「もっとオープンなプログラム開発環境を提供するプラットフォームはないだろうか」
「開発したコードを共有するのにもっと効率的な方法を探している」
ソフトウェアの開発に携わったことのある方なら一度はこのような疑問を持ったことがあるのではないでしょうか。
もちろんそれは仕事現場だけではなく学校や趣味でプログラミングを楽しんでいる方々にも同じことが言えると思います。
そこで今回は分散型のプログラムコード共有プラットフォーム「Rdicle」をご紹介します。
Rdicleは今までのコード開発を、よりシームレスに共有できるプラットフォームとなっていて、WEB3.0における開発環境のスタンダードとなるかもしれません。
プログラムの開発環境に興味がある方、将来性の高い仮想通貨を探している方それぞれに価値のある内容となっていますので是非最後までご覧ください。
目次
Rdicle(RAD)とは
名称 | Rdicle(ラジクル) |
トークンシンボル | RAD |
ブロックチェーンネットワーク | イーサリアム |
トークン価格 | \350(2022/8/3) |
過去最高値 | \3653(2021/4/15) |
過去最安値 | \180(2022/6/18) |
公式ページ | https://radicle.xyz/community |
https://twitter.com/radicle | |
Discord | https://discord.gg/dZK4TxaU2v |
Rdicleはオープンソースプロトコル上に構築された分散型のコード共有システムです。
このプラットフォームでは、中央管理されているサーバーを介さずに開発コードを共有することが可能で、分散管理されたGitのような性質を持っています。
開発元はベルリンに拠点を置くソフトウェア会社「Monadic」という企業で、オープンソフトウェアの開発に力を入れているようです。
そのためRdicleのライセンスはMonadicには属しておらず、あくまでオープンソースな開発プラットフォームとしてこのサービスを提供しています。
誰でも使える開発環境の提供は、注目しているファンドも多く、2021にはRdicleの開発プロジェクトに対して1200万ドルもの資金を投じた企業まで現れたほどです。
現在は既に各OSに対応したデスクトップクライアントが公開されています。
補足:専門用語の補足説明です。
- オープンソース:ソフトウェアの開発コードが無償で提供されているもの。ソフトの再開発や改造が容易に行える。
- コード:プログラムコードの略称のこと。
- デスクトップクライアント:デスクトップ環境を利用した作業やデスクトップ環境で動作するパソコンのこと。
- git:プログラムコードなどの変更履歴を管理するバージョン管理システムのこと。
参考記事はこちら
https://bitcastle.io/column/post-12128/
https://bitcastle.io/column/post-12112/
Rdicle(RAD)の特徴
Rdicleはブロックチェーン上に構成された開発プラットフォームなので、Gitのような従来のバージョン管理ツールとは違う特徴を持っています。
この項目ではRdicleならではの特徴を紹介していきます。
特徴①分散管理されたプラットフォーム
Rdicleの特徴の中で最も注目すべきはこの分散管理でしょう。
これによってRdicleで作成したコードは第三者のサーバーを経由せずに直接管理することが可能になるので、他社との共有によって生じる技術的な摩擦の軽減や、大型プロジェクトの管理が容易になります。
さらにシステムはイーサリアムのブロックチェーン上で稼働しているので、ブロックチェーンの特徴であるP2P共有と、公開暗号鍵の利用ができます。
これによるメリットは、個人の開発環境や接続しているデータベースに依存することなく、開発を進めることができるので、トラストレスな開発環境が構築可能になることです。
また、Rdicleではブロックチェーンの高いセキュリティ性も兼ね備えています。コードのプロジェクトIDをイーサリアムのアドレスにリンクすることで外部からの改ざんに強くなり、セキュリティの強化に役立ちます。
この様にRdicleはブロックチェーンの特性を活かし、分散管理と高いセキュリティの2つの特性をもった開発プログラムになっています。
補足:トラストレスとはあるプロジェクトの開発においてお互いの信頼が必要のない状態のことを指します。プロジェクト参加者の素性が分からなくてもシステムには不都合がないため便利なシステムとされています。
特徴②独自のCLI(コマンドインターフェース)
CLIとはコマンドインターフェースと呼ばれ、コンピューターに何らかのコマンドを入力すると処理を返してくれるインターフェースです。
お使いのパソコンがウインドウズであればコマンドプロンプトの画面をイメージしてもらえれば分かりやすいのではないでしょうか。
RdicleではこのCLIに独自のコマンドを実装したRdicleCLIを用意していてホーム画面よりダウンロードすればすぐに使えるようになります。
このCLIはブロックチェーン上で構成されるアプリケーションです。ですのでセキュリティに関しては非常に堅牢なものとなっています。
セキュリティの信頼度が高いということは、外部からのハッキングリスクに強く、重要なプロジェクトの開発にも安心して利用できるプラットフォームと言えますね。
作成したプロジェクトファイルはIDと紐づけされたGitに接続、アップロードすることで、開発環境の拡張性も抜群です。
但し現時点で残念なポイントとしては対応しているOSはLinux、Macの2つのみと言うことです。ウインドウズやその他のOSには対応していません。
また、プロジェクトを立ち上げた時に生成するIDにはパスフレーズを設定するのですが、こちらを紛失、忘れてしまったりすると再発行ができません。
拡張性が高くセキュリティ性も高度な反面、使えるOSが限られていたり、分散管理ゆえのサポート体制の不備が、今後は課題となっていきそうですね。
特徴③RdicleによるNFTサポート
Rdicleは開発プラットフォームだけではなく分散型組織(DAO)の仕組みと、仮想通貨としての性質も兼ね備えています。
そのため、Rdicleで作成したコミュニティでは、NFTメンバーシップを持つコミュニティに投資したり、プロジェクトスポンサーとしてガバナンスに参加したりすることが可能です。
デジタル資産を利用したプラットフォームとしても活用できることで、Rdicleは開発者だけではなく、仮想通貨を取り扱う一般ユーザーにも利用価値があると言えるでしょう。
こちらの機能に対する詳細なインターフェースは残念ながらまだ公開されていませんでしたが、NFTサポート機能を使うとNFTの発行、作成、取引、管理ができるようになるそうです。
Rdicle(RAD)の現在の推移価格
RADの現在の対米ドルチャートは以下の通り。
ローンチ直後は一時30ドル近い値段を付けたものの、その後は下落の一途を辿っています。
CoinMarketCapによるRADの詳細なデータは以下の通り。
24時間取引高 | \4,658,288,522 |
市場ランキング | 295位 |
時価総額 | \11,367,329,278 |
市場占有率 | 0.01% |
数ある仮想通貨が取引されている市場の中でRADの市場ランキングは295位となかなかの上位と言えます。
投資先としての将来性はどうか
結論から言えばRADは長期的な投資に向く銘柄と判断しています。
トークン価格はピークから考えると下落率は約90%。確かに大幅な下落は見せているものの、トークンのローンチ直後が最高値というのは仮想通貨ではよくある事例でそれほどネガティブに捉えてはいません。
確かにゲームやエンタメ系の仮想通貨はそのままトークン価格が戻ってこない場合もたくさんあるので、少し警戒してしまいますが、Rdicleはそうはならないと考えています。
というのもRdicleはゲームやエンタメ系の仮想通貨と違い「開発環境のインフラストラクチャ―を提供する仮想通貨」です。
インフラ系の銘柄はその経済圏を維持するために、トークンを発行する必要はなく、トークン価値の低下によるサービス停止のリスクが比較的小さいと考えることができます。
ところがエンタメ系の仮想通貨では、ある程度のトークン価値なければその経済圏を維持することは難しく、そのままトークンの価値が回復することなく開発停止となる銘柄は少なくありません。
「投資目的でトークンをかったはいいけれどあっという間に二酸化値がなくなってしまったよ!」
といったリスクを低減できるのはやはり安定的な仮想通貨であり、そう考えるとRADは非常に優秀な投資銘柄と言えるのではないでしょうか。
とはいえ仮想通貨は株式や債券に比べればハイリスクな投資商品なのである程度のリスクは伴いますが、RADに関してはその中でも低リスクの投資銘柄として今後の価値の上昇に期待したところです。
Rdicle(RAD)の今後と動向
Rdicleは2022年8月時点ではロードマップの2021年後期の開発段階に位置しています。
この項目ではNFTやトークンといったDeFiの開発者向けにRdicleを展開し、開発プラットフォームとして更に発展していくフェーズとなっています。
また最新の情報ではRADがバイナンスUSへの上場決まったという報道もされており、システムのアップデートと同時にトークンの流動性にも着手していることが分かります。
最新情報は常にDiscordやTwitterに公開されているそうなので更に動向をチャックしたい方はアクセスしてみてはいかがでしょうか。
Rdicle(RAD)の購入方法
RADは残念ながら国内取引所にはまだ上場しておらず、海外の仮想通貨取引所で購入可能です。上場している取引所は以下の通り。
- CoinBASE
- BITSWAP
- GEMINI
- KRAKEN
- バイナンス
バイナンスを使ってRADを購入する手順
RADは海外の大手仮想通貨取引所であるバイナンスにも上場しているということで、ここではバイナンスからRADを購入する手順を紹介していきます。
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- STEP.01入金
- まずはRADを購入する為の仮想通貨をバイナンスのウォレットに入金します
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- STEP.02選択
- 次に購入方法の選択です。仮想通貨は常に価格が変動するので、指定した価格でRADを購入したい場合は購入方法を指値に設定。すぐにRADを購入した場合は成行を設定します。
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- STEP.03購入
- 取引方法が決まったら購入を選択します。
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- STEP.04確認
- 取引が完了したらウォレットにRADが入っていることを確認する
バイナンスは海外の取引所でありながら、日本語に対応しているので操作方法が直感的に分かります。
操作がどうしても不安な方は、まずは少額のRADを購入してみて、無事に着金したことを確認してから取引するといいでしょう。
バイナンスを使った取引に関する参考記事はこちら
Coincheckを使えば日本円でRADが購入できる!?
RADは日本の取引所に上場していないので、日本円でRADを直接購入することはできません。ですがCoincheckを経由すれば間接的に日本円でRADを購入できるようになります。
その方法はずばり、「バイナンスに入金するRAD購入用の仮想通貨をCoincheckで買う」です。
具体的な流れは以下のようになります。
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- STEP.01入金
- まずはCoincheckに日本円を入金します
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- STEP.02購入
- バイナンスで使うための仮想通貨を購入します。(BTCやETHなど)
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- STEP.03送金
- 購入した仮想通貨をバイナンスへ送金
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- STEP.04確認
- バイナンスに無事仮想通貨が届いているかを確認します
たったこれだけの手順でバイナンスに現金を海外送金することなく取引ができるようになります。もちろん直接バイナンスに送金するよりは手間がかかりますが、ドルへの両替といったコストを考えるとこの方法が最も簡単でベストではないでしょうか。
もし「まだCoincheckのアカウントを持っていないよ」という方はぜひこの機会に口座開設を検討されてはいかがでしょうか?
口座開設は無料、スマートフォンからの申請で最短1日で取引可能になります。
Coincheckのからバイナンスへの送金方法はこちら
https://bitcastle.io/column/post-17443/
【まとめ】RdicleはWEB3.0時代の開発インフラを支える通貨
オープンソースな開発環境を提供することを目標としているRdicleは非常に今後が楽しみな仮想通貨です。
この銘柄の提供するプラットフォームの恩恵は、開発者以外にはあまり感じられないかもしれません。
ですが「WEB3.0の開発インフラを担う銘柄」と聞くと私たち一般のユーザーにも興味がわくのではないでしょうか。
分散型のネットワークはまだまだ開発途中であり、日常生活で目にする機会はまだわずかです。
しかし未来は確実に分散型に進みますし、その時に登場するサービスはきっと今より生活を豊かにするものになるはずです。
その根幹を支えるかもしれないRdicleのプラットフォームは今のうちから投資してみてもいいかもしれませんね。
執筆者 西村大樹