仮想通貨THETA。読みかたは「シータ」と読みます。2018年に公開された新しい仮想通貨の一つです。そのブロックチェーン技術は動画プラットフォーム向けに開発されており、アドバイザーにはYouTubeの元最高責任者であるSteve Chen氏が参加しています。本記事ではそんな注目の仮想通貨、THETAを紹介します。
尚、本文ではアルファベット表記のTHETAをカタカナ表記でシータと執筆しております。
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目次
THETA(シータ)とは
仮想通貨シータはブロックチェーン技術の応用で、非中央集権型の動画プラットフォームの構築を目指す為に開発されました。採用技術は「Multi-Level-BFT」と呼ばれるものを使用しており、セキュリティ性の高さが特徴です。 また、シータの特徴を紹介する上でもMulti-Level-BFTの解説が欠かせませんので、詳しく説明していきます。
ブロックチェーン技術に関する記事はこちらも参考になります。
THETA(シータ)の特徴
シータの特徴は、そのトークンの利用目的が動画配信サービスでの使用を想定している点です。現在のYouTubeやネットフリックスなどの中央集権型の動画プラットフォームではなく、ブロックチェーン上で稼働する非中央集権型のプラットフォームを主流にするために開発されました。
Multi-Level-BFT
Multi-Level-BFTはシータで採用されているコンセンサスアルゴリズムです。(コンセンサスアルゴリズムの意味は後述で補足します)シータではこの方式を利用したブロックチェーンを「シータネットワーク」と言います。シータネットワークは膨大な数のノードを繋ぎ、様々な種類のコンテンツやデータを全世界で共有することが目的です。一つのサーバーに情報を集めず、分散型の管理方法を目指しています。
また回路ブロックを2つのレベルに分けることでセキュリティ耐性も向上しています。
【用語補足】
コンセンサスアルゴリズム:ブロックチェーン上で新しいブロックを接続するときに、前のブロックとのつながりを承認するためのアルゴリズム。このアルゴリズムは仮想通貨によって違います
ノード:結び目や集合点という意味です。IT用語で使用する時はインターネットのネットワークは自身の端末から必要な情報にアクセスしますが、この時自身の端末がアクセスした情報の結び目となりノードと言います。
例えばプリンターがインターネットに接続されていればプリンターがノードになりますし、冷蔵庫がインターネットにつながれていれば冷蔵庫がノードになります。
非中央集権型の動画サービス
シータが目指す非中央集権型の動画プラットフォームとは、シータネットワークを利用しワールドCDNの仕組みを構築することです。
ワールドCDN
ワールドCDNとは「CDNの役割をみんなで分担しましょう」という考え方です。
CDNとはコンテンツデリバリーネットワークの頭文字をとった略語で、画像や動画などのコンテンツを保存しておくサーバーのことを指します。 YouTubeやニュースサイト、インスタグラムといった大規模な情報を取り扱うサイトでは基本的にCDNを契約しています。こうすることでメインサーバーとは別にコンテンツデータを大量に保管することが可能です。
このシステムをクライアントサーバー型といい、1つのメディアに対して複数の利用者がメディアのサーバーにアクセスすることができる仕組みです。この仕組みは今後通信するデータの量が多くなればなるほどサーバーへの負担は計り知れないものになります。
そこで考えられたのがワールドCDN。シータネットワークのブロックチェーン技術でCDNの役割を世界中の参加者で分担して行おうという考え方です。ワールドCDNとは世界中の人たちがサーバーの役割を果たしましょうという意味が込められているのでしょう。
このネットワークが確立されれば、サーバーダウンの心配もなくシームレスに動画を配信することが可能になります。
ステーキングができる
シータはステーキングが可能です。バイナンスの発表しているシータのステーキングに関する情報では
- 予想年間利率 1~2%
- 最低預入金額 10THETA
- コイン価格 700円(2021年12月2日)
- 必要最低金額 7000円(2021年12月2日)
数字だけ見ればそれほど特徴とも見えませんし、予想年間利率はステーキング対応の仮想通貨の中では高い部類には入りません。いったい何が特徴なのかというと新興の仮想通貨の中では信頼性がトップクラスということです。
信頼性が高い理由
シータネットワークはREC-20規格の分散型動画配信ネットワークです。REC-20に準拠するシータネットワークは Ethereumのエコシステムが利用可能になります。REC-20のトークンは様々な種類のウォレット、ゲームを包括しており、受けられるサービスはこれからますます増えていくことでしょう。
シータプロジェクトには約20億円の資金が調達されており、出資元にはソニーイノベーションファンド、グリー、サムスンなどが挙げられます。シータの技術面の評価としても動画メディアコンテンツに利用できるブロックチェーン技術となれば信頼性は高い部類に入るでしょう。
仮想通貨の取引にはこちらも参考なります。
THETA(シータ)の現在の推移価格
現在シータは1シータ0.0001122ビットコインで取引されています。
方向性の結論は今後も下落基調、三角持ち合いになりそうとも見れそうな価格形成をしているのでブレイクするまではエントリー見送りです。短期では売りポジションが狙えます。
根拠と解説
日足チャートで見ていくと3月後半と6月中旬に0. 0002800付近にタッチ。そのあとはきれいに下落していきました。この0.0002800という価格はシータ上場以来の最高値で上場価格が0.0000200ビットコインで取引されていたことを考えると10倍以上の価格になっていたことになります。
上場当初から先行して買いポジションをホールドしていた投資家たちにしてみれば上場価格の10倍が一つの節目だったのでしょう。この利益確定売りが入ったと思われるのが3月後半、4月中旬の深押しから一時的な買い先行が入り6月上旬にもう一度0.0002800付近でもみ合ってしまいました。こうなると上昇の勢いが弱まってしまい、4月の高値で逃げ遅れた人の利益確定売りと短期的な売りポジション、さらには天井付近の買いポジション勢の損切のすべてが重なってダブルトップを形成して下落した。という流れでしょう。
大方の短期筋のポジションが解消され、下落もまだ底値が見えてこない状況で、買いポジションを仕込むのは時期尚早かと思います。少なくとも移動平均線(青線)より上で価格が推移するか上昇トレンドの起点になった昨年の11月後半の0.0000300付近まで下落しないと買いポジションは取りにくいです。
なのですぐにエントリーするとすれば短期的に売りポジションで入って損切幅を極端に小さくすればスキャルピングが一番利益を取れるでしょう。
THETA(シータ)の今後と動向
シータは動画プラットフォーム構築のために開発された技術がベースです。今後の動向を考えるには非中央分散型の動画プラットフォームがどの程度の需要が期待されるかで将来性が決まるでしょう。
非中央分散型動画プラットフォームのメリット
では実際に非分散型動画プラットフォームにどのようなメリットがあるのか、そしてシータをどのように利用するのかを見ていきます。ワールドCDNの項目でも話題に取り上げましたが、シータが目指す動画コンテンツは配信者と利用者の全員でサービスを運営しましょうという考え方です。
上の画像はブロックチェーンのイメージ図ですが左の画像が現在のYouTubeなどの中央集権型の動画プラットフォームです。
中心の雲のイラストがYouTubeのサーバーとすると、利用者はこの雲に大量にアクセスをします。中心とつながる道はそれぞれ1本しかないのでアクセスが増えればそれだけサーバーにかかる負担が大きくなりますし、動画データを保存できる容量にも限界があります。
右がシータネットワークと呼ばれる分散型の動画プラットフォームの考え方です。 雲がありません、そしてほかの端末とつながっている道は複数あります。この仕組みであれば、まずデータの保管場所がシータネットワーク内に参加しているすべての端末になります。つまりネットワークが広がれば広がるほど膨大な情報量が扱えるようになります。
2021年現在コロナ化の影響もあってか大手動画配信サービスの利用者数は増加傾向にあります。今後ますますそういったネットメディアの動画コンテンツの利用が拡大するとすれば間違いなくCDNの保存量に限界を迎えるでしょう。
そう考えると動画配信コンテンツの運営ネットワークは保存量にほぼ限界がないブロックチェーンに移行するでしょうし、現在から注目されているシータネットワークが利用されるとすればシータの将来性には期待大でしょう。
海外の仮想通貨取引所についてはこちらも参考にしてみてください。
THETA(シータ)の購入方法
現在シータのトークンを取り扱っている取引所は
- コインチェック
- バイナンス
- OKEX
- HOTBIT
どれも海外の取引所ですが5つほど取引所があります。 どこの取引所で口座を開くか悩んだらステーキングサービスのあるバイナンスがおすすめです。
【まとめ】仮想通貨THETAは動画プラットフォームとしての将来性に期待
仮想通貨シータについて取り上げてみました。現在のシータは分散型の動画プラットフォームの構築に力を入れていますが、シータはNFTの製作も可能です。動画だけではなくこの先NFT需要も高まっていくことを考えればシータの可能性は大いに期待できますし、シータのサービスがメディアコンテンツのスタンダードになる日も近いかもしれません。
執筆者 西村大樹