今回解説する仮想通貨はOMG(オーエムジー)です。この記事では仮想通貨について詳しくない方やOMGを初めて聞いたという方でも分かりやすいように特徴やこれまでの値動き、今後どのような展開が予想されているのかを丁寧に解説してきます。
目次
OMG(オーエムジー)のリアルタイムチャート
OMGとはどのような仮想通貨?
OMG(オーエムジー)は、2017年に開発がスタートした「OmiseGo」がルーツとなっています。「Omise」と聞くと日本語のお店なのかな?と思いますが、この「Omise」は日本や東南アジアでオンライン決済サービスを展開している企業です。
日本企業で言う、PayPayやLINE Payなどのようなキャッシュレスに取り組んでいる企業であるというイメージを持っていただけると非常に分かりやすいと思います。
日本ではみなさん当たり前のように銀行口座を持ってクレジットカードで買い物を行いますが、東南アジアに目を向けてみるとこのようなサービスを利用できない方が多く存在しています。このような方々は「アンバンクト」と呼ばれ、金融サービスを利用できないことにより生まれる格差の拡大が問題となっていました。
アンバンクトの方々が手軽に金融サービスを利用することができるように、OMGを発行しているOmiseが開発したのが先ほど紹介した「OmiseGo」です。2020年に名称が変更されOMG Networkになり現在に至ります。
OMGの特徴
OMGの特徴として挙げられるのがこちらの3つです。1つずつ詳しくみていきましょう。
- 処理速度が速く低コスト
- 強固なセキュリティ
- 仮想通貨の投資会社が買収した
処理速度が速く低コスト
OMGは当初アンバンクトの方々が手軽に利用できる金融サービスを目指して開発が行われています。アンバンクトの方々が金融サービスを利用できない最大の理由は貧困だと言われています。貧しい生活を行なっているため、預けるお金もなく利用する理由もなかったのですが急速に進んでいくフィンテックの進化でアンバンクトのままでは日常活動にも支障をきたすようになってきました。
そのような背景を持って生まれたOMGは、イーサリアム(ETH)を基盤として開発されたOMG Networkは処理速度が速く、低コストであるという特徴を持っています。処理速度を速くし、低コストで行うために開発されたのが「MoreViable Plasma(MoreVP)」と呼ばれるネットワークです。
MoreVPは、OMG Network独自のブロックチェーン技術であり、サイドチェーンを利用することで複数のトランザクションをグループ化しています。通常だと1つずつ処理されるトランザクションをまとめて1つのトランザクションとして扱うことが可能になりました。まとめて1つのトランザクションを扱えることによって、処理スピードが向上、低コストで行うことができるのです。
強固なセキュリティ
OMG Networkでは、MoreVPに加えてMinimal Viable Plasma (MVP)と呼ばれるプラズマチェーンを利用することでイーサリアム(ETH)と同じような安全性が保証されるようになっています。
仮想通貨の投資会社が買収した
OMG Networkは2020年12月に香港の仮想通貨企業Genesis Blockの子会社であるGenesis Block Ventures(GBV)に買収されています。
GBVは、ブロックチェーンを通して未来を構築することをミッションに掲げている民間の投資企業です。最近注目を集めているDefiプロジェクトも複数抱えており、Defi関連の企業との結びつきも強いと言われています。そのような企業に買収されたことでOMG Networkの開発がさらに進み、発展するのではないかと考えられています。
仮想通貨OMGのこれまでの値動き
OMGはこれまでに大きく分けると3回の価格上昇を行っている仮想通貨です。それぞれどのような動きがあったのかを見てみましょう。
①2018年初頭
2017年7月に約68円で上場をしたOMG。上場した2ヶ月後の2017年9月には約1,200円にまで上昇しています。
2017年11月にはおよそ550円にまで下がったのですが、2018年1月には再度上昇しており、なんと約2,750円にまでなっています。
②2020年8月
2回目の大きな変動となった2020年8月。2020年5月からは約160円から180円代を推移しており、その価格は比較的安定していたのですが2020年8月に急激に価格が上昇。一時約830円近くまで価格が上がったのです。
その後価格は下がっていきましたが、比較的激しい価格変動を見せていたOMGですので、再度急上昇する可能性もありました。しかしこの年に再び急激な価格上昇を見せることはありませんでした。
③2021年4月
2021年4月の出来事として挙げられるのが、日本大手の仮想通貨取引所であるコインチェックへの上場です。コインチェックに上場したことが原因で価格が一気に上昇しています。
この時の価格は約1,200円となっており、今後の価格変動にも注目が集まっています。上場が行われていると一気に注目度が高まることがわかると思います。今後も上場されるタイミングで価格が大きく変動することが予想されています。
OMGの購入の仕方
OMGを購入する方法ですが、2021年8月現在でOMGを取り扱っている仮想通貨取引所はこちらの2つです。
- コインチェック
- GMOコイン
それぞれの取引所にアクセスし、手順を踏んで購入するようにしましょう。仮想通貨取引所を利用する場合は、各取引所が定めている最小取引単位以上で取引を行うことになります。
最小取引単位は仮想通貨取引所ごと、売買したい仮想通貨によって異なる可能性がありますので購入する前に確認するなど注意が必要です。
ちなみに、金融庁登録済みの仮想通貨取引所であるコインチェックでは全ての仮想通貨を500円から購入することができるようになっています。
仮想通貨を始めるためには、何十万、何百万円単位で資金が必要だと思っている方もいらっしゃるかもしれませんがワンコインで始めることができるので手軽に始めることができます。
OMGの今後について
気になるOMGの今後についてですが、期待されている内容がこちらです。
- 国内取引所への上場
- 大手企業や取引所などとの提携
- レンディングへの参加
①国内取引所への上場
元々OMGは海外取引所でしか取り扱いがありませんでした。そのため、日本人投資家がOMGを売買する際は海外の取引所を利用する必要があったため、投資を行う人が限られていました。
しかし、2020年7月にGMOコインに上場を行い、さらに2021年4月には日本で大手の取引所であるコインチェックにも上場を果たしています。この時の上場日には、価格が約20%も上昇しました。
OMGの価値がさらに向上し、売買のニーズが高まると日本国内の他の取引所でも上場される可能性が高くなります。仮に他の取引所に上場されるとなると、コインチェック上場時よりも価格が高騰、もしくはそれと同じような値動きになるかもしれません。
②大手企業や取引所などとの連携
あまり知られていませんが、OMG Networkは様々な企業との連携を進めています。海外ではマクドナルドやバーガーキングなどのファストフード店の決済システムに導入された実績を持っています。マクドナルドやバーガーキングは言わずと知れた大手企業ですし、このような大手企業との提携が進んでいくとOMGの利用価値がさらに高まっていることが予想されます。
仮想通貨業界内での動きとして注目しなければいけないのがTetherとの提携です。Tetherは、ステーブルコインと呼ばれる法定通貨と価値が連動する仮想通貨の代表格で、同じ種類のステーブルコインの中では最大規模の時価総額を誇っているのです。
この提携によって、TetherがOMG Networkを採用し、OMG NetworkでTetherが運営されることになります。仮想通貨は、価格の動きが激しいのが特徴ですが、ステーブルコインは法定通貨と連動することで決済機能の強化を目的として開発されました。
ステーブルコインの中でも時価総額を最も大きく、代表的な存在であるTetherとOMG Networkが連携することでOMG Networkがいかに優れたネットワークであるかということを証明することにも繋がるのです。これも今後のOMGに期待されることと言えるでしょう。
③レンディングへの参加
仮想通貨の世界では日々新しい技術やサービスが生まれています。これまでの仮想通貨取引では資金の移動や管理が主体となっていましたが、ブロックチェーン技術を応用してさらに多様な金融資産の移動や取引を可能とするDefi(分散型金融)が注目を集めているのです。
このような仕組みの中から、金融機関を仲介することなく仮想通貨によって資金を貸し付けることができるレンディングも登場し、さらに仮想通貨が法定通貨のような機能を強化しつつあります。
今後、OMGもこのようなサービスに進出する仮想通貨としての価値が高まっていくことが予想されています。もし現実となった際には、大きな価格上昇の要因となるに違いありません。
最後に
今回は、仮想通貨OMGについて解説しました。イーサリアム(ETH)の技術を応用し、イーサリアム(ETH)が抱える課題を解決することで知名度や取引量が拡大しているOMG。すでに日本国内でも取り扱いを始めている取引所が増えてきています。そのため、今後さらに注目度が高まる仮想通貨と言えるでしょう。
仮想通貨は資産家や富裕層だけが行うものではなく、ワンコインから始めることができますので、OMGについて知ったのをきっかけにOMGへの投資を行なってみてはいかがでしょうか。
執筆者 西村大樹