仮想通貨Arweave(AR)とは?特徴や将来性について解説

仮想通貨Arweave(AR)とは?特徴や将来性について解説

仮想通貨Arweave。最近の仮想通貨ランキングでは60位につけており、アルトコインの中でも比較的上位にランクインしています。Arweaveの開発コンセプトは、「無制限データストレージサービスの提供」を提唱しており、ほかの仮想通貨とは大きく異なります。

本記事ではArweaveについて特徴、将来性、今後の動向を解説し、リアルタイムチャートを用いて独自のテクニカル分析から投資戦略を考察します。是非今後の投資判断の参考にしてみてください。

Arweave(AR)とは

Arweave(AR)とは

Arweaveはメインネットワークが2018年6月に公開され、「永続的な分散型クラウドストレージネットワーク」を提供するために開発された仮想通貨です。発行されているトークンの名称はAR。現在は100を超えるサービスがプラットフォーム上で稼働していると言われています。

永続的な分散型クラウドストレージネットワークと言われてもピンとこない方が多いと思いますが、簡単に言えば「容量無制限で永久にデータを保存できる場所を構築しましょう」という考え方です。

直近のニュースでは11月5日にクリプト業界の著名な投資家たちから500万ドルの開発資金を調達したとの報道もあり、データ保存における関心の高さが伺えます。

Arweaveの創業者はこのネットワークの最終目標を「アレクサンドリア図書館のような世界中のすべての情報を永久的に保存できる場所にする」と述べているほどデータ保存に力を注いでいる仮想通貨になります。

【補足】

アレクサンドリア図書館:プトレマイオス朝時代からローマ帝国時代にかけ、エジプトのアレクサンドリアに設置されていた図書館である。古典古代世界における最大かつ最も重要な古典古代の図書館であり、ヘレニズム時代の学問において中心的な役割を果たした。

引用:Wikipedia

Arweave(AR)の特徴

Arweave(AR)の特徴

Arweaveの特徴はメインサービスである「無制限のデータストレージ」を提供するために独自の技術を開発、利用しています。その特徴をそれぞれ詳しく解説します。

Permaweb

PermawebはサーバーレスWEBの作成ができます。この技術はArweaveネットワークを支えるメインの技術になっていて、重要なコンセプトです。

従来のインターネットウェブサイトは大手IT企業が運営するサーバーが管理、運営を行っており、アップロードされた情報はサーバーを運営する企業に集中するような仕組みになっています。近頃では情報が中央集権化することにより、情報の検閲や消失などについて問題視する声も上がっています。

そこで開発されたPermawebは独自のクラウドストレージネットワークを構築し、保存データを分散管理することで永続的な情報の保存を可能にしています。

Permaweb上に保存されたコンテンツはメンテナンスコストも掛からず、低料金で利用することができます。

特殊なPoW

Arweaveは特殊なPoW(プルーフ・オブ・ワーキング)によってマイナーたちは報酬を受け取っています。従来のPoWはブロックチェーン上に新しいブロックを作成した際、マイナーと呼ばれる作業者たちは新しいブロックの追加を承認する為の計算作業を行い、その対価に報酬を得ていました。

しかしArweaveのマイナーは自分の未使用のストレージをArweaveネットワークに提供することで報酬を得ています。

こうしてArweaveネットワークに参加している人たちの使用していないストレージを集め、保存先にすることで分散管理、無制限の保存容量、永久保存を実現しています。

【補足】

PoW(プルーフ・オブ・ワーキング):ブロックチェーンの新規ブロックの承認作業のこと。承認作業に参加すると報酬として仮想通貨のトークンが支払われます

Smart Weave

SmartWeaveはArweaveのスマートコントラクトを構築しています。

データを永久に保存するためのブロックチェーンであるArweaveは独自のスマートコントラクトの仕組みで稼働しています。

そのスマートコントラクトのプログラミング言語環境をSmartWeaveといい、ARトークンを使用することであらゆるタイプのスマートコントラクトを、JAVAスクリプトで開発できるように設計されています。

実際の動作の流れを見ていきましょう。

【補足】

スマートコントラクト:取引や処理において一定のルールを定め、そのルールに合致し続ける限り自動で処理を行う仕組み

SmartWeaveにおけるスマートコントラクトの流れ

従来のスマートコントラクトではネットワークに参加しているすべての端末がそれぞれトランザクションを行い、操作の正しさを承認していました。

SmartWeaveではネットワークに参加している端末にトランザクションを実行させず、スマートコントラクトの実行処理の負荷をネットワークに参加している端末から個人のコンピュータに分散させています。

このシステムを「遅延評価」といい、これによるメリットはバリデータ(ブロックデータの適性を検証する端末)がスマートコントラクトの作業を行わないことで、送金などの処理で発生する「ガス」(手数料)を発生させないようにすることができます。

ユーザーはこれによりArweaveのネットワーク上では低価格でArweaveと取引を行うことが可能になり、利便性を高めています。

【補足】

トランザクション:データ処理という意味。仮想通貨においては取引記録の作成や入出金の処理のことを指す場合が多いです

開発者の報酬

Arweaveではネットワークの運営をユーザーの持っている余力に頼っている部分があり、自治的な仕組みが多く見られますが、開発者にとっても魅力的な仮想通貨になっています。

例えば先程のSmartWeaveにおいてもユーザーが利用するスマートコントラクトの手数料は開発者側にはほとんど入ってきませんが、代わりに開発者側にはユーザーがスマートコントラクトを実行するための負荷を任意に設定する権利が与えられています。

SmartWeaveのスマートコントラクトは実行処理をユーザー個人のコンピュータに行ってもらう仕組みのため、ユーザーの負荷をコントロールできると言うことは開発側はスケーラビリティの問題を気にする必要なく開発に取り組めるというメリットがあります。

また、SmartWeaveではPSTと呼ばれる利益共有トークンを発行しており、開発者がArweaveのアプリケーションを開発し収益化することも可能になっています。

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Arweave(AR)の現在の推移価格

Arweave(AR)の現在の推移価格

チャートはArweave/ドルの日足チャートです。

 

Arweaveの12月21日の価格は56.58ドルほど。12月に入り一旦35.60ドル付近まで下落するも安値圏では買いの勢いが強く、しっかり反発しています。ここからの価格展望をテクニカル分析で読み取っていきます。

投資戦略

今後考えられる戦略は以下の3つです。

具体的な売買ポイント

  1. 方向感が出るまでは売買を見送る
  2. 長期投資として30ドルを下回るほどの下落があれば買い
  3. 90ドル付近の反発を狙った短期投資の売り

チャートを確認すると9月からの上昇トレンドがひと段落し、価格は上値が90ドル付近下値が38ドル付近と一定の値幅で固定されている(レンジ相場と言います)のが判ります。

現在は短期的に見れば12月14日以降上昇トレンドに転じていますが、上ヒゲの多い70ドル台や、90ドル台の抵抗されそうな価格帯が確認できるので、このまま上昇し続けると言い切ることは難しいでしょう。

反対に下値に関しても40ドルから下の価格はしっかりと反発が確認されているので、下落も限定的であることが推測できます。

このことから現在のArweaveは方向感に欠いた値動きをしており、今すぐ売買の判断は決められないというのが結論です。

しかしArweaveの将来性は期待値が高く、長期的に上昇するであろうという見込みがあるので、大きく価格が崩れた場合は購入検討をしてもいいかもしれません。

短期的に見るのであれば、いまだレンジ相場を抜ける気配はなさそうです。このまま上昇を続け価格が90ドル付近にタッチしたところで一瞬売りポジションを出すのも悪くない選択肢かもしれません。

Arweave(AR)の今後と動向

Arweave(AR)の今後と動向

Arweaveの今後はクラウドストレージサービスに一石を投じるものになるでしょう。
現在提供されているクラウドサービスはGoogle、アマゾン、マイクロソフトの3社で独占しているといってもいいでしょう。

ウェブサービスの情報のほとんどはこの3社に集中しており、システムトラブル等による情報損失のリスクや情報漏洩による被害は甚大なものになるとして、一極集中のような構造を問題視している声も出ています。

しかし今後Arweaveのようなブロックチェーン上に構築されるクラウドサービスが台頭してくると、そういったリスクをクリアし、3社の牙城を崩すかもしれません。

Arweaveのクラウドストレージサービスは「低コスト」、「無制限の保存容量」、「データの永久保存」となっており、現在主流のクラウドサービスのネックと呼べるものをすべて解決します。

インターネットで取り扱う情報量は今後も加速度的に増えていき、ストレージサービスのニーズは高まることが予想されます。その時革新的なクラウドサービスを提供するArweaveの注目度はさらに増していることでしょう。

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Arweave(AR)の購入方法

Arweave(AR)の購入方法

Arweaveは現在国内の仮想通貨取引所では取り扱っておりません。

購入は海外の仮想通貨取引所になります。代表的なところは

  • バイナンス
  • Kucoin
  • Huobi

などです。特にバイナンスは信頼性の高い大手仮想通貨取引所になるのでこちらでの取引をお勧めします。

【まとめ】仮想通貨Arweave(AR)は将来的に無限のデータ保存を可能にする

仮想通貨Arweaveについてまとめました。「無制限にデータを保存できる」と言われてもにわかには信じがたいですし、疑問に思ってしまうのも無理はありません。しかしArweaveはブロックチェーン技術を利用して、確実にその将来を実現します。

今はまだ実用化に向けたハードルが残りますが、将来、Arweaveが実用普及されたとき、Arweave知名度は誰もが知る仮想通貨になるでしょう。

執筆者 西村大樹