「押し安値」と「戻り高値」という言葉は知っていますか?
FXやバイナリーオプションなど、チャートの値動きを読む投資をするには必須の知識と言っても過言ではありません。
最近では、仮想通貨でもFXやバイナリーオプションができるようになったことから、こうしたチャートを読む投資が流行りつつあります。
そこで今回は、「押し安値」と「戻り高値」のポイントを徹底解説します。
これから様々な方法で投資を考えている人は、ぜひ最後まで見てください。
押し安値
押し安値とは、上昇トレンドの中で新高値を記録する起点になった安値のことです。
普通の安値との違いは、起点になった場合に直近の中でこれまで以上の高値を記録する点です。
戻り高値
戻り高値とは、下降トレンドの中で新安値を記録する直前の高値のことです。
普通の高値との違いは、直近のなかでこれまでよりも安値を記録する点です。
相場が上がり続け居ている、もしくは下がり続けている状況のこと
バイナリーオプションの勉強法についてはこちら
押し安値と戻り高値を見つける重要性
押し安値と戻り高値は、トレンドの転換点と呼ばれています。
FXもバイナリーオプションも、エントリーしたタイミングのチャート値が上がっている、もしくは下がっていることを予想して的中させることで利益を得られます。
だからこそ、現状が変わるきっかけを見つけることが重要です。
そのきっかけがトレンドの転換点、つまり「押し安値」と「戻り高値」です。
押し安値と戻り高値を見つける時の注意点3つ
それでは次に、押し安値と戻り高値を見つける時の注意点3つについてお伝えします。
- 時間軸を見る
- トレンドの強弱を見る
- トレンドのスタート地点を見る
それぞれ、どういった注意が必要なのかご紹介します。
時間軸を見る
チャートは様々な時間軸で見ることができます。
例えば、5分ごとなどの短期間で見ることもできれば、1時間ごとや1週間ごとなどのまとまった時間で見ることができます。
多くの人は日足チャートを見ると思いますが、日足チャートだけを見るよりも様々な時間軸のチャートを見てみることが実は大切です。
なぜなら、短期間で見ると上昇トレンドであったとしても月間で見ると下降していることが見えてくるからです。
このように、時間軸によって見方が変わることがあることも念頭に置いて、週に一度は長期間のチャートの動きを確認しましょう。
トレンドの強弱を見る
後ほどご紹介しますが、トレンドの状態を判断する「インジケーター」というものがあります。
このインジケーターにはいくつか種類があるのですが、中にはトレンドの強弱を見極めるものがあります。
このトレンドの強弱とは、簡単に言えばトレンドの勢いです。
チャートの値動きは、常に上下しながら推移していますが、その中でも上昇をし続けていれば上昇トレンドになります。
しかし、短い間で上昇で終われば損をすることもありますので、できるだけ長いトレンドの中で投資をすることが資産を増やす上では重要です。
そのため、現状のトレンドの強弱について確認して、エントリータイミングを間違えないこともFXやバイナリーオプションでは大切です。
トレンドのスタート地点を見る
チャートの値動きは常に変動しています。
そのため、今の値動きだけを見て予測することは難しいので、少し前の時間まで戻ってトレンドのスタート値を見る必要があります。
例えば、上記画像のように今後の予想をするために押し安値や戻り高値が見つかるまで戻ってから今までの値動きを見て予想を始めるといったやり方です。
ダウ理論
ダウ理論という言葉を知っていますか?
ダウ理論は、投資家として成功を収めたアメリカのジャーナリストであるチャールズ・ダウ氏が考案した理論です。
元々は株の売買に活かす手法として生み出されましたが、今はFXやバイナリーオプションなどにも利用されており、押し安値と戻り高値を活かして投資をする際に有効な理論だと言われています。
ダウ理論は下記の6つの法則でできています。
- 平均はすべての事象を織り込む
- トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される
- 主要なトレンドは3つの段階がある
- 複数の指標で同じ方向を向いているのか確認しなくてはいけない
- トレンドは売買数の増加や減少も確認されなくてはいけない
- トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
それぞれの詳細についてお伝えしますので、特徴を抑えてください。
平均はすべての事象を織り込む
チャートの値動きは、様々な要因が重なって動いているという考えの元、ありとあらゆる情報を含めて考えるべきという意味です。
人によって解釈が異なってくる部分ではありますが、今回は大多数の人が捉えている考え方をお伝えします。
すべての事象の範囲は、政府の公表した経済指標や世界情勢、企業の業績や自然災害などを含み、値動きに関する情報を織り込んでチャートは動いていると考えるべきだとされています。
トレンドは短期・中期・長期の3つに分類される
ダウ理論では、トレンドの期間は3つに分けられると考えられています。
- 主要トレンド
-
- 1年から数年間継続するトレンド
- 二次トレンド
-
- 3週~3カ月間の中期的なトレンド
- 小トレンド
- 3週間未満で継続するトレンド
これらは互いに関係があると考えられており、例えば二次トレンドは主要トレンドの相場を変えるタイミングを表していると言われています。
主要なトレンドは3つの段階がある
主要トレンドには下記3つの段階があると考えられています。
- 第一段階(先行期)
-
- 値下がりする要因がすべて入った底値だと判断して、投資家が値上がりを期待して買い求める時期
- 第二段階(追随期)
-
- 市場のトレンドが上昇していく様子を見て、他の投資家たちも買い求める時期
- 第三段階(利食い期)
- 多くの投資家によって買い求められた結果、上昇トレンドとなった際に先行期に買い求めた投資家が売りに出し始める時期
多くの投資家が買い求めし出すのは、チャート分析をした結果を確認できる第二段階です。
当然ですが、一番利益を得られるのは第一段階で投資を始めた人たちです。
いわゆる先行投資というものですが、なかなか真似するのは難しいので、基本的には上昇トレンドにいる第二段階で売り切ってしまうことが確実に利益を得る方法です。
複数の指標で同じ方向を向いているのか確認しなくてはいけない
チャート分析には、様々な種類の線を利用して相場を把握することが必須です。
それらの線が、まったく同じタイミングではなくても、近い場所で同じ方向にトレンドが起きると値を示した場合、示された値の近くでトレンドが起こる可能性が高いと捉える考え方です。
基本的には株を買う時に使う考え方のようですが、FXなどもお互いに影響し合う通貨もありますので、この考え方を利用することができます。
トレンドは売買数の増加や減少も確認されなくてはいけない
市場の終値を気にする人は多いと思いますが、その終値だけではなくて売買数の量もトレンドの変化を見るためには重要であるという考え方です。
売買数が減ってくると、トレンドも終わる頃だと判断することができます。
売買数の増減のことを一般的には出来高と表現されますが、この出来高とは投資家の心理状態を表していると言えます。
なぜなら、トレンドがそろそろ終わるだろうと考えた投資家たちは、売買を控えるようになるのでトレンドの盛り上がりが収束していくからです。
価格チャートと合わせて、出来高の推移を見るインジケーターを利用することで「まだ続いていくトレンド」なのか、価格チャートだけ伸びている「そろそろ終わるトレンド」なのかを見極めることができます。
トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
当たり前に聞こえるかもしれませんが、トレンドは明確な転換シグナルが出るまでは継続されると考えられています。
高値が更新し続けられるなら上昇トレンド、安値が更新し続けられるなら下降トレンドが続き、高値(安値)が更新されなくなったポイントが、トレンドの終わりになる転換点だとみなします。
インジケーターの種類
それでは次に、チャートの分析に役立つインジケーターについてお伝えします。
様々なインジケーターがある中で、それらは2種類に分けられます。
- オシレーター系インジケーター
- トレンド系インジケーター
オシレーター系インジケーターは、今の相場の状況を判断することに使われます。
「買われすぎ」もしくは「売られすぎ」といった判断をして、次のトレンドがどちらに向かうのかを予想します。
次のトレンドの方向性を見るためのインジケーターなので、主に値動きが一定の範囲で上下している相場(レンジ相場)で使うことが多いです。
一方トレンド系インジケーターは、現在トレンドの中にある場合に活用します。
相場の流れを見て、今後も今のトレンドがどれくらい続いていくのかを予測することに使います。
FXやバイナリーオプションでは主に「順張り」という取引方法で資産を増やすために使われるインジケーターです。
それでは、投資家の間で多くの人が利用している代表的なインジケーター4つについてお伝えします。
- 一目均衡表
- 文移動平均線(MA)
- 相対力指数(RSI)
- モメンタム
テクニカル分析法のMACDについてはこちら
一目均衡表
トレンド系インジケーターの中でも、特に多くの投資家が利用していると言われています。
ローソク足チャートに5つの線を使って、相場をチェックする方法です。
- 基準線
- 転換線
- 先行スパン1
- 先行スパン2
- 遅行スパン
過去26日間の最高値と最安値の平均値を結んだ線
過去9日間の最高値と最安値の平均を結んだ線
基準線と転換線の平均値を26日先行して表示させ線
過去52日間の最高値と最安値の平均値を26日先行して表示させた線
当日の終値と26日前の価格を比較する線
一目均衡表はパワーバランスが崩れた方に動き出すので、いつ相場が変換されるのかといった時間軸に注目して予測を立てます。
そして、一目均衡表で下記の3つの条件が揃った時を三役好転といってエントリータイミングになります。
- 転換線が基準線を上抜く
- 遅行スパンがローソク足を上抜く
- ローソク足が雲を上抜く
移動平均線(MA)
トレンド系インジケーターである移動平均線とは、一定期間の株価の動きを平均化した線のことで、トレンドの方向性や売買のタイミングを見るために使う線です。
5日線や25日線の日足チャートを利用する場合がほとんどです。
エントリータイミングは、チャートと移動平均線を組み合わせてゴールデンクロスやデッドクロスを見つけた時です。
相対力指数(RSI)
オシレーター系インジケーターの代表的なものの1つです。
今の相場が買われ過ぎなのか、売られ過ぎなのかを判断するための指標です。
指標は計算式で割り出した数値です。
数値は0~100%の間で動くため、70%以上は買われ過ぎとみなし、30%以下は売られ過ぎとみなします。
モメンタム
相場の勢いや方向性を判断するためのオシレーター系インジケーターです。
当日の終値から一定期間前の終値を引いて出てきた数値を見てトレンドの勢いを判断します。
長期的な場の判断よりは、短期的な場の変化を見ることに適しています。
基準を0として、0以上であれば強気な相場で0以下であれば弱気な相場と言います。
あまり、売買のタイミングを見極めることに適したインジケーターではないのですが、0以上からさらに上昇した動きを見せている場合は買いポイントだという見方ができます。
また反対に、0以下からさらに落ちていくようであれば売りシグナルとという見方をします。
FXなどで使われるスキャルピングについてはこちら
まとめ
押し安値と戻り高値は、トレンドの転換点を見極める時に見つけるポイントです。
また押し安値と戻り高値の判断は、ダウ理論に基づくトレンドの判断に影響してきます。
トレンドの判断にはインジケーターを用いることで、現状の把握と今後の予想をすることができます。
インジケーターを利用して相場を見る場合は、様々な時間軸から押し安値と戻り高値を判断し、またエントリータイミングを見極めるにはトレンドの強弱の判断をすることが必要です。
FXやバイナリーオプションは、日本円などの各国の法定通貨の他に仮想通貨でもできるようになりました。
様々な通貨での投資ができるからこそ、興味のある人はぜひ始めてみてください。
執筆者 西村大樹