるか、期待を込めて今のうちに投資をするのも良いでしょう。
Zilliqa(ZIL/ジリカ)の価格上昇ポイントに注目
- システム・サービスアップデート
- 仮想通貨取引所への上場
- dAppsの人気上昇
これまでZilliqa(ZIL)の価格が上昇したタイミングを考えると、上記の3つに注目しておきたいところです。
2019~2020年の前半にかけて価格は停滞していたものの、2020年の12月頃から価格が一気に上昇したZilliqa(ZIL)。
これは2020年4月に最新バージョンがリリースされ、ステーキングによって利息収入が得られるようになったためだと考えられます。更に2020年6月には仮想通貨取引所Kucoin(クーコイン)、Binance(バイナンス)と提携。dAppsの人気の高まりにも影響を受けていると考えられています。
これまでの動向から、Zilliqa(ZIL)の価格が上昇するタイミングはある程度予想しやすいといえるでしょう。
Zilliqa(ZIL/ジリカ)ライバルとなりそうな仮想通貨
- イーサリアム(ETH)
- ネオ(NEO)
- イオス(EOS)
- ポアネットワーク(POA)
- アイオーエスティー(IOST)
Zilliqa(ZIL)のライバルとなりそうな仮想通貨は、やはりdAppsプラットフォームにおいて有名な銘柄であるイーサリアム(ETH)が第一に挙げられるでしょう。
その他には、高速処理をアピールしている仮想通貨がZilliqa(ZIL)のライバルとなりそうです。
例えば、中国版イーサリアム(ETH)といわれるネオ(NEO)は、1秒あたり1,000件の処理が可能。アイオーエスティー(IOST)は、送金スピードが速いことを最大の特徴としています。
他にも、イオス(EOS)やポアネットワーク(POA)も高速処理を得意としているため、今後の動向に注目です。
▼アイオーエスティー(IOST)については、こちらを参考にしてみてください。
Zilliqa(ZIL/ジリカ)の購入方法
仮想通貨ジリカ(ZIL)は、日本国内の仮想通貨取引所での取り扱いがありません。そのため、ジリカ(ZIL)を購入するには、まず日本国内の仮想通貨取引所の口座で別の仮想通貨を購入する必要があります。
オススメは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)。仮想通貨を購入後は、海外の仮想通貨取引所の口座に送金します。そして、送金した仮想通貨でジリカ(ZIL)を購入しましょう。
▼仮想通貨取引所の比較ランキングも、ぜひ参考にしてみてください。
Zilliqa(ZIL/ジリカ)が購入できる主要な取引所
- Binance(バイナンス)
- HitBTC(ヒットビーティーシー)
- OKEx(オーケーエックス)
- Kucoin(クーコイン)
- Bitfinex(ビットフィネックス) など
海外の仮想通貨取引所は、使いやすさや取り扱い通貨の種類などさまざまな違いがあるため、仮想通貨を購入する際は自分のニーズに合った取引所を選ぶことが重要です。
また、海外の仮想通貨取引所は日本の金融庁の認可を受けていないため、利用する際は十分に注意しましょう。
【まとめ】Zilliqa(ZIL/ジリカ)は今後のアップデートをチェック!
Zilliqa(ZIL)はスケーラビリティ問題を意識した、高速取引が可能な仮想通貨です。
ステーキングによって利息収入が得られるようになったことにより、注目度はさらにアップして多くのユーザーから期待されています。
今後のアップデートによって処理速度がどこまで上がるのか、またステーキングのサポートがどのようになっていくのか、今後も目が離せない仮想通貨といえるでしょう。
執筆者 西村大樹