「仮想通貨を換金するにはどうすれば良い?」
「現金化されるまでの時間は?注意点はある?」
今回は、仮想通貨を換金する方法や申請してから換金されるまでにかかる時間、仮想通貨を換金する際の注意点について解説していきます。
仮想通貨の換金は非常に簡単で、早ければ当日にでも銀行口座に振り込みされます。しかし、換金時に失敗すると仮想通貨が消えてしまったり、脱税となるケースもあります。
仮想通貨で換金で失敗や損をしてしまわないよう、ぜひ参考にご覧ください。
目次
仮想通貨を換金する3つの方法
仮想通貨を換金する方法は大きく分けて3つの方法があります。
- 仮想通貨取引所で換金
- 電子マネーにチャージ
- 仮想通貨ATMで換金
結論からお伝えすると、この3つの中では「①仮想通貨取引所で換金」をおすすめします。と言うのも、②は電子マネーとしてチャージされるため本当の意味で現金化できないですし、③は現在日本国内で設置されている箇所が0件ですので実用的でないからです。
しかし、換金には複数の方法があるという事実を知っていれば、仮想通貨の活用を大きく広げることができるでしょう。
それでは、それぞれの説明とメリット・デメリットをご紹介します。
①仮想通貨取引所で換金
仮想通貨を換金する方法で一番オーソドックスなのが、仮想通貨取引所で換金する方法です。
日本国内の仮想通貨取引所を利用しているのであれば、出金申請で簡単に現金に換金できます。この方法が一番簡単で、一番速いと言えるでしょう。一点気をつけたいのが、出金時にかかる手数料です。
手数料は仮想通貨取引所によって差があり、無料というところもあれば千円単位が発生するところもあります。ただ、出金手数料が無料だから良いということでもなく、入金手数料や取引手数料もかかってきますので、そうした手数料全体を踏まえた上でコストを抑えたいところです。
一方、海外の仮想通貨取引所を利用している場合の換金方法は少し面倒です。
日本円で出入金できる場合をのぞいて、米ドルや豪ドル、ポンド、ユーロといった海外の法定通貨でしか出入金できません。海外の仮想通貨取引所で保有している仮想通貨を日本円に換金する場合は、仮想通貨を日本の仮想通貨取引所へ送金して日本円に換金する手間が発生します。換金する際に発生する出金手数料の他に送金手数料も発生するため、利益がほとんどなくなってしまう……といった事態になりかねません。
国内・海外の仮想通貨取引所で共通して言えることは、こまめな換金はおすすめできないという点です。利用している取引所の手数料をあらかじめ把握しておき、「○円になったら換金する」というルールを作っておくと不要な損失をカットできます。
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「bitcastle」は取引手数料0%*の仮想通貨取引所です。
法定通貨での入出金ができない取引所ですが、ローコストでスピーディーな取引に特化したメリットを持つため、仮想通貨の購入は別の取引所で実施し、取引はbitcastleで行うといった活用方法が向いています。
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取引方法は「指値注文」「成行注文」「ストップ指値注文」「ストップ成行注文」の4つの注文方法があり、取り扱い通貨はビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、テザー(USDT)、ライトコイン(LTC)など人気の高い主要なコインを扱っています。米ドルに紐づいたペッグ通貨のテザー(USDT)があるので、価格の乱高下が気になる方はテザー(USDT)を購入して送金するのも良いかと思います。
嬉しいポイントは、100%コールドウォレット(オフラインで通貨を管理)だという点です。オンラインに繋がっているホットウォレットと比べてハッキングリスクされるリスクが低いため、安心して取引を楽しめます。
*メジャー通貨ペアの取引手数料のみ
②電子マネーにチャージ
最近増えてきたのが、仮想通貨を電子マネーにチャージして換金する方法です。仮想通貨を換金する目的が日常生活の支払いに充てるためであれば、わざわざ日本円に換金してからチャージするという手間が省けますね。
仮想通貨を電子マネーにチャージする方法は3通りで、1つ目は業務提携している仮想通貨取引所からチャージするパターン、2つ目はチャージ代行サービスを介してチャージするパターン、最後の3つ目はプリペイドカードへチャージするパターンです。
- 業務提携している仮想通貨取引所からチャージ
(楽天ウォレットと楽天キャッシュ、LINE BITMAXとLINE Pay) - チャージ代行サービスを介してチャージ
(ディーカレットなど) - プリペイドカードへチャージ
(バンドルカード、Hcardなど)
共通しているデメリットは、チャージできる仮想通貨の種類が限定している・手数料が発生するといった点です。
ただ、手数料に関して言えばメリットになる面もあり、仮想通貨取引所で換金する際の手数料と比較すると、むしろ電子マネーにチャージした方が安い場合もあります。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
パターン①業務提携している仮想通貨取引所からチャージ
国内で経済圏を樹立している楽天グループ株式会社とZホールディングスでは、それぞれ子会社に仮想通貨取引所とペイメント事業を持っており、仮想通貨と電子マネーの互換性があります。
- 楽天ウォレット(仮想通貨取引所)と楽天キャッシュ(電子マネー)
- LINE BITMAX(仮想通貨取引所)とLINE Pay(電子マネー)
2022年4月にはZホールディングス傘下のPayPayがLINE Payと統合することを発表しているため、利用できる範囲もぐっと広くなりそうです。
楽天市場や楽天モバイル、楽天銀行、楽天証券、楽天カードなど、いわゆる楽天経済圏で生活している方は楽天ウォレット+楽天キャッシュとの相性は抜群です。
チャージ手数料とチャージ可能な仮想通貨は以下の通りです。
- 楽天ウォレット・楽天キャッシュ
- 手数料:無料
- ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)・ビットコインキャッシュ(BCH)
- LINE BITMAX・LINE Pay
- 手数料:110円(税込)
- リンク(LINK/LN)・ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)・リップル(XRP)・ビットコインキャッシュ(BCH)・ライトコイン(LTC)
いずれの取引所も日本円での出金が可能ですので、取り扱い銘柄で不満がなければお得に利用できるのではないでしょうか。
パターン②チャージ代行サービスを介してチャージ
「使用している電子マネーが仮想通貨取引所と連携していない……」という方の間口を広げたのが、仮想通貨チャージサービスです。
日本国内ではディーカレットという仮想通貨取引所がチャージサービスの先陣を切っており、au PAYや楽天Edy、nanacoギフトにチャージ可能です。JR東日本が発行する電子マネーSuicaもディーカレットでの仮想通貨チャージサービスを前向きに検討しているとの構想を発表しています。現実となれば、PASMOやICOCAといった他の交通系電子マネーの取り扱いも視野に入ります。
ちなみにディーカレットは日本で一番最初に金融庁の認可を受けて仮想通貨交換業者登録を行った仮想通貨取引所です。三井住友銀行や三菱UFJ銀行といったメガバンクから、広告代理店の電通、JR東日本、ビッグカメラといった日本を代表する企業が出資し、2018年に設立されました。
パターン③プリペイドカードへチャージ
あらかじめ入金をして額面分の支払いができるプリペイドカードは、クレジットカードを持っていない人でもクレカ払いのみ対応している店舗で買い物ができたり、持っているクレジットカードの種類が対応していない時といった場面で、大変人気のある決済方法です。今はもうほとんど見ることがなくなったテレフォンカードやプリペイド携帯の最新版、といったところでしょうか。
たくさんあるプリペイドカードの中で、ビットコインでのチャージができるバンドルカードは、スマホで簡単にバーチャルカードを発行できることもあり人気の高いVisaプリペイドカードです。
- バンドルの入金方法
- ビットコイン(BTC)
- コンビニ
- クレジットカード
- 携帯払い
- ネット銀行
- 銀行ATM
バンドルカード側での入金手数料は無料ですが、送金手数料に関しては送金する側の基準となります。送金時は手数料を織り込まず、チャージしたい金額分だけ送金するように気をつけましょう。
③仮想通貨ATMで換金
仮想通貨ATMでは、仮想通貨の購入や売却、ウォレットへの送付、ペーパーウォレットへの印刷が可能です。
残念ながら現在日本国内での設置はなく、海外にしか設置がありません。仮想通貨ATMの99%がビットコイン(BTC)専用ということもあり、ビットコインATMと呼ばれています。
「Coin ATM Radar」は仮想通貨ATMの設置場所が検索できるマップサービスで、どこに・どの銘柄を取り扱っている仮想通貨ATMが設されているか、がわかるようになっています。
仮想通貨専用ウォレットがなければ利用できないものや、ウォレットがなくてもペーパーウォレットに印刷できるものなど、種類はいくつかあるようです。利用には個人を証明するIDのスキャンが必要で、旅行した際に利用するのであればパスポート対応が可能なATMを利用してください。
一時期、日本国内でも東京都や大阪府、千葉県などに仮想通貨ATMが設置されていましたが、税金逃れのため現金を仮想通貨へ換金する、いわゆるマネーロンダリングなどを規制する動きが厳しくなったことで全て撤廃されました。今後も設置される見込みは薄いと予想できます。
仮想通貨が換金されるタイミングは当日〜3営業日程度
仮想通貨が換金されるタイミングは、国内のサービスを利用するのであれば当日〜3営業日程度が一般的です。取引所や振込先の銀行口座に依るところですので、送金元・受け取り先のルールを確認しましょう。
海外の仮想通貨取引所を利用している場合は、海外の取引所(ウォレット)→国内の取引所→銀行口座や電子マネーと、間に国内の取引所への送金作業を跨ぐ必要があるため、倍程度の時間がかかると想定しておいてください。
仮想通貨を換金する際の注意点
最後に、仮想通貨を換金する際の注意点について説明します。
- 税金が発生するタイミングは利益が出た時
- 間違って送金・換金してしまってもチャージバックできない
見落としがちなポイントですので、ぜひ目を通しておいてくださいね。
税金が発生するタイミングは利益が出た時
勘違いしている人が多いのが、税金が発生するタイミングです。
仮想通貨は購入やマイニングで保有しているだけであれば税金は発生しません。購入したまま取引せずに取引所の中で保有していたり、ウォレットで保有している状態です。
では、いつのタイミングで税金が発生するのかというと、購入以外で仮想通貨を得た時や仮想通貨によって利益が発生した時、仮想通貨で買い物をした時、仮想通貨同士を交換した時、保有していた仮想通貨を換金した時です。
つまり、「換金していないから利益なし!税金も納める必要なし!」は間違いということです。
仮想通貨の売却や交換、取得などで利益が出た場合、額面に応じて確定申告が必要になります。換金していないからといって、確定申告や納税を怠れば「脱税」になる点を肝に銘じておかなければなりません。会社員やパートアルバイトなどで生計を立てながら仮想通貨取引をしている方は20万円を超えると確定申告義務が出てきますし、20万円を超えなくとも住民税の申告が必要です。
仮想通貨の確定申告については、下記の記事を参考にしてみてください。
仮想通貨で得た利益は総合課税です。総合課税とは、その年の1月1日から12月31日までの1年間で得た所得に対して一定の税率で課税する方法で、必要経費を差し引いた所得に対して5~45%の税率で所得税が計算されます。
対して、同じ投資商品でも株やFXは申告分離課税のため、最大でも20%の課税となります。口座を開設する際に源泉徴収ありの特別口座を選べば証券会社が税務署へ直接納付してくれるため、確定申告が不要です。税制上のメリットは仮想通貨取引よりも大きいと言えるでしょう。
加えて、仮想通貨は雑所得として扱われ、雑所得以外の所得と損益通算ができませんし、損失を次年度に繰り越すこともできません。
チャージバックがない
仮想通貨は自律したブロックチェーン上で動いている通貨であることを忘れてはいけません。運営元はあくまでブロックチェーンプロジェクトを運営している会社であって、ユーザーが保有する仮想通貨の管理は行っていないのです。
つまり、海外の仮想通貨取引所から日本の取引所へ送金する際や、取引所から取引所へ送金する際、ウォレットから取引所へ送金する際など、送金手続きを行う場面で間違ったアドレスを入力して行方がわからなくなったとしても、送金した分の仮想通貨はチャージバックされません。
国内の仮想通貨取引所は、金融庁・財務局の厳しい審査に通貨しなければ仮想通貨交換業に登録できませんが、保証制度に関してはまだ発展途上です。例えば、銀行が破綻した場合はペイオフという保証制度があり、上限1,000万円までは保証されるようになっています。仮想通貨取引所にはそのような保証制度がありませんので、「会社が潰れました」と突然宣告され、預けていた仮想通貨を換金できないといった詐欺被害も多発しています。
少し話がずれましたが、仮想通貨を換金する際は細心の注意を払って手続きするよう気をつけましょう。
【まとめ】仮想通貨の換金は簡単だけど慎重に!
仮想通貨を換金する方法や注意点について解説しました。
現金化や電子マネーへのチャージは簡単かつスピーディーにできる反面、仮想通貨の送金だったり確定申告有無の切り分けだったり、慎重に行わなければならない側面も持ち合わせています。
あらゆる失敗を未然に防ぐために、換金ルールを作っておくことをおすすめします。
- いくらになったら換金する
- ○月○日になったら換金する
- 利益は○円までにおさえる
- 収益がわかるように仮想通貨用の換金口座や電子マネーを作っておく等
自身での取引管理が苦手という方は、入出金管理がしやすい取引所を選ぶのも良いでしょう。「納税できない……」とならないように、事前に対策を練って仮想通貨を楽しんでくださいね。
執筆者 西村大樹