「億り人」という言葉を聞いたことがありますか?億り人とは、投資などによって1億円以上の資産を手にした人のこと。仮想通貨以外でも、株やFXなどで投資をしている人には、耳なじみのある言葉かもしれません。
この記事では、まず億り人の意味を解説します。その後、仮想通貨界でどのように億り人が誕生したのか、今後も億り人になれるチャンスはあるのかなど気になる内容もわかりやすくお伝えします。
仮想通貨の取引で覚えておきたい税金についてもまとめましたので、取引を行う際の参考にしてくださいね。
目次
「億り人」とは?
「億り人」は元々、株やFXのような投資や投機によって1億円以上の資産を手にした人を意味する言葉でしたが、現在は仮想通貨の世界でも使われています。
2008年の仮想通貨誕生から現在にかけて、仮想通貨に投資をする人も増えています。仮想通貨の世界でも、続々と資産1億円を超える人が誕生しているため、億り人という言葉は仮想通貨界でも広く使われるようになったのです。
「億り人になると、1億円以上のお金が手元に入ってくるのか!」と思った人もいるでしょう。しかし資産が1億円を超えたからといって、手元に1億円が入ってくるわけではありません。
投資による利益には確定申告の必要があり、税金を納める義務も生じるからです。とはいえ、巨万の富を築いたことには違いありませんね。
2017年は仮想通貨が急成長!多数の億り人が誕生
2017年に仮想通貨は大きな成長を遂げました。経済規模が爆発的に拡大したことで大きな話題となり、多くの人が「仮想通貨」という言葉を知ったのもこの時期です。
ここからは、たくさんの億り人が誕生した背景や億り人のその後について紹介します。
仮想通貨の億り人が生まれた背景
2017年にたくさんの仮想通貨の億り人が生まれた背景には、仮想通貨の大ブームがあります。
この時期、仮想通貨の価格が高騰し、仮想通貨の代表ともいえるビットコイン(BTC)には一時200万円以上の値がつきました。ビットコイン(BTC)の取引が開始された2009年には、1ビットコイン(BTC)0.07円程度。比べてみると、その高騰ぶりがわかりますね。
ビットコイン(BTC)の高騰を受け、ビットコイン(BTC)以外の仮想通貨(アルトコイン)にも注目が集まるようになりました。
モナコイン(MONA)やリップル(XRP)はとくに成長率が高く、これらの仮想通貨に投資していた人たちは、資産を大きく増やすことに成功しました。
仮想通貨の億り人のその後は?
2017年の仮想通貨バブルともいえる状況から一転、2018年になると多くの仮想通貨が大幅に値下がりしました。一時的に億り人となった人の中にも、暴落までに利益確定が行えず、最終的に損をしてしまった人もいたことでしょう。
ほかにも、仮想通貨取引で生じた利益にかかる税金に苦しめられたケースもあったようです。というのも、仮想通貨の取引で利益が出た場合、確定申告や納税の義務が生じます。
大きな利益が出たということは、多額の税金をおさめる必要が生じるということ。突然億り人になった人の中には、多額の税金を払えない……といったケースもあったのです。
このように、仮想通貨で億り人になった人でも、その後順調に資産を増やしていけたわけではありません。
実際、億り人になった後も順調に資産を増やしている人は、ほんのひと握りとも言われています。
今からでもなれる?仮想通貨の億り人になるには
仮想通貨は歴史も浅く、今後の予想が難しい業界です。とはいえ、仮想通貨取引を長期にわたって行っている人は、それぞれの哲学や思いをもっているように見受けられます。
ここではそのような人の意見を参考に、今後も仮想通貨の億り人になれるチャンスがあるのかといった疑問や億り人になるための方法を検証してみましょう。
今後も仮想通貨の億り人になれるチャンスはある?
仮想通貨の取引で大きな利益を出している人によると、今後も2017年のように大きくはじける可能性はあるようです。
とはいえ、仮想通貨をはじめとした投資の世界で絶対はありません。価値が高騰する可能性と暴落するリスクの両方を頭に入れながら、仮想通貨取引を行ってくださいね。
仮想通貨の億り人になる4つのポイント
仮想通貨の世界で億り人になりたいなら、押さえておきたい4つのポイントがあります。ひとつずつ紹介していきましょう。
1.【投資の基本】長期分散保有
仮想通貨に限らず、投資の基本は長期間、分散して行うこと。これはリスクを伴う投資の世界では、基本中の基本です。リスクを最小限に抑えるためにも、この基本はしっかりと守りましょう。
仮想通貨取引においての分散には、以下の2種類が考えられます。
- 仮想通貨の銘柄を分散させる
- 取引所を分散させる
ひとつの銘柄にしぼるのではなく、イーサリアム(ETH)やリップル(XRP)、ネム(XEM)などさまざまな仮想通貨銘柄に投資することで、ひとつの価値が下落したとしてもリスクを抑えられます。
また、過去には取引所から巨額の仮想通貨が流出した事件も起きています。こういったリスクから資産を守るためには、国内・海外の取引所に分散させて資産を保有することも必要でしょう。
2.仮想通貨について勉強する
億り人になるには、仮想通貨についての勉強も欠かせません。といっても、いきなり「仮想通貨のチャートを読み解こう」など難しいことにチャレンジしても実を結ばないもの。
まずは、仮想通貨の動きを調べたり、自分なりに分析したりすることがオススメです。このような自分なりの分析を繰り返すことで、仮想通貨の動きを見極める勘を養いましょう。
その仮想通貨が支持される理由や今後の動きの予測も合わせて考えてみると、仮想通貨の動きを敏感に感じ取れるようになるかもしれません。
3.信ぴょう性の高い情報を集める
億り人になるには、信頼できる情報を自分から集めることも大切です。
仮想通貨は購入したら終わりではなく、そこからがスタート。保有した銘柄についての情報を集めたり、ほかの銘柄の動きにも気を配ったりしながら、仮想通貨界全体の動きにも注意を向ける必要があります。
SNSなどでも仮想通貨に関する情報があふれていますが、信頼度の低い情報もまぎれているため注意しましょう。
仮想通貨の取引を行う際にオススメなのが、公式サイトや取引所などが発信している情報です。正確で中立な立場の情報を得ることで、正しい判断をしやすくなるでしょう。
4.リスクを理解し無理な投資はしない
億り人になる人はリスクをしっかりと理解し、無理な投資を控えている人が多いです。このような人たちは徹底的な資金管理を行いつつ、仮想通貨に投資しています。
無理な投資を避けることも、仮想通貨で成功する秘訣でしょう。
仮想通貨で納税の必要があるケースと注意点
前述したように、2017年に誕生した多くの億り人が、多額の税金に悩まされたようです。
実は、仮想通貨を保有しているだけなら税金はかかりません。しかし取引によって利益が生じた場合には、課税対象となるので、注意が必要です。
ここでは国税庁から発表されている「暗号資産に関する税務上の取扱いについて」の情報をふまえて、仮想通貨と税金についてお伝えしていきましょう。
仮想通貨による利益も課税対象となる
仮想通貨にかかる税金で、注意すべきは所得税です。
1月1日から12月31日までの1年間に、仮想通貨によって生じた利益が20万円を超えると、所得税の対象となります。仮想通貨の取引を行う人は、所得税の計算を行うために、12月31日23時59分時点の取引明細を保管しておくことが必要です。
ほかの給与所得などと合計して1年間の総収入額を算出し、必要経費を控除した所得額に対して所得税がかかります。
課税対象となるケースは3つ
仮想通貨は以下の3つのケースで利益が生じた場合、課税対象となります。
- 仮想通貨を使って商品を購入したとき
- 仮想通貨を売却したとき
- 仮想通貨を別の銘柄の仮想通貨に交換したとき
仮想通貨を使って商品を購入すると、支払いのタイミングによっては利益が生じます。
これは
仮想通貨で支払い→仮想通貨を売却→日本円に換金→商品購入 |
という手順を踏んでいるため。
また、仮想通貨を別の銘柄の仮想通貨に交換するときも同様に
仮想通貨を売却→日本円に換金→別の銘柄の仮想通貨を購入 |
という段階を経るため、利益が生じた際には課税対象となります。
海外取引所を利用しても納税しなければならない
「海外の取引所を利用すれば税金がかからないのでは?」と考える人もいるかもしれませんね。海外の取引所の中には、本人確認なしで利用できるものもあるので「もしや税金を払わなくてもよいのでは……」と期待してしまう気持ちはわかります。
しかし、海外の取引所を利用していても税金を払わなければなりません。
そもそも、日本に住んでいる人に対しては、日本の税制が適用されます。そのため海外で取引を行ったとしても、納税義務から逃れることはできないのです。
加えて、海外取引所で取引をしていると思っていても、実際には日本の取引所を介していることもよくあります。取引や利益を完全に隠すことはできないのです。
税金に関する正しい知識をもって投資を行ってくださいね。
【まとめ】億り人のように仮想通貨で成功するには正しい知識をもつことが大切!
仮想通貨の世界は動きも激しいため、今後も何かのタイミングで大きくはじけることもあるかもしれません。仮想通貨の動きを予測する勘を養うためには、普段から仮想通貨についての勉強や情報収集を行うことが大切です。
また急に大きな利益を手にした場合には、税金の支払いも大変になります。普段から税金についてもしっかりと理解しておくとよいでしょう。
「億り人のように仮想通貨で成功したい」という思いをもっている投資家の人は、正しい知識を頭に入れて、仮想通貨取引を行ってくださいね。
執筆者 西村大樹